67.《ネタバレ》 日本の昔が侍だけの世界でなかったように、アメリカの西部開拓史というのは、ガンマンだけの世界ではない。むしろ、農地開拓の歴史が、アメリカを西へ押し広げたのだという。この映画は、最後に悪漢をカッコよく倒して、颯爽と去ってゆくガンマンをヒーローとして描いているように言われるが、実はその大半が、自ら耕す農民の正義と、新旧の世代の戦いを描いている。 シェーンは自分が銃で物事を解決する時代の側の人間であることを自覚して、それから抜け出そうと農民の社会に生きようとするが、結局は辺境の治安維持の不備によって、力を行使せざるを得ない状況に陥る。 彼がカッコイイのは、自らを傷つけながらも、新世代を無垢のままに守ったからだ。スターレットを直接守ったのはもちろんだが、その目の前で人を殺してしまったジョーイ少年を、銃の世界に引き込まぬようにか、一家の前から去るその潔さ! それにしてもライカー、インデアンから土地を守ったという、彼の言い分にも一理あると思ったが、やり方がダメすぎたな。 【追記】 何でもWikipediaによれば、ラストシーンに関して、シェーンの生死の議論があるそうで…。そう言われてみると、ラストのシェーン一人のカットは、モノクロかと思うほど色調も暗く、死を暗示させる。が、シェーンは馬を操っているし、何よりこれがシェーンの死を表現しているとしたら、わかりずら過ぎるし、悲しすぎる。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-24 01:43:29) |
66.ラストシーンが印象的な西部劇。ワイオミングの風景が目を見張るほどきれい。 ストーリーは勧善懲悪物で、登場人物たちのキャラも口より腕っ節といったタイプが多く、 非常に単純明快。シェーンはそのうえ爽やかで情に厚く、魅力的なキャラとして描かれてます。 ラストは見せ場たっぷりのシーンが用意されており、思わずカッコいいと唸ってしまったのだが、 シェーンという男はいったい何者なのか? なぜ最初は銃を持とうとしなかったのか? 彼の人物像をもう少し掘り下げたほうが、ストーリーとしてはもっと面白くなったと思う。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-24 04:21:02) |
65.《ネタバレ》 リバイバルで久しぶりに鑑賞。子供の頃にはよく分からなかったシェーンの魅力を堪能できた。この映画は、ただの撃ち合いでもつ西部劇のレベルを軽々と超えている。 まず、僕が子供の頃抱いた印象と違ったのは、シェーンは決してかっこいいばかりじゃないということだ。そもそもなぜ彼がここに流れ着いたか分かったものじゃない。その理由は決して褒められたものではなかったのだろう。彼の拳銃の腕も、彼がどちらかというと暴力的な生活を送ってきたことを明確に示している。ジョーの家に来てからは、「暴力も使いようだ」と殊勝なことを言うが、今まで彼がどのようにそれを使ってきたかを考えれば、内心忸怩たるものがあったのではないか。彼は、おそらく何かのきっかけで改心した悪党に過ぎないのである。 そして、彼と中年を迎えようとしているマリアンの気持ちの交錯も美しいだけじゃない。それはマリアンにおいては、ど田舎に閉じ込められた人妻の単にありふれた貞淑のよろめきであり、シェーンにとっても自慢できるアヴァンチュールでもなんでもない。厳しいことを言えば、盛りを過ぎた彼らの交情は、世間から見ればみっともない部類にすら区分できる。 そして、僕がこの映画を優れていると思うのは、まさにこういうしょうもない男と女の話がものの見事に傑作に仕立て上げられているからである。昼ドラにでも出てきそうなストーリーを、役者陣の丁寧な演技と余情漂う慎み深いシーンの積み重ねでとても上手に一つの美談に変えてしまった監督の手腕は恐ろしいほどだ。子役の活用方法も独創的だ。子役を中心に据えて、ストレートに涙を取りに来る映画が多い中で、この作品は子役を脇役として効果的に使っている。シェーンとマリアンとジョーの三者を料理の原材料とすれば、ジョーイはそれを調理する火に当たる。ジョーイの存在が、彼らの気持ちの触れ合いやすれ違いを分かりやすく炙り出しているのだ。 終盤は名シーンの嵐で、ウィルソンやライカー兄弟との撃ち合いのシーンはもちろん素晴らしいが、その前段のシェーンとジョーの殴り合いでシェーンが最後に拳銃の台尻でジョーを殴り倒すシーンに感動した。スターレット一家に対するシェーンなりの仁義の切り方にただ涙するのみだった。そして、あまりにも有名なラストシーン。涙が止まらなかった。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-11-15 23:42:08) |
64.《ネタバレ》 例えば、冒頭のシェーンがスターレットの家へやって来て、さらにライカーたちがやって来る場面の緊張感の無さなどを見てみても、とても退屈に思えるのですが…、それでも本作を気に入っているのは、アラン・ラッドの男っぷりとジャック・バランスのニヒルさもさることながら何より肉体的な映画であるからです。 シェーンとスターレットは巨大な切り株を馬を使わず協力し合って取り除き、一緒に酒場で乱闘を繰り広げ、最後には過剰に素手で殴り合う(銃で殴れば少年に「嫌いだ」と言われる)。ライカー側の手下がシェーンに罠であると知らせに来るのも、シェーンと彼が素手で殴り合いをしたからに違いなく、ここにおいては肉体を駆使することがコミュニケーションであるかのようです。ラストで少年が自宅から酒場までの長距離を走ってやって来るのも、シェーンとの仲直りに必要な肉体的労働であったとすら思えるのです。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-12 18:48:45) (良:1票) |
63.撃ちあいよりも殴り合いのほうが多い。しかし過剰でない銃撃戦のなんとスタイリッシュなことか。あの一瞬を観るために何度と無く劇場に足を運んだ人も多かったに違いないと思わせる素晴らしさ。ペイルライダーの原型を知れて満足。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-23 23:38:45) |
62.《ネタバレ》 「なるほどね~アメリカ版水戸黄門かぁ」と思ったら・・・男のハートを震わす凄まじい後半。昨今の世界のあらゆるコンテンツにオマージュされた、ハードボイルドに生きる上でのベーシックになっている。10点満点中、前半4点、後半6点、スターレットとの殴り合いから10点、ラスト5分100点。 【460】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-03 02:35:04) (良:1票) |
61.《ネタバレ》 淡々と進む西部劇だが、確かにスキがない。 だけど、ここぞといった見せ場もない。 主人公のかっこよさが中途半端なのも痛い。 むしろ適役のガンマンの方がスタイリッシュでかっこよい。 だがしかし、ラストの締めくくり方には痺れた! 一方的に喧嘩を売りに行って、さっさと全滅させ、そして潔く去る。 まあ強ければ何でもアリというラスト、というかオチにも思えるが・・・ 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-19 21:57:45) |
60.《ネタバレ》 これぞ西部劇の決定版。「シェーン!カムバック!」、ジェイ少年魂の叫び。清々しい幕引きでしたがどうも彼の声色に違和感がありました。誇りのために命を賭ける熱き男の映画。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-29 00:25:44) |
59.「遙かなる山の呼び声」の曲とシェーン!カムバック!のエンディングが印象的。 個人的に西部劇の撃合いはこれぐらいが丁度いい。様々な人間関係の描写はなかなか良い。 昼夜の描写がイマイチなのでそこが惜しい・・・。 【円軌道の幅】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-12-30 02:14:29) |
58.当時の土地争いとか近所づきあいなどが時間をかけて細かく描かれているし、 さわやかに終わるいい話ではあるんだけど。 長く引っぱったわりにはこれだけ?と思うくらい、全体的に地味。 アクション要素は薄く、セットは小規模。 ストーリーは意外性があまりない。 昼に撮ったシーンを暗くして夜のシーンに見せるというのは、ちょっと苦しいような。 喧嘩で顔面を殴りまくるのもなんかなぁ、本当なら顔グチャグチャ歯ボキボキだと思う。 【且】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-01 00:14:38) |
|
57.あまりにも単調だった…観る時代が悪かったな。 【デフォルトモード】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-01-23 19:42:07) |
56.《ネタバレ》 西部劇としてはよくある話で、喧嘩で仲直りなどベタな演出も多いのだが、シェーンがやたらとカッコいい。よくある設定のキャラなのだが、ジョン・ウェインともイーストウッドとも違う雰囲気がものすごく良い。ただ、この主人公のシェーンについて言及するとすれば、中盤で出番が少なかった。でも、そんなことはラストで吹き飛んだからまぁ良い。あのラストは忘れられないな。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-10 23:43:12) |
★55.子供の頃TVで観てから、久しぶりの鑑賞。意外やシェーンの服装が格好悪い。ベルトをつけてればまだ見られるが、外すと何だかプレスリーのコスプレ崩れに見えなくもない。子役も子役でちょっと目つきが悪い。こんな顔だったっけ。はて。色々淡い記憶との違いに戸惑います。肉弾戦が多く、西部劇というより人情劇。今見ても印象的な名ラストシーンに+1点。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-20 18:58:43) |
54.《ネタバレ》 西部劇はあまり観ないのですが、これは良かったです。昔大好きだった「大草原の小さな家」の雰囲気と一緒なのが要因の一つかと。そして、少ないながらも効果的なアクションシーン。ウィルソンとの対決シーンは、一瞬ですけど、息の詰まるような間があります。その間にウィルソンとシェーンに素早く切り替わり、あたかも自分がそこにいるかのような錯覚に陥らせるその演出が見事でした。 基本的にはリアリズムに徹した作品ですが、あの奥さんの服装はどうなの?もちょっとみすぼらしくてもいいんじゃない?パーティーやってるわけじゃないんだから。そこが唯一の不満点です。 【osaosa】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-11 09:43:33) |
53.《ネタバレ》 これって、ウエスタンの皮をかぶったファミリー・ドラマだったのですね。最初は格好良いヒーロー大活躍かと思って見ていたので、いろんなところで間延びしすぎとか会話しつこすぎなどと感じていたのですが、あくまでも地元側の地に足についた視点に徹しているので、見た後の印象は逆に良いです。敵ボスが人間離れした悪人ではないというのも、現実感を醸し出しており、かつ、ラストの主人公の哀しみを裏付けています。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-11-07 01:40:37) |
52.《ネタバレ》 銃撃戦が少ないため確かに西部劇、という視点で見るとかなりかったるい作りをしている。しかし程よい緩急のつけ方、そして必要以上に腕をひけらかさないからこそ、子どもに銃を教えるときのインパクトが(的がただの石だといえども)とてつもなくでかいものになっているのだと思う。 酒場での喧嘩、ラストでの殴り合い等の場面も、確かにシェーンは強いのだけれど、今のようにあり得ない強さではなく、実にリアリティのある強さであるので、流れから浮くこともない。 画面構成も見ていて美しい。遠くからやってくる人物と近くの人物を一緒の画面に移すことで、より空間的な広がりができ、荒野の雄大さを実に表現できていると思う。 そして、各人物が闘う理由。 一応、善と悪という感じで物語は描かれているが、どちらの言い分も正しいし共感できる。つまり、下手な同情等の感情ではなく、敵味方ともにきちんとした理由づけのもと行動しているというところが、昨今の映画との違いではないだろうか? だからこそ、何十年たっても名作として語り継がれているのだと思う。 【クリムゾン・キング】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-17 00:41:42) (良:1票) |
51.《ネタバレ》 誤解があります。当時は異色ウェスタンだったのです。いわば水戸黄門風な映画のラッシュの中、悪役にも存在理由を与え、一件落着でも悲しいラストになるという西部劇はそれまでなかったのです。また、ガンアクションの少なさを指摘した方もいらっしゃるようですが、意図的に抑えて、アクションシーンの記憶が強くなってるよう効果を狙ってるはずです。だから、子供に手本を見せるシーンの発射がびっくりものになるわけで。例を挙げていいかどうか、「リーサル・ウェポン」シリーズは弾丸何万発、爆薬何百kgとかいうフレーズで10何年前には大ヒットしましたが、今観てる人はおたく系だけでしょう。 ペキンパが「ワイルドバンチ」への批判に対し「俺が悪いんじゃない!シェーンのジャック・パランスが西部劇を変えちまったんだ!」と発言したそうです。 ただ、TVの映画放映がテレビ局のドル箱だった時代、淀川さんの解説付きで年一回くらいやってたそうです。本家のアメリカの著述家からしたら「日本での異常人気」だったそうですね。大正生まれのシェーンファンだった祖父ももう亡くなりました。シェーンも伝説的な付加価値はもうないんでしょう。 |
50.無駄に力をひけらかすことも無く(彼自身は自分が正義ではないことも知っていた)じっと耐えていたがお世話になった主人と、何よりその妻や子供に危機が及ぶようになると命を張って戦う、ああ、日本人の心(?)サムライ魂だよ。一方で典型的西部劇ヒロイズムも合わせ持つ作品で、それに拒否反応が出ない限り西部劇としては最高傑作。悪役の言い分もオヤジの意地もオヤジの妻とシェーンの間にある感情もシェーンに憧れる子供の気持ちもみんな理解できる。シェーン、カムバーク。ええ話や。惜しむらくは子供に眉毛があれば 【Arufu】さん [インターネット(字幕)] 9点(2006-01-07 15:45:53) (笑:2票) |
49.《ネタバレ》 水と緑が綺麗なロッキー山脈のふもとが舞台の珍しい西部劇です。中身も監督がジョージ・スティーブンスだけあって、ホームドラマ重視に仕上がっています。ていうか、これはアメリカ版股旅物だ、任侠物ですね。それに子供の視点から見ていて分かりやすく出来ています。ケンカのオーバーアクションや、やたら大きい効果音も、ジョーイ少年の視点。俳優は父親のヴァン・ヘフリンからライカー役のエミール・メイヤー、コーヒーを飲む殺し屋ジャック・パランス、そして2匹の犬に至るまで名優ぞろい。そして、本名を名乗らない主役のシェーンの存在が大きかったです。 ところで、小さい男の子が成長過程でヒーロー像を求めるのは自然のことなんですが、ジョーイ少年のシェーンへの期待は凄かったです。瞬きもせずにシェーンを見詰め続け、「シェーンは強いよね。」「痛みなんてへっちゃらだよね。」「臆病じゃないよね。」「逃げたりしないよね。」「勝つと思っていたよ。」と、雨嵐のように期待をぶつけます。彼は唐突に知らない子供に、不死身で無敵の特撮ヒーロー像を求められてしまいました。時代が変わったことを受け入れ、殻を破ろうとして果たせなかったシェーンは、せめてジョーイの期待に応えようと努力したのでしょう。かくして、彼は2階から撃たれたときに怪我したと思われるのに、たいしたことないとやせ我慢をし、「正直で強い男になれよ。」と、少年を励まして去るのでした。しかも最後までジョーイ少年は「本気だったら撃たれなかったよね。」「あいつ、抜く暇もなかったよね。」と、懸命に自分のヒーロー像をキープしようとしていたのでした。・・・気の毒に・・・私にはある意味、ライカーや殺し屋ウィルソンよりもジョーイ少年の方が怖かったですよ。あの後、シェーンが無事に別の町に行けたことを祈ります。 【くなくな】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-14 22:01:35) |
48.《ネタバレ》 あの後シェーンは死んだのか生きてるのか永遠の謎です。 【sting★IGGY】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-12 09:36:42) |