6.《ネタバレ》 アカデミー賞受賞作品ということで、期待に胸を膨らませ見に行きました。
まず、レオナルド・ディカプリオの演技力、表現力がとても素晴らしかったです。今作は、レオのみの一人芝居が多く取り入れられていました。
見てる人を飽きさせない演技・表現力、そして身体を生かした魅せ方。レオの作品の中で一番「役者」を感じました。
特に、目だけで語るシーンが多くありましたが、目だけでいろんな感情、心情を表現してしまうのは鳥肌が立ちました。
そして、今作のもう一方重要な人物。トム・ハーディー。
ここ最近さらに演技の腕に磨きがかかってきましたね。トムの役に入り込む力、集中力には毎度圧巻です。
インセプション、マッドマックス、ダークナイトなど出演作品は様々ありますが、どれも独特な演技で魅了してくれますね。
今後のトムの作品も楽しみです。
今回一番印象に残ったシーンといえば「熊との格闘シーン」ですね。 正確に言えば″熊の一方的な″ですが・・・。
まず、熊のリアリティが印象的です。CGとは思えないほどリアルかつ恐怖をも与える容姿。
そしてハラハラしたがレオが一方的に襲われ続けるシーン。。。あまりの襲われっぷりに私も身体を縮めながら見てました。
一回襲われただけで致命的な傷を負いましたが、熊が近くにいるため逃げれずさらに襲われる。。。銃で応戦するも熊の力には無力。。。
左手を咬み千切られそうになるシーン、背中を刈られるシーン。息をのみました。
今回「熊」との出会いから壮絶なサバイバルが始まるので、このシーンは重要かつ重みのあるものでした。
今作「サバイバル」「ドラマ(復讐劇)」で描かれていますが。
山でのサバイバル大変さ、食のありがたみ、生き抜くための様々な知恵が多く描かれていました。
吹雪の中で馬の身体の中で一夜を過ごす、火薬での止血、魚の捕らえ方、火の起こし方。まさにサバイバルでした。
あまりの空腹で魚を生のまま食べる、土に生えてる食べられる草をむさぼる、生肉を噛み千切るシーンは印象に残りました。
ただただ息子を殺されたための“復讐”のために生にしがみつく恐ろしさを魅せられました。
また、アリカラ族族長の目の奥にある闇の深さに恐怖を感じました。
話を聞きもせずにすぐ殺してしまう狂気感がさらにこの作品を際立たせたと思います。
そして待ちに待ったグラス₍レオ₎とフィッツヅェラルド₍トム₎の二人の復讐シーン。
撮影ではレオは鼻を折られ、トムは股間を蹴られというほんとにガチなのでは?と話題になったシーン。
そのかいあって息をのむシーンでした。どちらが死んでもおかしくない状況。遠慮のない本気の殺意。
このために生にしがみついたグラスの心情は相当なものだったでしょう。
しかし怒りに身を任せず、知恵を使い死体を囮にするところ。
最後の最後でとどめを刺さず神にゆだねるところに、このサバイバルを生き抜けた理由があると感じました。
疑問に思った点
フィッツヅェラルドが盗んだお金はどうなったの?
最後の復讐シーンでのアリカラ族族長のグラスの見逃し。
グラスを助けた男との雪を食べる遊び。その男が殺され首を吊られた訳。
実話を基にしているということで、ある程度知識がある方はさらに楽しめたのではないのかなと思います。
また、私は実話の話は知りませんでしたが見ていなくても十二分に楽しめました。
全体的に演技派の役者が多く、とても引き込まれました。
また撮影は完成予定よりも大幅に延長し、予算もオーバーし、
撮影もリアリティを追求するために日が出ている2時間のみしか撮らないことが多くあり、
スタッフ、キャストの不安やストレスは相当なものだったでしょう。
アカデミー賞を取るのはとても大変なことなのだと思いました。。。
こんなに褒めといて8点と思う方もいるかもしれませんが、8点は私にとってとても高評価です。
9・10点はなかなか出ません。映画は常に疑問な点や納得のいかない部分があるものですから。。。