147.《ネタバレ》 将校にはさまれて、肩を落として、演説台に向かうシーンが印象的。製作されて67年、いまや、いろんなエライ皆様から似たような言葉を拝聴し、聞き飽きてしまったようなあの「大演説」がグッと胸にくるのだから名作。【追記】でも、この作品が、ヒトラーに油を注いでたかもと思うとコワい。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-28 16:09:56) |
146.チャップリン演じる主人公の散髪屋。戦争で記憶喪失になり入院していた彼は、まだ入院して数週間しか経ってないと思っている。その彼がある日、「例のチャップリンスタイルで」、自宅に帰る。彼が「そのチャップリンスタイルの服を脱ぎ」、ふと自宅の理容店を見回すと、数週間しかたっていないはずなのに「いつのまにか」、理容店はホコリまみれ、クモの巣まみれ。それでも彼は営業を開始する・・・。これって、何か、この映画自体と重なるものを感じます。もはや時代遅れとなったサイレント喜劇。『モダン・タイムス』では、トーキーでありながら意味のあることは全く喋らないという荒業を用いたが、そんな手が何度も通用したりはしない。しかし、当時の暗雲漂う社会情勢に、黙っていられなくなったチャップリン、河島英五のごとき、“良き時代遅れ”の彼が、敢えてトーキー作品を引っさげ、映画界に復活する・・・。その姿をふと思い起こさせます。その本作、やはりサイレント映画風のパントマイム喜劇と、その一方で「しゃべっていいんなら、しゃべりまくってやるぜ!」とばかりの熱いメッセージ、両者が同居し融合した印象的な作品となりました。残念ながら、正直言って“笑い”に関してはイマイチとなってしまったのは、セリフを持ったトーキー映画の分別クサさが、邪魔をしているのかもしれません。しかしサイレントで鍛えられた「見せる」ことへのコダワリは、確かなもの。やや被写体を追いかけ過ぎるカメラ(笑)。その一方で、例えば、主人公の店舗が焼き討ちにあうシーンでは、彼の顔を写さず後姿で絶望を表しているのが印象的でした。・・・・・・で、ではこの映画のメッセージをどう受け止めたらよいのでしょうか。確かにこの時代にこの映画を作るのは一つの「勇気」ではあるかも知れませんが・・・あまりに単刀直入に過ぎないか?という気も。ヒトラーをパロディにする、というのは、あまりに作品の意図が形式化され過ぎているのではないか。最後の演説は『モダン・タイムス』で訴えていたテーマにも相通ずるものが反映されていたにも関わらず、作品全体の印象は所詮、「ナチスドイツ反対!」という一過性のものになってしまった気がします。しかも、だからと言って例えば、この映画を当時のドイツの人々が観たとして、「ああ、戦争は良くない、止めよう」と思うでしょうか? 普遍性という深みに達しきれない憾みが残ります。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-22 23:25:02) (良:1票) |
★145.《ネタバレ》 国際情勢が険悪化していたとしても現役の他国の国家主席をここまで茶化し、しかも地球儀風船を弄ぶなど現在でもさすがと思わせる芸術性のある喜劇を作り上げる手腕は素晴らしいと思いました。突撃隊に虐げられるユダヤの人々を描き、ただ普通の平穏な生活を送りたいだけなのにという純朴な気持ちは収容所から脱走した床屋がヒンケルと入れ替わって行う最後の演説に集約されていて、それがこの映画を作ったチャップリンの思いでもあったでしょう。しかしこの最後の演説の主張はそのまま米国が第二次大戦に参戦する理由となり、戦後も「だから米国のやったことは全て正義である。」という免罪符にされてしまいました。未来において米国によりドイツの都市が無差別爆撃による殺戮を受けたり、その同盟国に原爆が落されるとは、この時点でチャップリンは思ってもいなかったでしょう。いろいろと考えさせられる作品でした。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-16 13:53:54) |
144.チャップリンはただのコメディアンではない。命を張ったコメディアンである。 【板橋島野&綿貫】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-08 22:57:42) |
143.批判覚悟で書きますが、これ面白いんでしょうか?殆どチャップリンの作品って観た事ないので、語る資格は無いと言えばそれまでなんですが、全然面白くなかったです。最後の演説も白々しくて、全く感動しなかったし、むしろ強引に演説シーンに持って行った挙句理想だけを述べてるだけのような感じがしました。戦争反対映画なんでしょうけど、あまりにもストレートな表現で「なんだかなぁ~」という感じです。ただ、制作された年を考えればかなり勇気ある行動だったのだろうと思います。唯一面白かったのが、プリンの場面かな? 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-06-27 13:41:49) |
142.ちょっと長く感じるが、それでもチャップリン作品。面白いことには変わりない。何と言っても演説のシーンは秀逸。内容は我々の頭に深く刻みつけるべきだろう。演説の内容に反対する人はいない筈なのに、何故今でも戦争はなくならないのか。本当に人間の愚かさというものを感じさせられる。 【kinou】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-04-22 02:54:52) |
141.《ネタバレ》 確かにいい作品ではある。喜劇とかそういう枠でとらえるのは間違いですね、名作です。 しかし、ラストの運びが極めて強引なのと(いきなり演説に飛ぶのかよ)、ラストの演説がわりと淡々としていて移し方が定点的だったので、そこは期待していたわりに、だった。 まあ見て損はないでしょう 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-26 23:03:54) |
140.《ネタバレ》 与えられた才能と使命によってチャップリンがとんでもないモンに喧嘩を売った偉大なる勇気の足跡。いまだに虐められる側の問題など提議するクソみたいな思考が残っている現代。たかだか社会や職場やクラスで起こっているイジメを傍観している金魚の糞に送る痛切なメッセージ。演説のラストはハンナに向けられた。せめて、せめて自分が関わっている小さな世界なら少しの勇気で変えられるんだ。傍観者なんて加害者となんら変わらない、まったく同じようなもんだ。自分だって僕だって同じだ。くそー!フライパンくらい振り回せるだろ!? 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-02-24 21:36:29) (良:1票) |
139.演説の部分は名シーンである。ユダヤ人を迫害する独裁者(ヒトラー)と迫害されるユダヤ人の床屋が入れ替わるという発想は皮肉が効いてて非常に面白い。チャップリンのナチス人種政策への痛烈な風刺を感じるとともに、いかに人種や民族を差別することが無意味であるかを感じさせる。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-12 21:55:42) |
138.所々面白いと感じる場面があるものの全体的に退屈でした。最後の大演説はあまりにも直接的すぎて白けてしまいました。 【doctor T】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-01-05 22:18:58) |
|
137.僕が尊敬するチャップリンの代表作であるが、そこまで素晴らしいとは思わなかった。ただ、チャップリンの平和を願うメッセージは伝わってきました。チャップリンとヒトラーの誕生日が一日違いだっていうのも面白いですよね 【兵頭信者】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-05 17:10:30) |
136.最後の演説が、心に響く。政治とか国際情勢とか時代背景とかそういったものを抜きにしても、人間の心に響く演説だと思います。人間の心の底から湧き上がってくる言葉には時代も場所も立場も関係なく心動かされますね。ただただ脱帽です。10点付けるのに躊躇なし。 【mono】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-19 23:42:03) |
135.ラストの演説が“目玉”だそうですが、さほどグッと来るものはありませんでした。だって、たとえば今、米国でテロや金成日を批判または皮肉る映画があったとても、何ら不思議ではないでしょ(最近は自国批判もありますが)。また冷戦時代には、ソ連を敵国に見立てた作品が無数にありました。第二次大戦前夜の米英のヒトラーに対する嫌悪感を考えれば、むしろ予定調和的な作品といえるのではないでしょうか。ただし、喜劇としては十分に堪能できます。デタラメなドイツ語による絶叫演説とか、地球儀ボールで遊ぶシーンとか、“ナパロニ”とのやりとりとか。いわゆる風刺画のように、そのキャラの立て方や“笑い”のバリエーションは、まったく古さを感じさせません。チャップリンはアジテーターではなく、やはり偉大な喜劇王だと思います。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-22 07:13:01) |
134.いつピークが来るのかなあ…と思って観ていたら、やっぱりラストだった。一気に感情が溢れ出る迫力。何度も観直したくなるシーンだ。 【Syuhei】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-17 14:58:04) |
133.《ネタバレ》 カラー、トーキー映画が当たり前の時代になっても白黒のサイレント映画を撮り続けたチャップリン。多分それは自分の魅力を最大限に生かせる表現方法上、当然だった。しかしそのポリシーを棄てた時=それがこの映画。(モダン・タイムスなどから片鱗はあったが)この映画によって「役者チャップリンの輝き」を自らの手で終わりにしてしまったともいえる。でも彼にはそこまでしてまで訴えたいことがあった。それが最大の魅力。(個人的には映画的表現の凄み、という意味で最後の演説よりも地球儀を取る。) 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-09-22 00:01:08) (良:1票) |
132.何回目の鑑賞か。何度も鑑賞。学生の頃、大阪、北野劇場、超満員で扉は開いたまま、 大爆笑に次ぐ大爆笑。涙を流し腹を抱え笑った記憶あり。 さすが何度も観ると笑いも感動も薄れるが、でも今だ感動あり。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-08-19 15:40:32) |
131.ラストの大演説、確かに凄かったです。ただ「国境をなくそう」なんて考えは、ある意味ナチスの民族浄化政策と変わらないんだから、そのまま全てを鵜呑みにするのはちょっと危険かも。でもチャップリンの戦争への怒りはひしひしと伝わってきました。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-28 16:00:15) |
130.この時代にこの映画を作れたことは驚愕します。その時の時代を生きていたら評価は変わっていたかもしれないが。。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(吹替)] 6点(2006-05-21 07:02:43) |
129.《ネタバレ》 この映画は全てこのシーンのためにあり!と言わんばかりのラストの演説シーン、見事でした。 【maemae】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-24 08:59:26) |
128.もちろん、チャップリンの芸を堪能できる映画ではありますが、この映画はある意味掟破りスレスレの最後の演説を軸に考えたいです。「JFK」の最後の演説を観た時に、「これは独裁者か?!」と思ったこともありました。 政治的なプロパガンダとするには、イデアリスティック(ナイーブ過ぎると批評した研究者もいます)、大衆民主主義への過度の期待と断じることもできるでしょう。 しかし、映画作家としての成功が前提ではありますが、ドイツの大軍隊を掌握する男に独りで喧嘩を売ったのですよ。 男として、人間としてその行動には敬意を払わずにはいられません。 他の方がもういろいろ書かれているので細かいことには触れませんが、ただ脱帽するだけです。 |