2.《ネタバレ》 どうしても最初、気になってしまうのが、ちょっとセリフが多すぎるかな、と。
女性と知り合って泥棒稼業から足を洗おうと自首を決意した主人公、しかし彼の元を訪れた警官が彼の盗んだ金に目がくらみ、彼を陥れようとする。というこのオハナシ、主人公が強引に巻き込まれてナンボのところを、警官二人が悪に手を染めるかどうか、やりとりをグダグダ続けるもんで、どうも失速してしまう。
というのが、この作品にアクションやサスペンスを求めた時に湧き上がってくる感想なのですが、この作品、むしろ「ドラマ」の部分に重きを置いているようで。確かに主人公が追い詰められる物語ではあるのですが、彼を追い詰める悪徳警官もまた、背水の陣、いわば追い詰められる存在でもあるわけで。
登場人物それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの想いを持っている。悪徳警官の上司は、誰の味方なのか立場が揺らいでいる存在だけど、「ワンちゃん連れのオジサン」という特徴によって、何だか気になる存在、たり得てます。
もしかしたら主人公が一番つまらんキャラかもね。
という、ドラマの多重性みたいなもの。この作品、物足りない部分は確かにあるけれど、これはこれで魅力的でもあります。