6.《ネタバレ》 アメリカ側からベトナム戦争を描いた作品は多数あるが、本作はベトナム側からベトナム戦争を描いた作品であり、希少な作品だ。
戦争の爪痕は戦争が終わった後も、心の傷として残る。
戦争はあってはならないと見る者に語りかけ、この物語は終わる。
アメリカのベトナム映画だと、大抵はベトコンが得体の知れない不気味な存在として描かれる事が多い気がする。
それに対し、本作はベトコンを血の通った、ごく普通の人間として描いている。
むしろこれは至極当たり前の事なのだが、アメリカ映画ばかり見ていると、こんな当たり前の事すら分からなくなってしまうから恐ろしい。
ベトコンにも愛する人と家族があり、その人達との別離を悲しみ、そして戦争を誤ったものと感じている。
この当たり前の事を理解できただけでも、本作を見た意味はあったと感じる。