18.《ネタバレ》 アメリカの、というか世界の野球史に今でも残るブラックソックス事件なのだから、ドラマチックに盛り上げようとすればいくらでもできるのだろうが、そうはなっていない。情緒にも流れないし、わざとらしい強調もない。むしろ、何というか、ある種必然的に淡々と、選手たちは八百長に巻き込まれていく。黒幕側はよく分からないけどとりあえず怪しい連中がうろうろしているし、選手側は、キューザックもチャーリー・シーンも特に目立つことなく、むしろみんなで無表情に事を進めていく。このあたりの描写のトーンが、かえって容赦なさというか、逃げられなさを感じさせます。また、中盤ではシリーズは全8戦あるのですが、その一つ一つにきちんと時間をとっています(というか、そうしようとしたら、いくつもの球場でロケをすることになるはずで、エキストラの動員も含めて、手間がかかってるなあ)。その上で、終盤では、裁判無罪の打ち上げと永久追放処分のクロスカッティング、それを受けた選手たちのリアクションを出さない(一気に話が飛ぶ)突き放した冷たさ、さらにはエンドクレジットに乗せてのもともとの笑顔の無邪気なプレーと、一つ一つの演出が見事にはまっています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-09-08 00:15:54) |
17.《ネタバレ》 1919年のワールドシリーズ八百長事件を知るにはうってつけの教材。実録ものを扱いながら、選手一人ひとりの性格描写や入り乱れる賭博師たち、ケチんぼオーナーとスポーツ記者らの絡み、野球選手に憧れる子どもの目まで丁寧に盛り込み、なかなかドラマチックな作品になっています。 米世論からは‶アンラッキー・エイト”と呼ばれた選手たち。やっぱり同情してしまうなあ。八百長に関わっていないのに「知っていたけどチクらなかったから」追放とはこりゃ厳しい。よく知るチームメイトからたった2試合だからさ、と言われてきっぱり断るのもわたしの優柔不断な性格では難しいや。 そもそもの発端となっている吝嗇化オーナーの描写がもう少し欲しかったな。ここはひとつ逆ギレをかましてヒール役に徹してほしかったところ。 それにしても、シリーズ1試合めから早々と八百長は見抜かれていたのですね。わざと手を抜くってバレないようにやるのは難しいんだねえ。新米ピッチャーが先発で、皆つい夢中になって本気で試合に取り組んでしまった3試合目の爽やかさときたら。やはりスポーツはこうでないとね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-03 16:36:44) |
16.昔からMLBが大好きで、アメリカの野球映画も大好きな僕としては、 野球映画はどうしても点数が甘くなりがちになります。 しかし本作は・・・。 これほど試合シーンに心が躍らない野球映画も無いでしょう。 本作と同時期の名作「フィールド・オブ・ドリームス」でも触れられたブラックソックス事件。 本作はよりブラックソックス事件とは何だったのか、 そしてアンラッキー・エイト達に何があったのかを、 そもそもの事の発端から永久追放までを描き出していく。 所々で挿入される純粋なファンの子どもの視点が悲しい。 野球映画にはどうしても点数が甘くなると書きましたが、 本作はそれとは全く異なる感情が湧いてくる野球映画です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-21 21:38:01) |
15.「ブラックソックス事件」を扱った、それなりによく出来た作品だとは思う。 ただし、何故か心躍らない(当たり前か...)。誰にも感情移入しにくいということもあると思う。雰囲気はそれなりに出ているんだけど。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-07-06 16:26:08) |
14.《ネタバレ》 インディーズ映画の雄でありアメリカ社会の影を追ってきたJ・セイルズが撮っているので、強欲なオーナーと薄給の選手たちの対立という図式が濃厚。この八百長に加担したブラック・ソックスの選手たちが、とてもプロスポーツ界のトップに立つセレブとは思えないようなダサい生活ぶりで、彼らを資本家と対立するプロレタリアートに摸する意図があったのかもしれない。でも選手たちのとても共感できないような野卑な言動もきっちりと描いていて、バランスはとれている。この八人に曲者バイ・プレーヤーたちをずらりと並べたJ・セイルズ作品にしては空前のオールスター・キャストで、監督役のJ・マホーニーも実にいい味出してました。当時のメジャー・リーグ・ゲームの雰囲気は良く再現されていて、ダボダボのユニフォームに背番号が付いていないというのは、今の眼からはとっても奇異に見えます。 一度は観ておきたい野球映画の秀作です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-02-08 20:07:24) |
13.現在の大リーグは選手の年俸が高騰し過ぎてサラリーキャップ制の導入等が問題にされているようですけど、こういうドケチなオーナーが球団を支配して、安いカネで選手を奴隷のようにこき使っていた時代があったことを考えると、ある程度は仕方ないのかなと思う。「29勝は30勝ではない」といってエディへのボーナスを取り消すオーナーには、マジむかついた。八百長の証拠に1万も払う余裕があるんなら、さっさと選手に還元しろよ、このボケ。 【鳥居甲斐守】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-13 23:27:37) |
12.メジャーリーグの最大の汚点である、ブラックソックス事件を事実に忠実に描いているのは非常に好感が持てるが、ただ忠実なだけとも言えなくもない。1919年のホワイトソックスが、いかに偉大な選手が揃った、例えば堅守と好打で、このワールドシリーズでも打ちまくったバック・ウィーバーや、今でも軟投派の名投手として名前の上がる、ナックルを決め球とするエディー・シコット、天才的な守備力を持ち、メジャーの外野手の守備記録に現在でも名前を残すハッピー・フェルシュなど、そういう選手個々の凄さに対して詳しく触れられていないのが、あまりにも残念で、そのせいで名選手がわずかな金で野球界を追放される悲壮感が薄い。その他、オーナーと選手の対立だけでなく、当時のホワイトソックスは選手同士の対立が酷かったことに触れられていず、裁判で選手同士が罪をなすり付けあい、隠蔽工作として選手同士で殺す殺さないの脅迫まで行なわれた事実が映画ではカットされているのも深みに欠ける。史実を知るには良く出来た映画だが、娯楽として楽しめる映画ではなかった。蛇足ながら、シューレス・ジョー・ジャクソンが、きちんと左打席に入るってだけで嬉しくなってしまった。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-05-12 21:40:47) |
★11.本当に悪い奴ってのは裁かれないもんですね。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-05-09 11:00:20) |
10.まあ、可も無く不可もなくというところでしょうか。ラストのジョー・ジャクソンにはちょっと涙が出ました。この頃のマッケナは可愛いなあ。 【DeVante】さん 6点(2004-11-19 20:38:26) |
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9.この事件自体知らなかったのだけど・・・野球って子供の夢(特にこの時代には)だけに凄く哀しくて、嫌な事件ですね。何とも言えない後味の悪さが残ります。J・キューザックが最後まで希望だったけど、関係者皆に野球=・・・と切っても切り離せない暗い思い出を植え付けてしまった・・・ニ度と起きてはならない事件です。 【桃子】さん 6点(2004-03-08 17:51:58) |
8.野球映画がダメな自分でもこれは最後まで見られました。まぁプリティ・リーグほど軽いタッチで描かれる映画の方が好きなんだけどね。でもこれは実話なので色々と重くなるのはしょうがないか。 【ブルー・ベア】さん 6点(2003-11-06 19:35:29) |
7.こんな歴史もあって今のメジャーがあるんですね。29勝させてその後登板させずに30勝行ってないからボーナス出さない。あんなオーナーの下なら起きて然るべき事件だと思った。ラストはドキュメンタリーならではの切なさでした。 【スルフィスタ】さん 7点(2003-10-25 13:38:43) |
6.野球を題材とした映画は大好きじゃけど、この映画は特別です。見終わった後、ブラックソックススキャンダルの文献を買いまくったよ。 【マコちゃん】さん 10点(2003-06-20 19:13:51) |
5.野球映画は大体皆好きだけど、この作品と「フィールド・オブ・ドリームス」はちょっと別格に好き。実際にあった事件を元にしているだけに、ラストはとても切ないです。デビッド・ストラザーン、ジョン・キューザックら役者もイイ。 【コウ】さん 9点(2003-03-16 01:57:11) |
4.(ネタバレあり)アメリカ野球史に残る大事件を取り上げた、サスペンス的な人間ドラマ。メジャー好きなら誰でも知ってる物語だけど、とても後味が悪いです。八百長疑惑に対する裁判に勝利して大騒ぎする選手達の映像の合間に、メジャーリーグからの永久追放の決定を発表するコミッショナーの映像が入る所が一番哀しかった。ブラック・ソックス事件というとシューレス・ジョーの事ばかりが取り上げられるけど、追放された全員にドラマがあったんだ。 【C-14219】さん 7点(2003-01-04 00:24:46) |
3.出来としてはそんなに悪くはないのだが、なにせ有名な事件をもとにしているので、ストーリーが分かりきっていて大して面白くなかった。 【T・O】さん 5点(2002-12-14 19:47:08) |
2.その8人は、若気の至りというにはあまりに代償の大きい八百長という行為に、なぜ手を染め、いかにして球界を追われていったか。裏切られたファンも、優秀な人材を失しなった球界も、好きな野球を二度とできなくなった選手も、そしてその顛末を見ている方も、みんな辛い。 【mic550】さん 8点(2002-11-20 22:33:10) |
1.1919年に起きた“疑惑のワールド・シリーズ”を映画化したものなんですが、あまり世間に知られていない良い映画だと思います。近年の野球映画にしては珍しく真面目に描かれていて、ラストもとても好感を持てた。 【チャーリー】さん 9点(2001-04-02 10:44:27) |