26.《ネタバレ》 ローレンス・カスダンという職人監督が好きだ。作品全体の手触りが心地よい。何と言っても人物造形が自然で上手だと思う。初めのうちはどういう人物なのかよく分からない登場人物たちが、エピソードを追う毎に肉付けされキャラの深みと魅力を増していく。分かりやすい薄っぺらな善人もいなければ、万人が嫌うような悪人もいない。イヤな奴が最後に劇的にイイ人に変身することもない。皆それぞれに欠点や弱さを抱えながらも「その人らしさ」がキラリと輝く、そんな実のある人間像を見せてくれて気持ちいい。 本作の場合、陰気でシニカルな主人公とその家族の変人ぶりなど、描き方次第で愛されるキャラになるかドン引きされるかがハッキリ分かれてしまう気がするがその辺りのさばき方が上手いから物語が破綻しない。主人公に付きまとう「ヘンな女」ジーナ・デイヴィスにしても、個性的で魅力ある女性なのか自分勝手でウザイ奴なのか難しいところなんだけど、彼女自身の素養も加わって可愛く見えてくるのが、やはり演出の妙と思える。ジーナの衣装にも注目したいところ。チープシックでちょっとヘンテコなお洒落がこの女性の性質を饒舌に物語っている。 ビジネス旅行(出張)とは自宅から出なければならないアクシデント(不測の出来事)なんだと言って、その数日間を心安らかに過せる方法を伝授する、そんな旅行記を書いている主人公なんだけど、実は人生そのものがアクシデントの連続、生きていくって偶発的な出来事にあふれた世の中を旅していくことなんだよね、誰もがアクシデンタル・ツーリストなのさ、ってそんなオハナシ。子供を亡くして心の内に引き籠ってしまっていた主人公が、新しい人生に一歩を踏み出す勇気を得たラストの笑顔がグッとくる。最強のパスポートは「誰かから必要とされる自分」であること、なのです。 【ポッシュ】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 00:01:02) |
25.このテンポと間、好きです。感謝祭のターキー、摂氏60度は華氏140度と間違えているのでは?と思ったり、でも仕事では優秀なローズ、そう、この一家は何かに秀でている能力はあるが、他方苦手なところもある。主人公は選択することや、思っていることを言うこと。子はカスガイってほんごね。パリで最後に息子と瓜二つの少年を見たのが本当に偶然の旅行者。。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-06-02 13:24:03) |
★24.盛り上がるところもなく、印象に残るシーンもなかった。演技派がそろっていただけに残念。 【NAONAO】さん [地上波(字幕)] 3点(2013-03-24 23:27:10) |
23.原作が大好きなのでどうしても比べてしまうのだけど・・。アン・タイラーの小説は、確かに地味。この話が映画化されると聞いて作者本人が「あんなに何も起こらない話を?」とコメントしたほど。でも面白いんですよ。普通の人への作者の愛があふれてしみじみといい話だなあと思う。原作は。で映画、おそらく監督はまじめな方でしょう。人物も話もきちんとなぞってはいる。けどいかんせん映画として立ち上げるなら行間のかわりにプラスαが必要で、それが無い。しっとり焼き上げるためにはメレンゲを泡立てすぎてもいけない、そんな隠し技が原作にはある。んーたとえがうまく浮かばなくて申し訳ない。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-09-03 05:22:14) (良:1票) |
22.う~ん 微妙..主人公の兄妹が面白かったけど..どこでもいそうな、煮え切らない、優柔不断な主人公..彼を描くことで、監督は伝えようとしているんだろうけど..私的に共感する部分が少なかった..そこが映画として致命的... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-06-29 12:41:41) |
21.あんなにいろいろ用意した設定も、生かしきれないと荷物になってしまうのですね。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-04-11 20:24:26) |
20.《ネタバレ》 何回も観れば味が出てくる映画のようですが、私にはイマイチでした。確かにウィリアム・ハートは優柔不断ですが、キャスリーン・ターナーが演じる別居中の妻が自分勝手すぎるように思えます。そんな妻なのに、よりを戻そうと言われてウィリアム・ハートがぐらつくところが、彼の優柔不断さを際立たせる演出なのかもしれませんが。観てておかしかったのは、ウィリアム・ハートの兄弟たちの変人ぶりで、ジーナ・デイビスよりよっぽど変ってると思いましたよ。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-03 21:54:11) (笑:1票) |
19.《ネタバレ》 主人公が優柔不断な性格で、最後の最後にジーナ・デイヴィスを選択することで彼は自らの性格を改めようと決意するわけですが、でもああいう優柔不断さというのは、男なら皆だいたい持ってるものでしょう?僕はまさにああいう感じの人間なので、いやに共感してしまいましたね(笑)。一家揃って方向オンチの下りというのは、たぶん一家そろって人生の岐路も方向オンチなんですという比喩が込められてるんでしょうなぁ。そりれにしても、いくら鶏肉が腐ってるといっても、あの場で言う事はないだろうに(笑)。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-22 21:29:21) (良:1票) |
18.もっと明るく爽やかな話かと思っていたのだが、予想外に暗く鬱々した雰囲気にがっかり。ウィリアム・ハートの演技もぱっとしないし、ジーナ・デイビスも、これ以外にオスカーを取るべき演技はあると思う(そもそも、全然綺麗に写っていない)。犬が執拗に登場するのも鬱陶しい(大人の心理のやりとりのドラマにああいうものは登場すべきでない)。音楽にジョン・ウィリアムスを投入していながら、少しも音楽が機能していないのにもがっかり。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-07-14 22:07:44) |
17.なんか全てが中途半端で、いつのまにか終わったという感じでした。 【ジョー大泉】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-04-06 11:38:45) |
|
16.《ネタバレ》 大好きな一本。今まで何度も見直していますが、年を取るとともに、見方がどんどん変わっていく作品です。20代の頃は、ウィリアム・ハートの優柔不断さにいらいらし、ジーナ・デイビスがエキセントリックな変な女に見えて、ラストには本当に不満が残りました。30代前半の頃には、キャスリン・ターナーとの、よりが戻るかと思ったらすぐに口げんかになるシーンが気になり、ああ、どこの夫婦も同じなのね、何とかここをうまく乗り切れなかったのかしら、とメーコンとサラの夫婦のあり方に注目してしまったり。30代も半ばを過ぎた今、ついさっきスカパーで再びこの映画を観たのですが、ふと、メーコンにはミュリエルでなければ、と思える自分がいる事に気づきました。メーコンは息子を事件で亡くした事で深く深く傷ついているのに、その息子の母親で、自分の妻であるサラにさえも、その辛さを素直に出せず、殻に閉じこもるしかなかった。その彼が出会って数日で、自ら殻を自然に破って心情を吐露できたのが、ミュリエルだったんですよね。それまで派手な化粧と服装だった彼女が、化粧っ気の無い顔でただただメーコンを抱きしめる姿は、どこか聖母の様に見えて、ジワンジワンきてしまいました。だけどメーコンがその事実に気づくのには時間がかかってしまい、ついつい18年も夫婦でいたサラとよりを戻そうとする。その優柔不断さが人間くさくて、そのリアルさに感情移入してしまいました。20代の頃はあんなに嫌いな部分だったのに、どうした私!ああ、年をとるってこういう事なのね…、こういう映画がわかるようになるなら、年とるのもいいかな、なんて思わせてくれる一本です。また、人生を旅行になぞらえて、シーンのところどころに入るガイドブックの一節も的を得ていてよかったです。こういう地味だけど、人間の機微を細かくとらえた映画が、またこれからも出てきてくれると嬉しいですね。 |
15.《ネタバレ》 最愛の息子を殺されてしうという重い十字架を背負ってしまった父親をウィリアム・ハートが熱演していましたね。最後の選択はあれでよかったんじゃないかな・・・ジーナ・デイビスの弾けるような満面の笑みと何かふっ切れたように笑顔を浮かべるウィリアム・ハートが印象的でした。旅行の荷物の様に軽くはならない心の重荷を解消する方法を、この映画から学べたと思います。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-01-09 01:09:03) |
14.「旅」と「主人公がもう一度誰かを好きになる」というテーマがうまく調和しておらず、不自然です。特に最後の場面に至っては無理やりこじつけたよう。これといった見せ場もないし、見ている間ずっと退屈でした。私がもう少し大人になれば、この作品の良さが分かるのでしょうかね。 【トナカイ】さん 5点(2004-12-27 17:53:33) |
13.そんなに迷うんなら、いっそのこと両方手に入れようと頑張ればいいのに 【永遠】さん 4点(2004-06-10 23:37:14) |
12.たぶん日本国内ではヒットしなかった作品だろうと思う。ちゃんと確かめてないけど。私がなぜ見たかというと、昔買った「ぴあ」のシネマガイド本(ご存じの方多いと思うけど、あの電話帳みたいな本)であらすじを読み、面白そうだと思ったから。(余談だけど、この本で興味を持って、その後見たマイナーな作品が実はゴチャマンとある。たとえば「ヒドゥン」とか。今思い出したのはこれだけだけど、でも数え切れない。このことは初めて書いたけど。変な映画に免疫ができたのは、間違いなくこの本のおかげ!)ウィリアム・ハートが好きだからエコヒイキ点が入っているかもしれないけれど、私はいいと思いましたね、この映画は。自分のつれあいとの関係が、この夫婦の関係性に近いと感じたせいかもしれません。そこに登場するジーナ・デイビスの個性が、なかなかいい。あまり好きではなかった女優ですが、この人物造形でアカデミー賞受賞は、納得できます。大人向けの映画ではないかと思いますね。余談の、さらに余談ですが、あのガイドブックは何かにつけ使いまくり、とうとうボロボロになったので捨てましたが、当時しばらくは家族と、ビデオやテレビを見ながら「あれで調べてよ」「あれ捨てちゃったのよ」「あそうか、捨てなきゃよかったのに」という会話を繰り返しました。(;´_`;) 【おばちゃん】さん 8点(2004-04-22 23:39:49) (良:1票) |
11.【きりひと】さんの解説でこの作品のテーマは分かりますが印象は薄く、もしジーナ・デービスが助演女優賞を取っていなかったら埋れてたような気がする。しかも彼女自体これが特にいいとも思わないし、、 【キリコ】さん 5点(2004-04-22 22:57:34) |
【ギニュー】さん 5点(2004-04-22 19:43:21) |
【zero828】さん 9点(2004-02-25 22:23:55) |
8.「人生と同じで旅も荷は軽い方がいい」ってのは何気に良いセリフだと思ったけど、映画そのものはあまり印象に残りませんでした。優柔不断な男に自分勝手な妻、そしてちょっと風変わりな女の関係を淡々と、ただひたすら淡々と描いたって感じ。 【Fuzz】さん 5点(2004-02-13 18:45:32) |
7.人生は旅ですか~。人生経験が豊富でない私はまだ井の中の蛙ってとこでしょうか。共感もできなかったし、そこまで面白いとも思いませんでした。でももしかしたら後からジワジワくるかもしれません。確かに何が起こるかわからないからこそ、自分の本心に問いかけてみて生きていくことは大事でしょう。彼の生き方は分かる気がします。逆に彼の妹はそれができなくなってしまってたってことですよね。なんか将来この妹さんみたいになりそうでこわい。自分の周りにいつまでも境界線を引いててはダメってことですか。もっと自分に正直に生きます、ハイ。戒められた気分ですね。あと、ワンコが名優ですよ。一時の清涼剤になりますね。 |