122.《ネタバレ》 暗い青春を過ごす者にとっては、暗い時代がどこまでも続いているように思える。学校という空間の閉鎖性ゆえに、ある者は引きこもりになり、ある者は自殺を試み、そしてある者は、精神を病む。だが、ある時何かに気づけば、一変して世界が輝いて見える。そう、外にも世界は広がっているのだ。 この映画は、「闇」を見れば、自己犠牲の悲しい物語。謎に支配され抜け出せない。しかし「光」を見れば、妄想から抜け出す、希望に満ちた物語。その二重構造は、まさに、青春映画の傑作にふさわしい。ここではこの映画の光の話について。 映画の冒頭、主人公は目覚める。現実世界と離れて妄想世界に逃げ込み、そこで目を覚ましたことの表明だ。つまり、妄想の世界の住人になった。この映画がすべて妄想の産物だとしたら、映画の中で、起こっていることは、こうなって欲しいと創造主が思っていることや、非科学的な現象ばかりでも良い。タイムトラベル(過去に戻りたい欲求)、母親に愛されたり、いじめっ子に屈しなかったり、片思いの相手が自分のことを好きだと言ってくれたり。願望やトラウマなど潜在意識がドラマ化したもので構成される。 この妄想の創造主は、その後、自分の精神的世界の中で、現実に戻る方法を見つける。つまり自我を取り戻すこと。恐怖セラピーのビデオの女は、鏡の中を覗けば、そこには自我が居たと言った。主人公が鏡を覗いたとき、そこにはウサギがいた。その名もフランク。 終盤で、主人公は、地下室の中に導かれる。地下室とは心の中のメタファー。そこで彼がやったこと。 フランクを殺すこと(過去の自分との決別) そして、恐怖の克服(いじめられた恐怖に正面から戦いを挑むこと)、 愛の克服(愛を求める対象を適切に選べるようになること) その後、彼は自己犠牲の死を遂げる。 妄想の世界では、自己犠牲の死というものが、まったく違う意味を持つ。 肉体の終わりではなくて、妄想の終わり、新しい世界の始まり。 なぜラスト3人が手を振っていたのか。母親、好きな子、少年時代(?)に別れを告げたと解釈することもできる。 この映画の光は、アイデンティティを獲得する物語。 孤独な妄想世界に別れを告げる壮絶な戦いの記録。 鬱屈した青春に捧げる魂の鎮魂歌。 妄想から目を覚ましたこの世界の創造主は、ベッドから起き上がり、新しい人生を始めているのではないだろうか。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-10-16 15:43:32) |
121.難しい映画ですねー。一回観ただけでは良く判らん、というのが率直な感想です。主人公たちとは世代が違う自分とは価値観が違うのは確かですが、さすがD・バリモアがほれ込んだ脚本だけあって、観る者を引きつける映画的パワーは強烈です。でも何度考えても辻褄が合わないところが多々あるのも確かで、日をおいてまた観てみたいと思います。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-04-17 23:11:52) |
120.ストーリーだけで勝負しているのか?全体的に「画」がもっさりとしてダサくて、それがもったいない。 【センブリーヌ】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-10-09 12:21:49) |
119.奥深いです。色々な解釈が出来る作品ですね。何回か見ればもっと理解出来るかもしれません。ジェイクがなかなか良い演技していました。 【ギニュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-07 19:18:14) |
118.冒頭の画からして普通のアメリカ映画とは違う。T・バートンがそうであるように、この監督も米国に根強いマッチョイズムからは離れて立っている人だと思う。自分の生まれた大きな国よりも、海を隔てた小さな島国に精神的土壌があるのだろう。繰り返される夢魔が少年の狭められた時を刻み、物語の結びは灰色の蛾がおちて死ぬような寂しさをたたえ、‘Mad world’(カヴァー)が似合いすぎなこの作品、未消化であり万人向けでもないが、言葉にはしにくい魅力をもつ作品なのは疑いのないところ。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-29 02:11:24) (良:1票) |
117.《ネタバレ》 はじめに観たときは、よくわからなかったんです。ストーリーが反転する仕掛けとか、ウサギの正体とか、タイムマシンとか、一個一個は理解できるんだけれど、それで結局この話は何が言いたかったんだろう?って思っちゃったんですね。 だけどその後、他のDVDを観たとき予告編にドニーダーコの予告も入っていて、それに竹中直人のコメントが流れていたんですが、それが 「もうこの世には何の正義も真実もない…… つじつまあわせの人生に立ち向かおうとする 一人の孤独な少年の魂の物語だ!」 といった内容なんですが(細かいトコ思い出せなくて、ようつべの予告で確認しました笑)そのコメントを読んだ途端、自分の中のストーリーにピーンッ!と一本線が通って 、なんかひとつひとつに納得がいったんですね。「そっか、ドニーは世界に挑戦したんだ。それで世界を見捨てることにしたんだ。」それが自分の解釈。正しくはないかもしれないけど、そう思いました。 【あした】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-11 02:56:12) (良:1票) |
116.伏線とかを気にしながら神経使って見てましたが、結局よくわからなかったです。オチがわからなかったのではないんですが…。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 4点(2009-03-22 00:03:31) |
115.《ネタバレ》 意味ありげなカットの連続とブラックジョーク。全編通してとにかく暗いです。開始早々“この映画にハッピーエンドはありえない”ということに気付いてしまうので、主人公同様胸にたまるモヤモヤや、謎が解けないいらだちを抱えながら鑑賞することになります。絶望・不安・憎しみ・疎外感や、ほんの少しの幸福感……そんな青春期に特有のドロドロした感情を映像化した感じ。心に疾患を持った青年を演じたジェイク・ギレンホールがすごくハマっていて秀逸でした。設定や、見終わったあとの切なさは(タイムトラベルものではないけど)『ジェイコブス・ラダー』と良く似ています。誰にでもお薦めできる映画ではないですが、私はかなり好きでした。(旦那は途中でギブアップしたけど) 【ピースラムネ05】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-27 19:27:44) |
114.《ネタバレ》 この物語が彼の夢であろうがなかろうが、そこはこの物語では些事な問題と思う。ある人にもし語るとすれば、ドニーのみたビジョンは幻であり、夢である。私が語られたとしても、そのように判断すると思う。 が、ドニーは孤独な存在であり完全に個である為、他の誰がこのビジョンに干渉しても意味がない。彼にとっては生や死、あるか分からないいくつかの過去、転落が真実であり、虚構でもあり、美であったと思う。彼は彼の世界の最後を完全なものにする為にあのビジョンを見たのではないか。展開、世界観、漂わせる雰囲気、悪趣味なうさぎ、私のツボです。 ドニーが最期に笑ったのがとても印象的。 【まりんこ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-18 21:37:41) |
113.《ネタバレ》 80年代に、なんとなく世の中と違和感を感じながら青春を送っていた人たちにはすんなり入れる世界かもしれません。音楽もいきなりエコバニ?と思ったらJOY DIVIJONまで・・・アメリカンなハイスクールライフとUKロック系のミスマッチが妙にひっかかる映画ではあります。残念だったのはそれを映像にのせるセンスが・・・。CGのエクトプラズム(??)、最後のリバース映像もちょっと説明的で冷めてしまいました。せつないSFっぽい話はすごく好きなんですけどね。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-15 02:33:32) |
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112.ん・・??うさぎかこれ?(笑)ジェイク・ギレンホールのキャラがよく懐かしきパトリック・スウェイジがボロクソにやられなんか面白かった。社会への叫びは自己の考えの押し付けとしか見えないけども1回だだけですべてを理解するのには結構難しいかと思います。まぁドリュー・バリモアが目がつけたところがスゴイな感じだけどあまりリバースムービーと宣伝しすぎると映画の最後は最初に戻るってことがばれる恐れがあるからあんまりしないほうがいいと思うけどなぁ。。 |
111.《ネタバレ》 わははははははは。夢オチか? 時間が戻ってやり直しか? パラレルワールドか? 実は見ている者を混乱させるだけの意図か? なんでもいいけど、久しぶりに見る人の頭にはてなマークつけさせてくれる映画。デニーロのでてたあの映画とストーン嬢がでてたあの映画以来さ。監督のどうぞ皆さん頭を惑わせてください、ひひひという笑い声が聞こえてきそう。しかも、本当は一つしか解釈はないのよ。それは調べて頂戴。盛り上がって頂戴。そんでもって、カルトムービーになるのよ、って。ハンソロ君が出ていたあの映画のように。こっちは、そんな手にのらないもんね。そんなエンドはそのまま受け流すもんね。右から左に。でも、全体的に楽しめたけどね。 【K-Young】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2008-01-14 22:02:14) |
110.ジュリアンムーアだと思って見ていたらドリューバリモアでした。 【はるこり】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-11-26 00:49:00) |
109.《ネタバレ》 この作品についてはどうしてもレビューがまとめられず、書いては消しを何度か繰り返していた。爽やかなスポーツものとは真逆の、感受性と過剰な自意識にがんじ搦めにされた暗く鬱屈した青春。 (詳細はブログにて) 【no one】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-25 22:53:40) (良:1票) |
108.地味ですね。ですが、画面から目を離せない、奇妙な魅力がありました。最後まで見て初めて、この映画を理解することができます。一瞬たりとも気の抜けない映画です。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-22 19:29:52) |
107.《ネタバレ》 ヒロインを救った、16歳の男の子の物語と解しました。 キャラ作りもとても巧いし、台詞もいい。 のっけから、デブの女生徒の扱いがあからさま過ぎて吹いてしまった。 この映画の全てがツボ。大したこと書けないのが悔しいです。 【彬彬】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-04-28 09:30:14) |
★106.《ネタバレ》 アメリカSF小説の黄金期(1950年代)近辺の作品を若い頃に読みあさっていた私としては、この映画はかなりハマりました。SF的/哲学的なセリフにしても、「π」のような「難しい単語ってカッコいい」というノリだけの無学丸出し系では決してなく、それなりに我慢できる程度には(SF的に)文脈がまとまってますし、こういう類の変な話が好きな人がハマるつぼをけっこうピンポイントでおさえているのではないでしょうか。まあ、個人的には、銀色のウサギとジェイク・ギレンホールの妙ちくりんな演技と学園ものというだけでかなりツボにはまっていて、あとは正直どうでもいいかも。最後のタイムスリップがちょっと無理矢理すぎて、別になくてもいいかも、と思ったので、1点ひいて9点。 【あおやん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-14 03:15:44) |
105.最初から話では聞いていたので難しい系、一言で言えば「もう1回見ないとって気にさせる」系なんだろうとは思ってたけど、ジェイク・ギレンホールが好きだからって理由で見た自分としては、ま、いっか。って感じでそそくさとレンタル屋に返しに行きました。つまらなくはないですよ。 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-09-29 20:30:37) |
104.《ネタバレ》 一番最初の方も言っていますが、この話は人間が死ぬ間際にみる一瞬の夢なのだと思う。あのセミナーの雰囲気はいやだったなぁ。ああいう会合に行ったことが昔あるけど本当にぞっとした。その理由は「ぼくらはみんな仲間なんだ」というオーラがひしひしと伝わってくるからです。寂しいからみんなで寄り集まって共感しあいたいというのは結構です、しかしそういう連中に限って、仲間に溶け込めない異分子を目の敵にして攻撃しようとする。そして異分子をみんなで協力して排除することでまた連帯感を味わって気持ちよくなろうとする。人間は孤独である、ということを認めようとはしない連中が、孤独を回避するために集り、そしてドニーダーコのようなタイプの人間を餌食にする。他人と同化しきれない人は少なからずこの手の集団に痛い目にあっているはずです。この話が「ライ麦畑でつかまえて」と似ていると言った人もいましたが、まさに的を得ていると思います。ドニーダーコはホールデン君を思い出させる。誰もが自由と引き換えに寂寥感を募らせていきます。世界の終わりのタイムリミット(言い換えれば自分が死んでこの世から消えさるまでの時間)が最初から定められていて、それに向ってどんどん堕ちていく世界観は秀逸。青春はその感受性の強さゆえに希望と絶望が紙一重。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-29 18:34:40) (良:1票) |
103.《ネタバレ》 ここのところたくさんリバース・ムービーを観ているので、 たいして目新しく感じなかったのが残念。 先にコレを観ていたら・・ リバース=タイムスリップとも取れるんですが、 その世界を見事に描いているなぁと感心しました。 この映画ではタイムトラベルというマジックは、 人間が産まれる前にまで遡ってやがては存在が消滅するまで。 そのブラック・ホールは黄泉の世界へと続いており、 もちろん生きている人間は行ったことのない未知の世界。 帰ることのない片道切符。 だから今の時代の人には二度と会うことができない・・ とても不安でひとりぼっち。 そう、タイム・トラベルという手法はただのたとえ。 逝く前の不安や恐怖はテラピストの講習を受けても消えない。 消える未来に逝くのではなく消える過去に逝くのだとしたら、 もしかしたらその道や時間は不安ではない。 道連れの映像は自分が生きてきた道だから。 その世界だけ堪能して、 あまり内容のややこしさは考えずに観ました。 ややこしいのは当たり前で、 あるステージをきっかけに内容はわけがわからなくなります。 過去に戻ろうとしている記憶と今の自分に有利な記憶が、 ごっちゃになって客観的に観ているものには理解は難しい。 鍵は結構たくさんあるので、 この作品にリピーターが多いのもうなづけます。 冷蔵庫の扉やら家族の会話やら死神オババ・・ 案内人は「不思議の国のアリス」のように、 ウサギです。 しかしこのウサギがかわいくはありませんので・・ 穴、郵便受け・・自分探しの旅と、 「ソフィーの世界」も入っていますね。 「死霊のはらわた」と「最後の誘惑」の2本立ての映画を主人公たちは観るのですが、 この2本ともホラー2本立てというのは??(最後の誘惑も?) 死霊のはらわたはご存知サム・ライミのゾンビ・ホラーですが、 最後の誘惑はスコセッシのイエスがもしも生きていたら?という、 こっちの映画のほうがかなりドニー・ダーコに近い世界があります。 イエスが自ら望んで処刑され、 息絶えるまで(もし生きていたなら)という夢を見るかなり私はお勧めの映画。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-04-23 13:11:04) |