81.《ネタバレ》 懐かしいすね。もう30年位昔の作品になるかと思いますが、私が初めて観たのは20年ちょっと前の深夜映画の枠でしたか。今作や、あと『らせん』とかも、真夜中にボンヤリ観る分にはちょっと不気味でちょっと怖くて、所謂「寝物語」的なホラーとしては当時ごく非常に楽しめたと言いますか、ソコは今今に再見しても、やはり多少の「不条理」な味わいが好い感じに作用してる…なぞとも思われるトコロですね。 正直、コレが私のホラーの原風景…(⇒少なくともJホラーに関しては)とゆーか、映像の質感も前述の不条理みも、ワリとこーいうのが嫌いじゃなかったから観始めたんだよ、とゆーのが(今なお)私の非常に根っこのトコロに在る様な気はするのです。ただ、今作に関しては久し振りに観直すと、そのホラー演出というトコロについては、まず諸々の音・音楽の感じは(やっぱ)少し安っぽい様な気がする…とゆーのと(⇒コレって高橋洋さんが絡んでるホラーを観るたび毎回思われてる気もする…)、また特にオーラス付近のラスボスお化けの感じは、もっと昔の「怪談」系映画のそれ⇒例えばそれこそ『怪談』の岸惠子の雪女、みたいだな~と思ったりします。そこら辺にはまた「時代」というモノを感じてみちゃったりもしますし、んでそのコト自体もまた更に更に、自分自身のノスタルジィをくすぐって已まない様な気もする…とも言えますね。 とは言え、そもそも今作、Wikiの記述を見るまでもなく、特に前半は思いっ切り青春映画的なつくりを擁しているのですよね(⇒だからまた更に、ノスタルジィなのは当り前…なのかとも)。しかし、最大の問題点はむしろソコに在る…とゆーか、結論的には(二本柱的な)青春映画としても&ホラーとしても、やや中途半端かな…と思ってしまうのです。ソコは、中編だから敢えて(その2つに)ケリを付けなかったとゆーよりは⇔ケリが上手く付けられそーになかったから中編でも止む無し…みたいな方の見え方により近い気がしてしまうのですよね(少なくとも、私個人における・個人的な見え方としては)。結論、上で述べた個人的な感傷の諸々を差っ引いても尚、全く全然悪くはない方のクラシック和ホラーだとは思うのですケドも、それはあくまで「小品」としての評価であって、だから佳作ではあれど秀作・傑作とは見做し難い…とゆーのが最終的な評価になるのですね。機会が在れば全然、観ても損はしないかな…とは思いますケドね。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 6点(2024-09-02 00:53:41) |
80.なるほどこれが中田秀夫の監督デビュー作なんですね。尺も短く低予算を逆手にとってほぼ撮影所内限定という舞台設定も良いアイデアです。主人公も初めて劇映画を撮る新人監督というわが身を置き換えたようなキャラ設定ですが、そこに柳“ユーレイ”を起用するというダジャレというか出落ち感があって面白い。撮影現場も古き時代の職人気質の現場という感じが良く出ているし、大杉漣を始めとするスタッフたちの自然な演技がまたリアル、ホラー的な要素を別にしてもこういう基本的な演出がキチっとできたというところにも、中田秀夫は並みのルーキーじゃなかったことが判ります。ホラー度は、まあ『リング』以前としてはかなりのレベルなんじゃないでしょうか。主演した女優が事故死したことでお蔵入りになって放映されなかったドラマ、その一般人が観てないはずの映像を主人公が記憶しているという不条理、やはりホラーの神髄は不条理にあるのですよ。 余談:脚本の高橋洋によると、この主人公が小3のときに観てあまりの怖さにTVが嫌いになった番組の元ネタは、あの有名な『シェラ・デ・コブレの幽霊』なんだそうです。かつて日曜洋画劇場で一度だけ放映された幻のホラー、私も放映された予告編を観ただけ震え上がってしまい、もちろん本編放送は観れませんでした。公開時に街頭に貼られた『恐怖の足跡』のポスターを見たことと『シェラ・デ・コブレの幽霊(の予告編)』は、私の生涯の二大トラウマ・ホラーです。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-30 00:06:53) |
79.《ネタバレ》 いるいるいるよ、何者なんだ? 淡々と進むフィルムでの映画撮影、今は無きアナログな撮影風景。雰囲気は最高ですね、撮ってる映画はあまり面白くなさそうですが。 結局監督の見たモノは何なのか、想像上の女が出て来ちゃった?それと何か元からいたのか?わからないが幽霊はいる。殺してくる。 温度や湿度まで感じられるようなどこかジメっとしたようなカラッとしたような雰囲気、ちょっと間の抜けたBGM、それに柳ユーレイの惚けた感じの監督もいいですね。 ただラストの悲鳴がちょっとニャーニャー言ってるみたいでなんともいえませんが。 ですがちょっと淡々としすぎていました、怖がらせるというよりは雰囲気を味わってほしいのかとても静かです。 山場はありますが、その後も淡々としているのでホラーとしてだけ見るとちょっとパンチの弱い作品かと思います。どちらかというと夏の静かな怪談話に近い雰囲気。 最後いろんな人間の声が入り交じって幽霊が笑う。一体なにがどうなっているのかはわかりませんが、どこか納得してしまう気がする。する?いやしないか。 どうせなら涼しい夏の夜に見たい一本でした。 【えすえふ】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-02-10 01:52:50) |
78.《ネタバレ》 おわかりいただけただろうか 最後この監督の怯える声が女みたいな声になっていたことを。もう悲鳴というか女の人のあえぎ声に近かったであろうということを。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-21 22:12:31) |
77.《ネタバレ》 演出面で古臭いところもあるが、全体としていわば正統派の雰囲気を持った怪談になっている(終盤の一部を除く)。映画撮影の現場ということで内輪ネタという感じもなくはないが、もともと実話系怪談でもスタジオというのは何かが籠った場所として扱われる傾向があり、これはこれでオーソドックスな設定ともいえる。 ところでストーリーはよくわからない点が多いが、表題のモノが撮影所にいた理由に関しては、やはり昭和46年のドラマ制作が原因だったと思われる。ドラマの内容自体、母と娘の想像が架空の人物を生み出すような話だったらしく(これは結構怖い)、これを演じた結果、本当にその人物が撮影所内に現実化してしまったということらしい。映画制作というものが、何もなかった空間に別の世界や人間を創り出すことの神秘性を描き出そうとする意図があったのなら、撮影所を舞台にしたことにも一定の必然性が感じられる。 一方で劇中の監督が幼少時に今回の事件をあらかじめ体験していたらしいのは意味不明だが、そもそもこの記憶のせいで監督が映像の道を志し、ドラマのストーリーにヒントを得たかのような映画を作ろうとしたということであれば、むしろ初めから全てが仕組まれていたのではという疑いも生じる。今回もまたお蔵入りのフィルムができてしまったということだろう。 主人公は外見的にも情けない感じで監督としての威厳が感じられないが、終盤で醜態をさらすのは心が子どもに返っていたためだろうから仕方ないのだろうし、また故郷の母親は普通に気の毒に思われる。向上中だった若手女優を含め、登場人物がそれぞれ映画にかける思いがありながら、全て断ち切られてしまった悲哀も感じられなくはなかった。 なお完全に余談になるが、若手女優役の若手女優(石橋けい)を見ていて、「有言実行三姉妹シュシュトリアン」<TV>(1993)の出演者と気づいて笑ってしまった(役者が可笑しいのではなく番組が変)。劇中人物としては残念なことになってしまったが、本人は今も元気で(当然だが)女優として活動中のようである。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-12-20 19:28:26) (良:1票) |
76.《ネタバレ》 ホラー映画の第一人者である中田秀夫監督のデビュー作。製作中の映画の試写会で、昔の作品の映像が紛れ込んでいる。その映像にはいるはずのない謎の女性が・・・ホラー映画として最高の掴みだと思います。不気味な怪異現象の起こる中、良い雰囲気の現場でたんたんと映画の撮影は進んでいく。その対比がなかなか面白かった。また監督役の柳ユーレイさんが普通の兄ちゃんぽくて良い。監督がやたら嫌味っぽい奴だったりすると、自分なりに悪い結末を予期してしまい冷めてしまう。新人女優の黒川ひとみの転落死も、死を予感させてしまうキャラではなかったので悪くないと思います。問題は女優霊が姿を現してから。怖くないんですよ。ドッキリ番組でネタ晴らしされて明かりが付いた後、むなしく演技を続けているニセ幽霊みたいで。もっと恐怖を誘う演出ってなかったんですかねぇ・・・そこが悔やまれます。 【スノーモンキー】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-12-10 00:24:45) |
75.ジャパニーズ・ホラー映画の原点ということで、日本独特の恐怖感をあおる雰囲気はビンビンに満ちている。 しかし、巷で言われているように稚拙な部分は多く(幽霊が出てきまくり、幽霊が肉々しいなど)、確かにあまり怖くはない。 この反省を元に名作『リング』などが出来ていくわけだから、その手のファンには必見の映画であることは間違いないだろう。 【ポン酢太郎】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-12-01 20:50:05) |
74.怖くもないし,引き込まれもしない。がっかり。 【Yu】さん [DVD(邦画)] 3点(2014-06-06 15:17:21) |
★73.《ネタバレ》 以前、少年サンデーの巻末の質問コーナーで「これまでに見た一番怖い映画は?」という読者の質問に対して、4分の1くらいの漫画家が、この映画を一番怖い映画にあげており、ずっと気になっていた。 初めて見た感想。はっきり言って、トラウマになるほどの内容ではなかった(トイレ行けたし)が、得体のしれない不気味さを終始醸し出していたように思う。 70分代とコンパクトにまとめられていることもあり、ドラマを見ている感じで、映画にありがちなグダグダ感もなく、忙しい人も楽しめる内容になっていると思う。 気になった点は、役者の女の子が転落死した後、スタッフ、キャスト陣が病院に行くわけでも、葬式に行くわけでもなく、やたら淡々としていたこと(その直後にも映画の完成に関する話してたしね)。人が衝撃的な形で死んでも、あんなもんなのかなあ、と、こちらの方が怖く感じた。 【こまごま】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-03-23 22:46:52) |
72.怖い怖いと評判の一作だったので期待していたが、怖くなりそうで大して怖くならないのが残念。悪い夢は見れそうだけど! 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-05-13 13:59:43) |
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71.うわー怖いの来そう、来そう・・・あれ?来なかった・・・ うわっ次こそ来そう!うわー・・・ん?こんなもん? うわ・・・これすごいの来そう!やばそう!・・・あれ?こんなもんか・・・ えええっ!?終わり?え!? 【eureka】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-08-31 13:09:49) (笑:1票) |
70.ところどころのホラー演出は結構好きだけどクライマックスが一番怖くない。あの動きは完全に人間のものですね。リングの原型とのことですがリングより好きかもしれない。 【ケ66軍曹】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-26 18:39:09) |
【たきたて】さん [DVD(邦画)] 2点(2011-07-06 22:36:32) |
68.《ネタバレ》 子供の頃に観てとても怖かったけど、あれは何だったんだろう・・・思い出せないけど忘れられない。は確かにある。薄暗い階段を登っていく少年の映像が、小学生の自分に重なったような気がした。怖い映画だ。低予算だとか、今観るとしょぼいとか関係ない。佇まいが怖い。2重に現像されてしまった映像に見え隠れする黒髪の女。撮影中、突然狂ったように笑い出す代役の女優の顔が違う・・・。その後のジャパニーズ・ホラーの基盤になったとも言われるが、何かが違う。この作品にだけ漂う気配が不気味だ。だだ、少し長くなってもいいから、撮影中止になった昔の映画のシーンがもっと観たかった。それにしても時々無性に観たくなってしまう映画ではある。 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-05-04 01:46:39) (良:1票) |
67.《ネタバレ》 古典怪談『牡丹灯篭』『番町皿屋敷』、あるいは同監督の『リング』にしてもそうですが、成仏出来ずに幽霊となること、ましてや他人を呪い殺すほどの怨念を溜め込むとなれば、それ相当の理由があるはずです。その説明を省略したのは、ホラー映画としてのハンディキャップと考えます。ストーリーで恐怖を訴えかけられない分、視覚に頼らざるを得ないから。もっとも本作の画づくりは冴えていました。フィルムに焼きついた霊、不自然に折れ曲がった転落者の脚。中でも一番ブルったのは、ロケバスの窓に映った人影でした。在るはずのないもの、理解不能なものに私たちは怯えます。そういう意味では、クライマックスの女優霊出現シーンはちょっと弱い。“顔色の悪い白衣装の女”と認識してしまえば、別段怖くありません。幽霊を怖く見せるのは至難の業で、なかなか満足のいく描写には出会えません。『リング』の貞子は、その奇妙な動きが恐怖に結びついた稀有な例です。(個人的には、黒沢清監督の『回路』の幽霊の描き方がベスト。『呪怨』の白色坊主などはギャグにみえます。)尺をもう20分か30分足して、女優霊の怨念の正体に迫れたら、もうワンランク上のホラー映画になったのではないかと。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-16 00:48:25) |
66.《ネタバレ》 低予算な作りが逆に雰囲気を醸し出しており良い感じ。心霊写真のように風景に自然に溶け込んでいる幽霊の姿を見つけた時にはギョッとした(以前ビデオで観た時には画質が悪くてどこに幽霊がいるのか全然分からなかった)。上映時間の短さも、ダレずに観れるちょうど良さ。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-14 07:31:00) |
65.《ネタバレ》 昔ビデオで観て以来、トラウマになっていた 作品。 念願のDVD化に際し久しぶりに鑑賞。 今でこそ「リング」や「呪怨」に代表されるような Jホラー的演出に観なれてしまった感はあるけど 当時としてはその斬新さに度肝を抜かれたものだ。 女の子の落下死も衝撃だったけど、マネージャーのおばさんが スタジオを訪れ「あなたたちいったい何の映画をとってるの?」といった シーンも鳥肌のたつおぞましさだった。 日本のホラーではBest3にはいる恐さです。 【シネマブルク】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-03 21:34:09) (良:1票) |
64.《ネタバレ》 1995年当時、WOWOWで見た予告編があまりに怖すぎて、封印すること15年。 絶対に観てやるものか!と気合いを入れて避け続けてきたホラーなのに、何故か観ることに・・・ いや、何故ってのもおかしいんだけど、要するに、嫌い嫌いと意識していると、ついには観たくなってしまったというオチ。 ガキの頃から、ブサイクでチョー嫌いな女のコがいても、嫌いすぎてかえって意識してしまい、そのコの方ばかり見てしまい、何度も目があってダメージ大という、苦い青春時代を思い出す。 まあ、自分の青春時代の話はどうでもいいとして・・・ 先述したWOWOWでの本作の予告編がずっと脳裏に焼きついていた。 その予告編の中でも、特に怖かったのが、舞台のセットから落下して、足が不自然に曲がったまま、口をパクパクさせている少女が出てくるシーンだった。 この落下した少女は、鑑賞した結果、幽霊でなく、幽霊に突き落とされた普通の少女だったわけだが、最後に出てきた幽霊よりも、やはりよっぽど気持ちの悪いシーンだった。 足が曲がって口パクパクは、マジしんどい! このシーンで体が熱くなり、汗が出てきたので部屋の扇風機をつけたら、近くに置いてあった紙っぺらが“バサッ!”と動き、「ひぃぃぃーっ!」と、飛び上がってしまった。 結局、強がって観ていたものの、立派に怖がっていた私です(苦笑)。 どうやら私は、ホラーを観ても、寒くなるどころが、体が熱くなる体質みたい。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-10-16 23:55:56) (良:1票) |
63.《ネタバレ》 いわゆる「Jホラー」を体験してしまった後でこの作品を見た観客にとっては「あんま怖くないんじゃね?」と思われてしまうでしょうね。でもラストの「はっきり見える幽霊」に、中田監督と脚本の高橋洋さんが「こりゃ失敗だ」と猛反省(?)して『リング』に繋がっていったんですよねぇ…。 余談ながら、助監督に「駄目ですよ監督!ここで一回、びしッとシメてくださいよ!」とか言われて、嫌々ながらも仕方なくキレてみせる(それがすげえ下手糞なキレ具合w)そんな柳ユーレイ監督に思わず同情(笑)。そりゃ壁に貼ったピンナップも笑い出すわ(苦笑)。 【幻覚@蛇プニョ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-08-31 15:45:05) |
62.一部のコアな映画ファンに支持される『ラストシーン』が全くダメだったので同じ劇中劇ならぬ映画中映画の『女優霊』もさほど期待せずに見たのだが、意外に楽しめてしまったのはこれがホラー映画だからだろうか。だって見えるはずのないものが見えたとき、それを感動ではなく恐怖へと昇華させるほうがずっと簡単そうだもん。いや、全くの素人意見ですけど・・。で、この映画はその見えるはずのないもの、つまり幽霊の出し惜しみがうまいと思う。心霊写真のようなあやふやさを醸しながら、遠めでしかも一瞬、でもはっきりと確実に見せている。いるだけで何も起こらないのかもと思わせて何かが起こったときには幽霊は映されない。女性スタッフの「誰かが抱きついているのを見た」というセリフでその恐ろしいシーンを想像させてしまうのは幽霊が映されていないからだ。急展開のラストは、それまで恐怖の対象が幽霊が出るかもしれない「撮影所」だったものが一気に幽霊そのものに変わってしまい、当然ながら恐怖の質も大きく変わってしまうのだが、このバカバカしいまでのストレートな決着にこそ後にハリウッド進出を果たした中田監督の特徴が現れているのかもしれない。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2009-12-02 17:27:18) |