3.《ネタバレ》 形の上では人格の向上を伴う感動系学園青春物の枠組みができているが、中身は苦笑なり失笑なり爆笑の連続で、どこまで真面目に作ろうとしているのかわからない。明らかに笑いを取ろうとしている箇所もあるが、シリアスな場面であっても演技あるいは演出のせいで茶番としか思われずに大笑いしてしまうところがあり、そこまで狙ってやっていたとすれば大したものである。
一方で突然PV映像のようなものが入るのは「発狂する唇」(1999)に似ているが、何となく微笑ましいので抵抗なく受け容れてしまうのは事情が異なっている。主演女優の歌も3曲入っていて、この曲自体も悪くない(特に2曲目がキュートな感じ)。主演女優のためのアイドル映画と割り切れば、それなりに楽しく見られる映画になっている。
ただしせっかく美少女が多数出ているのだから、さらにみんなを可愛く目立つように撮ってもらえばもっと楽しい映画になったはずだが、必ずしもそうでなかったのは残念なことだった。これがTVドラマなら、メンバーそれぞれに焦点を当てた回もあったりして見どころも多かっただろうが。
なお原作は読んでいないが非常に面白いのだろうと想像する。本編だけで10巻もある人気作のようで、この映画と同程度のものとは思われない。