★91.戦争に賛成とか反対とかどうでも良くて、ただ単に戦場での爆発物処理班の日常を淡々と描いた作品。ほとんどドキュメンタリーの域だが、主義主張のしっかりしたなかなか面白い「映画」だと思った。 主人公は危険も顧みず粛々と爆発物を処理していく。平和な国で暮らす人間から見ると、自分の命を驚くほど軽々しく扱うという意味で、彼の行動はどちらかというと狂人のそれに近い。ただし、この映画はそのような人間が存在するということを何ら特殊なこととして映し出さない。そして、観客はなんとなく彼の心理状態を推測し、その行動に納得してしまう。自分も戦場に送り込まれて、爆発物の処理が任務だとすればこういう風にやってしまうかもしれないと思う。そう思わせる主人公の描写がうまい。 爆発物処理班という眼の付け所も良い。テロとの戦いでは、突撃や狙撃などの戦闘行動よりもこのような分野こそがリアルでスリリングだろう。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-03-23 17:26:08) (良:1票) |
90.《ネタバレ》 良く出来た作品であることは間違いないとは思うのだけれど、いまひとつ肝心のメッセージ性が感じられない。と言うか、期待しているメッセージが伝わって来ない。どうしても「アメリカ万歳!」的にしか感じられないからだろうなぁ… イラクでの過酷な任務。常に死と隣り合わせの生活。そのあたりはきちんと伝わっては来るのだけれど、やっぱり背景にあるのは「アメリカ=正義」という図式。そして、戦場という非日常が日常化した狂気の空間にに惹き寄せられてしまう一人の男。どう見ても彼はヒーローとして描かれている。 娯楽作品として割り切るには、この題材は重過ぎる。でも、これは娯楽作品寄りの作品でしょう。もう少し別の角度からのリアリティが欲しかったです。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-03-22 01:01:31) |
89.面白くはない。展開も退屈。でも、リアリティーを感じた。現代戦の戦場やテロと戦う最前線はこんな感じなんだなぁと感じる事はできたが、それ以上でもそれ以下でもない。 【ぬーとん】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-03-20 04:09:10) |
88.私にはあまり面白くない映画でした。爆弾処理任務の演出は緊迫感を煽るものだったけど、主人公にあまり感情移入できないので緊張感も半減してしまい退屈に感じられました。戦争やそれに参加する軍人についていろいろなテーマやメッセージがあるのかもしれないが、そんなのは映画自体にのめり込むことができてこそ生きるものだとも思います。それにしても最近のアカデミー賞の作品はどれもあまり面白くないですね。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-03-19 15:41:27) |
87.《ネタバレ》 ただのヒーロー大活躍アクション映画だったらどうしようと思っていたのですが、そうではなかったので安心しました。携帯電話をものすごい勢いで警戒するところなどは現実の生々しさを感じさせますし、中盤の砂漠の銃撃戦も、何もないところがかえって緊張感を高めています。前半でさんざん白く乾いた埃っぽい地面を見せ、中盤以降は暗闇中心に移行して、最後に日常のスーパーマーケットを持ってくるのも、ギャップの体感を醸し出しています。これでカメラがもうちょっとまともだったらよかったのですが。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-03-16 02:29:59) |
86.2010年度アカデミー賞受賞作。イラクに駐留するアメリカ軍の爆弾処理チームの奮闘を描く。「仕事」として爆弾処理をする彼らの姿を坦々と映しているだけで、「誰彼を倒す!」「仲間を助ける!」といった明確なゴールは無く、彼らはただただ目の前にある爆弾を任期内に処理し続けて行く。その中で命を落とす者、重傷を負う者が出るが、物語は処理チームは爆弾処理シーンをひたすら追って行きます。終わりの無い・出口の無い戦争が続く様を肌で実感出きる映画。映画を観て色んな人と語りたいという方にオススメ。 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-13 23:31:45) |
85.主人公は度胸のよさで戦場を渡り歩いてきた。死と隣り合わせの状況でしか生を実感できないほど、彼は戦場に長くいすぎた。そんな彼も人間味あふれる部分があって、あまり優秀とはいえない同僚たちや現地の子供たちに優しい。戦場という極限の状況のなかで彼なりのバランスの取り方だと思えば親しみがわいてくる。しかし、戦地が泥沼化すればするほど、彼の人間味が空回りする姿は痛々しい。 【michell】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-03-13 22:12:52) |
84.《ネタバレ》 面白くない訳ではないが面白い訳でもない。戦場という非日常的な場所で爆弾処理という非日常的な仕事を生業とする主人公たちの話が淡々と進み、これといった山場もなく終わってしまった感じ。魅力的な登場人物も居らず、ラストも「また戦場へ」って感じで新鮮さも面白味もなかった。同じ爆弾処理の場面を延々と見せるにしても、往年の「ジャガーノート」の演出の方がドキドキ感に溢れていて遥かに面白い。何でアカデミー賞とったのか不明。 【しぇんみん】さん [DVD(吹替)] 5点(2011-03-06 19:15:41) |
83.オスカー受賞の箔が無ければスルーしていたであろう作品。確かにテロと戦ってる戦場の雰囲気は伝わってくるが、このストーリー性の薄さは何なのだろう…。これだったら例え爆発のシーンを拝めないとしても、ドキュメンタリーを観たほうが有意義だった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-02 21:34:01) |
82.《ネタバレ》 あまり期待していなかったかせいか、いい意味で裏切られました。飽きずに観れ、戦争の酷さ、そして人格(戦争中毒)をも変えてしまう空しさが十分伝わりました。ただ他の方も記している通り、最初の爆破シーンは「えーっこれで死んだの?」って感じでした(逆説だったのか?)。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-23 10:09:46) |
|
81.《ネタバレ》 常に緊張感が張り詰めたような雰囲気に圧倒されました。 よくリアリティという言葉を耳にしますが、それは当事者にしか分かり得ないものだと思います。 戦地にいったこともなく平和ボケした日本人の私には 兵士たちの気持ちや戦場のリアルさなんてものは分かりませんが、 少なくとも汲み取ることはできました。 自分の仕事柄、現代戦争の様々な映像素材を大量に見てきました。 勿論、放送できないような映像もなかには数多くあり、そういう目線でみると この作品の魅力である映像のスゴさが分かる。 こと臨場感を出すのに全編ほぼ手持ちですが、何気ない雑感の切り撮り方がいい。 驚くべきは激しい銃撃戦やテロとの狭間に普通の民間人が暮らしてること。 銃をもった兵士たちが血相かえて市街を抜けるのを普通なら怖くて家に閉じこもる。 けど、ここでは子供でさえも興味本意に姿をみせる。 先進国ではありえない光景が日常となってしまっている現実をしっかり描いている。 また、兵士のクローズアップの使いどころもいい。 そして秀逸なのは、爆発シーン。爆発の衝撃度、恐ろしさというのが 画面狭し、ひしひしと伝わってきた。 この作品にこれといった物語性はなく、ただひたすら人間を描いている。 冒頭の「戦争は中毒である」の一文。監督がみせたかったテーマのひとつ。 ラストの 故郷に戻った時と再び戦地に赴いたジェームズの姿が物語っている。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-20 23:13:55) |
80.《ネタバレ》 まず、最初のリーダーの爆死にリアリティがない。確かに爆風に押されて倒れこんでいましたが、「あれ、助かったんじゃないの?」と思ってしまうほど。 そして、スローモーション。だいたい爆破シーンにスローモーションを使うのは、演出として古すぎる。 以上、最初に興ざめしたのがまずかった。 主だったストーリーもないし、ドキュメントというわけでもないし…。 結局、中途半端なんですよね、すべてが。 だから、ハラハラドキドキ感がほとんど無かった。戦争映画でこれほど淡白なものは最近、お目にかかったことが無かったです。 【love】さん [DVD(吹替)] 5点(2011-01-18 17:37:44) |
79.なぜか劇中、主人公に振り回される同僚サンボーンの気持ちになって見てました。こういう狂気スレスレの主人公というのは戦場ではたいへん優秀だったりするわけですが、これまでの戦争映画にありがちだったヒロイズムを徹底して廃した映像から、この主人公が戦場においても極めて迷惑な存在であることが伝わってきます。そんな主人公がヒーロー化しかける後半の展開がお見事。ヒーロー化したって結局は迷惑度倍増で部下に罵られる始末です。このあたりから、僕はひたすらサンボーンの無事の帰還を祈ってました。そんな私は、この作品の「真意」をつかみ損ねていると思いますが、映画的にちゃんと見せ場を作って盛り上げつつ、同じようなテーマを描いていた『地獄の黙示録』やら『プラトーン』のほうが断然よかったんじゃないかなと思いました。 【ころりさん】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 00:45:52) (良:1票) |
78.この作品の伝えたい内容は「異常な戦争に一度入り込むと、ドラッグのようにハマってしまう」という事でしょうか? どうも、「こういう職業があります」「こういう人達がいます」「こういう世界があります」と説明的な気がしました。 【sirou92】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-01-07 23:14:38) |
77.《ネタバレ》 つまらない映画とは言わない。実態を知っているわけではないが、米軍が「不正確」と評したのはわかる気がする。【ネタバレ注意】ウィリアムは、結局運がいいだけで無謀な奴なんじゃないか。冷静沈着ですらない。爆弾を仕掛ける側の心理を描かない一方的な内容になっている点には目をつぶるとしても、描写が薄っぺらくて戦争の恐ろしさが伝わってこない。これでアカデミー作品賞なのかと思う。 【mohno】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-29 20:56:16) |
76.リアリティもあるし、映像も素晴らしい。だが、つまらん。 イラク戦争という授業、講義を延々と受けている感じがした。 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 4点(2010-12-27 13:24:54) |
75.《ネタバレ》 アクション好みの会社の同期が良かったというので名画で観にてきました。本作品だけではさして目新しさを感じない作品だったかもしれませんが、同時上映の『マイブラザー』を観たことにより、戦場に行くことを職業とする人々の感覚が胸に迫ってきました。イラク・バクダッドで爆弾処理班のチーフを務める主人公は、経験と勘にものをいわせて修羅場を乗り切り続けます。彼が死なないのは職業的能力の高さの現れであり優秀な兵士であることが伺えます。舞台となるイラクは、戦争は終結しているとはいえども、米兵は常に狙われているという緊張感と、爆弾がいつ炸裂するかというスリル、そこそこ迫力のあるアクションシーン(中盤の狙撃シーンは良い)で中だるみしません。印象的だったのは帰国し妻と行動を共にする場面です。シリアルを買っておくように伝えられた彼は、数多くのシリアルが並ぶ棚からひとつを選ぶことができません。自宅のキッチンで妻に職場(戦場)での出来事を話している際、にんじんを切るよう頼まれた際、実に不満気に、ぎこちなさそうに包丁を手に取る姿です。知悉している装備からひとつを選ぶこと、訓練と実戦で得た経験から命令を下すことはたやすくできても、日常生活における選択と実践ができない。狙撃シーンで新兵に飲み物を持ってくるよう指示するシーンとの対比が印象的です。命令することに慣れていても、命令されることはなく、職場(戦場)での有能さを軽くあしらう妻への苛立ちのようであり、制服(戦闘服)を着ていないことへの落ち着きの無さの現われのようでありました。再び職場(戦場)へ戻る彼は、仕事中毒でもなんでもなく、煩わしい家庭から遠ざかろうと仕事に逃げるサラリーマンの姿のようであり、某大国の姿と重なるようでもあります。『マイ・ブラザー』と続けて観たことによる+1点で、6点献上。 【さめがい】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-12-26 23:19:30) (良:1票) |
74.うわ。つまらん。と言って済ませる訳にいかないんだろうね、こういう作品がオスカー獲っちゃうんだから。戦場の映像が逐一、これでもかこれでもかと流れてくるようになって、ホンモノの映像の持つリアリティに、すっかり圧倒されちまい、作り込んだ虚構であるところの「映画」に対する懐疑が生じた訳だ。アメリカ映画界が自信を失った訳だ。怖気づいた訳だ、とまで言ったら言い過ぎか? そういう一連の流れにおいて、つまるところ、3Dに挑戦した『アバター』と本作とのオスカーレースってのは、「作る」立場と、「壊す」立場との、一騎討ちだったのね。そして結局、「壊す」方に軍配は上がった。でも、「壊す」だけじゃあしょうがない訳で。それとも、映画をいったん解体した上で、映像美学を再構築してみよう、ってか。「これは実際の映像です」的な映像の持つ力。もっとも、「ホンモノの映像のリアリティ」って、あくまでホントにホンモノであるからこそリアルなんだけど・・・。そういや対抗馬の『アバター』ですら、同様の手法を用いたシーンがあったっけ。でも、それに頼り切らない賢明さを持っていた分、『アバター』には救いがあった。本作は、映画を壊し、壊しただけで評価を受けてしまった。勿論本作にも作為はある、あるけど・・・面白くない(スーパーマーケットで立ち尽くすシーンなど、本気でアホかと思った)。これでいいのか、アメリカ映画。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-12-20 22:52:07) (良:1票) |
73.期待以上の内容でした。変に観客に媚びた演出がなく、そういった意味ではリアリティを適度に感じられる作品だったと思います。銃をひたすら撃ちまくっているだけの戦争映画に比べれば観る価値はあると思います。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-25 05:22:14) |
72.《ネタバレ》 妻投稿■この映画の主人公は戦争に狂ってしまった・・・・のではなく、戦争に適応したのだと思う。この映画の主人公は決して狂ったわけではない事を私は主張したい。そのうえで評価すると。■私の友達の強姦被害者の言葉を、映画を見て私はずっと思い出していた。「私たちが戦わなければいけない感情は、怒りでも憎しみでもない。無力感だ」という言葉だった。暴力、虐待など圧倒的かつ予想不可能な力による死の恐怖に向かい合わざるを得ない状況下で、人間は無力感に押しつぶされやすい。実は人間の愚行、自分を傷つける、他人を傷つける、人生をダメにするという様々な悲劇のかなりの割合が「無力感」によって生まれているのではないかと私は思う。主人公は人間の生存、自己保護本能によって戦争に適応した。しかしそんな中でも彼は予想だにしない死の恐怖を、その果てにある無力感と戦っているのだ。この映画は、そういう極めて普通の人間の当たり前の姿、しかし平和のなかでは異端視されやすい姿を直視した映画であり、それ以上でも以下でもないのではと私は思う。■ただしそういう映像を表現するのに必要以上のカメラのブレはいただけない。私はカメラのブレは「カメラがその場に存在する」という現実味を与える事は出来ると思うが、「観客がその場の空気を感じる臨場感」を与える事は出来ず、むしろ逆効果だと思う。観客の人間の目って、日常生活でブレを意識したりしないでしょ? 【はち-ご=】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-11-15 22:25:17) (良:1票) |