1.《ネタバレ》 一野球ファンとしてはたまらない作品で、贔屓目にレビューしてしまうのをお許しください。
全体としてとてはシンプルで王道をいくストーリーだったと思います。
ポイントポイントでプチ感動シーンを散りばめるのはズルいと思いましたが、そこは純粋に涙を潤ませておきました。
実話ベースなだけに、9回裏逆転サヨナラホームラン!なんていう野球漫画にありがちな過剰演出がないのも良かったです。
打者がヘルメットなしの時代に頭部死球は恐ろしいですが、試合中の嫌がらせの描写は比較的抑え目の印象でした。
そういった直接的な嫌がらせよりは、むしろ相手オーナーなどを通じた社会的な圧力の数々に嫌がらせのスケールの大きさを感じました。
本作は比較的明るい作風になっていますが、実際の苦労はもっとすさまじかったんだと思います。
チーム内に徐々に増える仲間がいる一方で、最後まで認めない者がいるところもリアリティがありました。
野球場など当時の雰囲気もしっかり表現されており、二グロリーグ、3A、メジャーと野球環境の風景がレベルアップしていくのも楽しめました。
走塁、打球、観客席など野球自体のシーンは少ないながらも臨場感がありましたし、最後にジーターら現役選手が少し映るのも野球ファンの心をくすぐるのではないでしょうか。
「ホームベース」と「家」を掛けたラストシーンにも満足です。
唯一の懸念は、ピッツバーグ市民から苦情がこないか?(^^; ということです。
それにしても(誰だよっ!という感じの)ハリソン・フォードは脇役とはいえ美味しい役でした。新境地開拓で益々のご活躍を祈ります。
上原投手でワールドシリーズが注目を集めただけに日本公開はまさにタイムリー。
マウンド上で躍動する上原、そしてそれを抱きかかえるMVPのオルティスというボーダレスのいま・・・ますますもって42番が偉大に思えてきました。