4.とても大島渚監督の作品とは思えない作風で、ストレートなテーマの訴えかけに驚きながら鑑賞した。
タイトルの『愛と希望の街』とは、およそかけ離れた内容。
貧富の格差が生み出す、社会の不条理を、とても分かりやすく描いており、すんなりとは観られる。
ただ、安易なキャラクター設定の出演陣に魅力を見出せず、又、暗いというより、ただ単に血の通っていない冷たい内容に、感情移入することができなかった。
しかしながら、感情移入ができないというより、むしろ感情移入させることを敢えて拒んでいるかの様な硬質な作りに、早くも大島渚監督の反骨的な精神を垣間見た気もした。