2.オーストラリアが舞台の西部劇、という点が異色と言えば異色ですが、内容的にはわりと正統派。トム・セレック演じる主人公のガンマンが、オーストラリアの雇い主(アラン・リックマン)の元にやってくるが、雇い主とひと悶着あり、砂漠に追放されちゃう。そこをアボリジニたちに救われて。と、ちょっとサンダードームみたいなオハナシでもあるのですが、いやなに、マッドマックスだって広い広い意味では西部劇の一種。本作はもっと明るくおおらかな作品ではあるのですが、アボリジニたちに対する迫害が描かれ、主人公がアラン・リックマンへ立ち向かっていくことに。主人公の持つ銃が、やみくもに長いライフル銃で、どんな遠くの敵でも倒しちゃう。それを飄々としたトム・セレックが何食わぬ表情でやってのけるのが、痛快なところ。射撃だけ超人的で、あとはとっても人間的なんですね。で、冒頭で知り合ったこれまた風変わりな女性との珍道中も見所なのですが、ここも、衝突と和解を繰り返すような単純な人間関係じゃなくって、突拍子もない女性の言動に手を焼きつつも飄々と受け流していくうちに、徐々に二人の関係が深まっていく様子がうまく描かれていて、そこから繋がるラストのオチも気が利いてます。途中の火災の場面で、一部、まだ火災発生前のシーンなのに部屋が燃えちゃってたりするのは、御愛嬌。