13.《ネタバレ》 映画のテーマとしてはよくある、主人公がいったんどん底まで落ちた後で一皮剥ける「人間の成長」を見守る作品、と言えるのですが、本作の主人公は最初から完全に「負け組」で、その描かれ方も木っ端微塵と言える程に残念な方面に振り切れています。トニ・コレット、若いこともあり、本来は決して見た目に全く華が無いという様な女優でもないと思うのですが、通常の役づくりのレベルを完全に凌駕する凄まじいウェイトアップの結果、本作では完全にブヨブヨの肉塊と化しています。やや欧米辺境と言える(田舎)オーストラリアの90年代作品ということもあり、映画の質感が似通ったものとして私が思い起こしたのは『ナポレオン・ダイナマイト』でした。 この残念な主人公が加速度的に残念な行為を積み重ね、最初はまあ笑えるものの、次第次第に残念で片づけるには悲惨すぎる状況に陥ってゆき、周囲の人間も悉く不幸にしつつ終盤は完全にコメディではなくなっています。正直、そこから少しだけ真人間になって再出発していくというラスト付近のシークエンスは、ご都合主義でもあり、必ずしも素直に主人公に共感できるかと言えばそんなん出来っこないという人も多々いるだろうと率直に感じました(主人公の分別の無さは、これも率直に他作品と比べても相当酷いレベルですので)。 ただ個人的には私、単純にこういう話が結構好きだというのと、あと主演と助演の女優2人の演技自体はとても素晴らしかったということが大きいのです(コレットは役づくりは無論、変人ぶりも神妙になった時の演技も抜群でしたし、もう一人、レイチェル・グリフィスの実にキレの有る演技・見た目・キャラ造形は、本作に必要不可欠なアクセントとなっていましたし)。結論、個人的には十分に楽しめました。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-07-15 21:59:02) |
12.アバの歌もたくさん聴けて、とにかく不細工なうえに、でたらめでも一生懸命に生きるミュリエルと元、学友ロンダの友情最高、非常に楽しくてかなり奥深いいい映画でした。レイチェル・グリフィスの声をカルーセル・麻紀で日本語吹き替えなんていいんじゃない?! 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-16 23:21:21) |
11.《ネタバレ》 前半の全員の駄目っぷりがなかなか強力なんです。父親は横暴で見栄っ張りな上に汚職に不倫、母親はそれに対し何も言えない、弟妹は何もせずごろごろしている、知人連中も性格悪いアホばかり。主人公はその現実から逃避するために嘘を塗り重ねる。これはさぞかし最後に主人公が失われた自我を取り戻して爽快に一発決めるのだろうと思っていたら、何と、何も起こらずに、主人公がしたのは再びシドニーに逃避することだけでした。これでは不快感が残るだけです。何よりも、母親の自殺に対して何も回答を出さないというのは、不誠実といわざるをえないのでは。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-05-06 04:59:46) |
10.《ネタバレ》 眠かったので、途中で寝てまうかも~と思いつつ最後まで見てしまいました(汗) 主人公のミュリエルさんとその家族のモッサリ感は、作られたと思えない変なリアルさ!兄弟そろってニートやし…しかもあのメタボ!現代を的確に予測しておられますね。主人公にはあまり感情移入しませんでしたが、おもいきってパッと自分を変えたい!という気持ちはよーく分かりました。家族もやし周りの人ひどいよね。 ただ、すぐばれるような嘘が多いよ~!ドレスを着まくったり、結婚したとたん友達に冷たいし、イジワル女共と馴れ合ったり、結婚式のビデオ見てたり、グータラ家族もバカオヤジもほったらかしだし、ちょっと私的には??なとこがたくさんでしたが…なにより巡査がかわいそう(汗)あの状況で笑いっぱなしって???? まあでも、ダサいコがメイクorダイエット(最近では整形含む)によって美女に生まれ変わりハッピーに!みたいな話よりはリアルだったですね。 偽装結婚式の時のダンナの表情がおかしくて笑い転げてしまいましたが、なぜミュリエルが去ったのかよりも、なぜダンナが途中で突然その気になったのかが激しく疑問でしたよ…。泣いてた、から?? ラストはなんとなくあれでよかったような気がします。要領悪くて遠回りしても、時間をかけて変わるほうが人生楽しいと思います。 【旅する仔猫】さん [地上波(字幕)] 8点(2008-05-04 05:18:24) |
★9.《ネタバレ》 こちらの評価が良かったので期待しすぎたのかもしれませんが、正直ビミョーな感じでした。主人公がなんで嬉しそうに結婚式を挙げたのかも理解できないし、夫?と心身が通じかけた瞬間に別れたのも理解不能。「彼女はただ『結婚』がしたかっただけ、別れたのは半端なウソがイヤだったから」なんて言われたって共感は到底無理。 しかも、ラストで喧嘩別れした友達とまた暮らすことを決断したけど、それって「一生結婚せず友人の面倒をみて暮らします」ってことでしょ。彼女を思い続けている交通巡査だっているし、これからも出会いがないわけじゃない(デブだけど美人だし)のに、こんな大事なことをノリで決断していいのかとエンドロール中悩んだ。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-15 09:29:24) |
8.んーかなり前にいちど観たきりなので、偉そうなことは言えないのですけど。。。レネーちゃんの「ブリジット」とは「強い変身願望と嘘」これががあるかないかが違うんじゃないかな。ミュリエルの行動はわからなくもないけれど、イタくて見ているこっちが恥ずかしいというような感じで共感するところはまったくなかったです。私としては、結局ミュリエルは何も変わらなかった、愚かだった自分の行動に気づき、本来の自分に戻ったという感想です。努力ってなんだろう?人に認めてもらうためかなぁ、それとも幸せな結婚をするためかなぁ、よくわからない。言えることは、結果はあとからついてくるってことかなぁ。だいたい、人の人生を勝ち組、負け犬などと単純に二分割することは嫌いだし、ありのままの自分を受け入れてもらえないような人、こっちからお断りだぁ~~。しかしこの頃のオージー映画ってメイクが物凄いことになってるのよ、ケバイです。 【envy】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-10-31 10:48:04) |
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7.《ネタバレ》 主人公に共感できるのはブサイクの負け犬の不幸人生の証明かな。 この役のために肥ったトニ・コレット、歌えるしとても芸達者な人です。 これを観た当時はデブが地だとばかり思ってました。 自分自身のありのままをを受け入れるって難しい。 人は弱いから夢を見ていたい、 どこかに本当の(理想の)自分がいて、誰かに(自分で)見つけてほしいもの。 偽装結婚相手の水泳選手は姿が美しい、ミュリエルの迫力に引き気味な感じがよい。 傲慢父親は「ダンシング・ヒーロー」と同じキャラ。 自殺する母親役の方、若いいときは本当に美人でかわいらしかったんだろうな。 時間って残酷。 【なちぐろ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-04-16 12:19:10) |
6.《ネタバレ》 とにかくダメダメな主人公だけど、それでも新しい女友達とかの影響もあってちょっとずつ成長していく過程を見逃さないで欲しい。 【SOS】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-08 02:59:16) |
5.ブリジット・ジョーンズが可愛く見える程、ミュリエル・ヘスロップのダメっぷりに容赦が無いのが凄い。何しろ、一家揃って痛いんです。そして、レニー・ゼルウィガーがスリムに見える程、トニ・コレットの太りっぷりが凄い。細面ながら元々体格の良い人ですけど、もうパツンパツン。で、映画のテーマはお馴染みの「変身願望」。最初のミュリエルは味噌っかすの芋虫。やがて自分の周りを嘘で塗り固めて、マリエルという名のサナギになる。最後にその殻を破って出てくるのは、華麗な蝶ではないですけど、少なくとも成熟した大人になったミュリエル。この辺が最後まで成長しないブリジットとは違う所。アバの楽曲も抜群のセンスで挿入され、物語を彩ります。これは負け犬予備軍の皆様方に、自信を持ってお薦めします、7点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-02 00:06:16) |
4.では私も、管理人さんありがとうございます・・・ ストーリーを追うより、これがオーストラリアの社会かあ・・・とそっちを追って見ていました。ABBAを聴いて踊るっていうところは、当時としてはムチャムチャいけてない事として捕らえられてるんですよね、確か。今の80年代ブームの中でこれを見ると、そのへんのニュアンスがつかめないかもです。などと思いました。 |
3.《ネタバレ》 う~~ん、私これ乗りきれなかったです。ミュリエルが家を出た後さあどうなる?!と期待していたのに、嘘で固めっぱなしの生活を続けているんだもの・・・。自分を受け入れてくれた友人ロンダにも嘘、そのうえ偽装結婚。お母さんを亡くしてやっと気づくというのはちょっと遅い気がしました。その他、横暴すぎる父、それに静かに夫唱婦随を続ける母、だらしない兄弟、浅いきっかけで心が通じちゃうロンダ、これまたいきなり心が通じる偽りの夫など、クエスチョンマークがずっとちらついていました。ただ、トニ・コレットの演技はなかなかのものでした。レイチェル目当てで見ましたが、若かりしころの彼女、J・ルイスにそっくりでした。 【のはら】さん 4点(2004-02-01 18:40:00) |
2.ハタチの頃の自分を思い出しました。親の期待と自分の希望はそぐわないけど、家を飛び出す野心もない。かといって、若さを前面に押し出して、調子よく刹那的に過ごす友達たちにもなじめない。焦燥感と不満だけあって、何も成し得ていない、その不甲斐なさ。///そんなミュリエルが、心を打ち明けられるロンダに会ったことをきっかけに、少しずつ自信と自立心が生まれていく……中盤、アバの「ウォータールー」を唱う二人の様子に不覚にも涙。ラストシーンにまた涙。///「若い」ってホントに、めちゃくちゃかっこわるい……そしてせつない。いとおしい。そんなことを改めて思わされた、みずみずしい映画でした。名作。 【ジャイ子】さん 10点(2003-06-16 13:43:21) |
1.管理人さんありがとうございます~!!やっとこの映画のレビューが書ける! ミュリエルが、必死で生きてるけどどん底まで落ちて、もうボロボロになって。でも、目が覚めた後は、顔が全然ちがった。ふっきれて、爽やか~な顔になってた。その爽やかなエンディングには拍手したいくらいだった。トニ・コレットの花嫁姿は本当に綺麗で憧れたし、レイチェル・グリフィスもカッコよかった。結婚映画じゃなくて、人生の映画でした。深いです。 【鉄男】さん 10点(2003-05-05 20:48:42) |