15.淡々と、あくまで淡々と話は進む。雰囲気も悪くない、役者もいい。しかしこの映画には致命的な欠陥がある。面白くないのだ。シーン変化時の長い暗転や聞き取りにくい台詞、全て狙ったものだろうがかなりの逆効果、まるでどこぞの自主映画のような作り。観ているこっちが気を使う。観終わった後に爽やかさが残るのはさすがだが。 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-01-12 09:50:46) |
14.典型的な“貧しいけれど夢があった”式の話で、でも仲間うちのワキアイアイの描写がベタついていないのが感じいい。なれなれしくない。新漫画党結成のパーティシーンなんか、ちょっと距離をおいて話し合ってる雰囲気が好ましかった。実際のトキワ荘がそうだったのか、市川監督の理想なのか。みんな似た帽子かぶってんのね、と母親が言う。恋愛のない青春ものというのも珍しい。石森の姉へのほのかな感情はあるが。全体の骨格としては、マンガの時代の到来と、寺田ヒロオ式のマンガの凋落とが重ね合わされている。そこらへんの陰影がよく、細部に満ちている映画なので、何か芯が物足りないと不満を持ってはいけないのかも知れない。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-09-22 12:02:59) |
13.《ネタバレ》 評価低いな~ この映画と「まんが道」や「愛しり~」を比べたらいかんのですよ(どっちも大好きで全巻持ってるけど)。 これはトキワ荘の栄光よりもダークサイドにスポットを当ててるのよね。 暗くてあたりまえ。 もちろん当時の雰囲気やエピソードとかはA氏の描いた漫画のほうが正確なんだろけどそんなことは問題じゃない。 良質で健全なスポーツ漫画を子供たちのために描こうとするがために時代遅れになる寺田ヒロオ、説明不要のダメ人間森安なおやがこの映画の主人公。 藤子コンビや石森、赤塚じゃないのよ。 今まで売れなかった赤塚不二夫が描きたい漫画が描けるようになり、売れっ子になる上り調子のエピソードさえも森安や寺田との対比のためのものにしか見えない。 牛乳配達(新聞だっけ?)で「売れないまんがなんかやめてしまえ」って言われた森安が「これがなかなかやめれんのですわ」ってつぶやくシーンを市川準監督は見せたいのでは? だいたいトキワ荘モノにつげ義春が出てくるところからこの映画の方向性がわかる。 一応住民だったこともあるらしいけど普通とりあげないでしょ。 しかしただ敗者を取り上げる暗い映画じゃないのがわかるのがラストの藤子コンビが寺田に「相撲しませんか?」って誘うシーンと土手で背番号0の少年に野球ボールを渡すシーン。 漫画だけじゃない絆でみんなつながっていたということ、そして自分の漫画が確かに子供たちに読まれ、子供たちを育んだいるということを美しく表現している。 【CBパークビュー】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-25 10:52:12) (良:1票) |
★12.《ネタバレ》 原案は読んでませんが、寺田ヒロオを中心に据えたのは市川監督らしいですね。そうすることでトキワ荘での劇的な変遷も、創明期の若い漫画家たちの同志的な繋がりもよく表現されていたと思います。そう手塚治虫が寺さんを晩飯に誘うプロローグ的なエピソードからトキワ荘の性格を形付け、それから始まる青春群像へすんなり誘ってくれます。出前に来た店員だけに演技させた描写も素晴らしく、優れた小説の情景描写のように全てを静かに物語れるカメラワークは秀逸です。人間模様もうまく表現されていて、成功と挫折だけではない尊厳までもしっかりと描かれています。自分の世界を確立していても時代に取り残されるように、漫画のもつ無限の可能性と子供の娯楽といった要素との葛藤も寺さんを透して見事に表現されています。様々なジャンルがある現在ならば、寺さんの作品にも居場所があったのではないでしょうか。ラストの後輩たちからの相撲の誘い。トキワ荘の軒先から通りまでを捉え続けたアングルの中で一心に相撲をとり続ける寺さんの汗と涙がとても良かった。静けさの中、丁寧に散りばめられたエピソード一つ一つとそれらを優しく包みこむ素晴らしい選曲も心に沁みました。唯一、サントラもDVDも発売されていないのが悔やまれます。 【カリプソ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-03-22 18:24:59) |
11.当時の雰囲気は良く出ていると思うが、淡々と進むためドラマ性が薄い。しみじみと感じ入るための映画。過度な期待は禁物。 【もんでんどん】さん [地上波(邦画)] 4点(2008-01-12 18:46:36) |
10.あくまで当時を再現しただけでドラマ性を出そうなんて思惑すらない。 製作意図は何なんだろう? 【カラバ侯爵】さん [地上波(邦画)] 0点(2007-12-04 06:45:38) |
9.辛口な評価が多いですね。他の皆さんのコメント通り淡々とした作りです。「藤子不二雄」「赤塚不二夫」「石ノ森章太郎」といった有名漫画家の青春苦労話に焦点を当てたものではなく、無名・駆け出しを含め「二軍漫画家」と漫画が劇画に変わる過渡期を描いたものとして見ると、また違った面白味がありました。そういう制作側の意図なのか、有名漫画家のサクセスストーリーに目が行きがちな観客に対し、登場人物の紹介をサラッと済ませ過ぎ、見る側がストレスを感じてしまうため、勿体無いなぁと思いました。漫画家だけではなく「作り手」の苦悩として、リアルで青臭くまさに青春。個人的に共感できる作品でした。 【アッキ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-06 15:35:57) |
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8.おもしろくないなー。漫画好きとしてはやはり気になる作品だから観たけど。 【十人】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2006-04-16 10:54:00) |
7.地味でマニアック、しかもマーケットを牽引する女性客を呼び込むことは、まず不可能な題材。では、どの様に映画化するか? ①批評家ウケする文芸作品風にじっくりと作り込む。②出来るだけ派手に脚色し、イケメンを揃えてヒットを狙う。しかしこの映画は、そのどちらでもない。ダラダラした脚本は単なる再現ドラマでしかなく、そこに核となるテーマは見出せない。それにいくら主演だからって、モッくんだけが人種が違うかの様にハンサムなのは何故? これは偉大な足跡を残した表現者達の物語。同じ表現者として、こんな作品を作ってて恥ずかしくないんでしょうか、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2005-03-24 00:06:53) |
6.映画で描かれている漫画家や、その時代を生きていない思い入れのない人間としては淡々としたストーリはつまらなかったです。何を伝えたかったのでしょうか?というよりも伝えることより淡々と日々を追っているだけですよね。映画というよりもドラマですね。でも似た題材で前やってたTVドラマの方が良かったな。話が飛びとびでもう少しシーンごとに「意味」が欲しいです。編集の仕方が悪いんでしょうね。 【たかちゃん】さん 3点(2004-12-29 22:47:17) |
5.昭和のレトロさは好き。のんびり過ぎていく情景は良いと思う。マンガの「まんが道」の方が面白いかも。 【スマイル】さん 4点(2004-07-06 20:52:02) |
4.かなり面白くない。観るのが苦痛になるレベル。 33【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 2点がほぼ言いたいことを言ってくれたので、付け加えるとすれば、いろんな登場人物が出てくるけどエピソードがぶつ切りで誰が誰だか訳がわからない。 周辺の予備知識があって、マンガにそうとう詳しい人なら良いのかもしれない。 以下はずっと前に見たときの感想。 あの昭和の時代は、みんなが貧乏であることが当たり前で、あんな風に過ごしていたんだなあ。昔の女性もあんな感じだった。助け合って、素朴で純粋で、思いやりがあって。一種のドキュメンタリーのような映画だった。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2004-06-29 11:40:45) |
3.私が本作に愛着を抱くのは、本作の主人公が、石ノ森章太郎ではなく、赤塚不二夫でもなく、藤子不二雄でもない。現在ではその名前を忘れられつつある児童漫画家、寺田ヒロオである、という点です。寺田ヒロオは1953年(22歳)よりトキワ荘に住み、漫画家としての活動を開始。新漫画党のリーダーとして、多くの若手漫画家たちから慕われるようになります。しかし寺田は、「児童の成長を無視した」少年誌の変化、描き手の変化に苦悩するようになります。1964年、少年週刊誌から撤退。小学館の月刊誌に作品を発表しますが、1973年に筆を折ります。トキワ荘の後輩たちによる新しい漫画の波が、寺田を苦しめることにもなったのは皮肉です。1980年頃のインタビューをテレビで観たことがあるのですが、その表情はとても険しいものでした。寺田は、1992年に死去、享年61歳。私は、寺田作品「カーブくん、ドロップくん」のファンでした。----本作は、役者、演出の力量不足が目につきました。不自然な台詞の多い脚本にも問題があったのではないかと思います。物語には物足りなさを感じるのですが、テーマを寺田にしぼったことを考えると、ちょうどよかったのかもしれません。個人的には思い入れの大きい作品ですが、映画の出来としては、「まあまあ」と言ったところだと思います。 |
2.何ですか、これ?なんでテラさんが本木雅弘?どう考えてもミスキャストでしょう。テラさんはあんな神経質そうな男ではなく、もっと頼りがいのある兄貴的存在感のある人ですよ。他の作家さんたちも全員ミスキャストで違和感があり過ぎ。トキワ荘でのドラマは「まんが道」で語り尽くされているのに、なんでこんなに似て非なるものになるのかなあ。「まんが道」でのキャラ設定に洗脳(笑)されている自分としては、このキャスティングにはちょっとガマンできません。「まんが道」を読んでいると、まるで自分も新漫画党の一員になったかのような気になりますが、この作品からは、当時の漫画にかける彼らの情熱と不安、熱気と喧騒がまるで伝わって来ません。確かに昭和中期の雰囲気はとてもよく出ていますが、肝心の「トキワ荘の青春」は描けていません。とにかく全体的にダラダラとしているし、カメラワークも単調で見ていて退屈です。全員の演技も暗過ぎる。確かにトキワ荘でのエピソード自体、実際はそれほどドラマチックなものではなかったのかも知れませんが、作品としてあまりにも淡々とし過ぎてますね。個人的には、以前にテレビで放映された、インタビュー形式で撮られたトキワ荘のドキュメンタリー番組の方がはるかに感動しました。 【FSS】さん 3点(2004-06-28 12:13:31) |
1.特筆するほどのドラマが存在するわけではないけど、 じんわりと心に染みてくる良い作品だと思う。 派手さもなく、ゆっくりと時間の流れる雰囲気は、 たぶん昭和中期のそれなんだろうと思う。 登場人物のそれぞれが少しずつ見せる優しさ。 それが積もり積もってラストの哀愁に繋がっていく。 泣いたりするような作品ではないけど、 心の奥に静かに仕舞っておきたいような優しい作品です。 【もとや】さん 7点(2004-06-27 10:27:57) (良:1票) |