166.《ネタバレ》 かなり評価が割れている作品。
それぞれ好みが違うから人の評価はあくまで他人の者。 自分がどう感じるか、観てみなければわからない。
141分は長い。 こんなに長いとは知らなかった。
出だしからかなり引き込まれる。 いい感じじゃないの。
特に戦死の報がもたらされるあたりのシーン。
ある意味見え見えの演出なのだが素直に入っていける。
とてもうまい表現。
役者の演技の良さも貢献している。
ほかにも良いシーンがたくさんある。
CGを多用している。 CG臭さがそのまま残っている。 これは意図したのか。 それとも。
色使いがなかなか良い。
話が先に進むにつれ映画のテーマが明らかになってくる。
なぜ人は憎みあうのか。 なぜ人は殺しあうのか。
お互いを許しあうことが出来れば。 それさえ出来れば。 そうだね。 出来ればいいね。 でも出来ないんだね。
最後にキャシャーンは破裂して果てる。 しかしその先には希望があるという。
人とは何なのだろう。
人は人を愛する。 平和を望む。 だが、憎みあいもするし、殺しあう。
救いようのない存在。 でも人は、人であるからこそ希望を持てる。
話の展開が激しくて、シーンの間をつなぐ説明もない。
でも不自然ではない。 かなり意識してそのような演出をしている。
重いテーマに真正面から取り組んでいるが、意気込みが空回りしているような感じは受けずとても好感が持てる。
キャシャーンがなんとなくヘルメットを脱いだロボコップに見えることもあるが、全体的にセンス良い映像に満ち溢れている。
監督曰く、男は常にかっこよく、女は常に美しく。 まさにかっこよくて美しい人たちで埋め尽くされている(ごく一部を除く)。
メイキング映像(2時間以上ある)で監督自らカメラを担いで撮影している様子が収録されている。
この監督、只者ではない。
かなり気に入りました。