1.《ネタバレ》 バットマンといえば「クリスチャン・ベール」世代なテディと「マイケル・キートン」世代なマックとが仲良くなって、喧嘩して、仲直りするという、とても楽しい映画です。
一応、本作の主人公がどちらかといえば、太り気味のオジサンなマックとなるはずなのですが……自分としては、マッチョな若者のテディの方に感情移入しちゃいましたね。
大学では皆のリーダーでも、社会に出たら学力不足の落ちこぼれに過ぎない。
成績優秀な親友だけが立派な会社に就職して、自分は取り残されてしまう。
そんな若者特有の切なさを、ザック・エフロンが鮮やかに演じ切っており、敵役であるにも関わらず共感を抱かせてくれたんだから、お見事でした。
「赤ん坊が生まれた結果、若い頃のようにパーティーに参加出来なくなったマック達は、テディの事が羨ましかった」
「テディはマック達のような大人になりたくなかったから、現実逃避の意味を込めて嫌がらせしていた」
等々、作中に出てきた「心理学を専攻している学生」よろしく「両者の対立の原因」について推理するのも楽しいのですが……
そういった難しいアレコレを考えなくても、シンプルに面白い映画だったと思いますね。
とにかく分かり易く、丁寧に作られており、序盤で(この二階に置いてある花火が伏線なんだろうな……)と思ったら、本当にそうだったりするのが気持ち良い。
視覚的にも派手な「エアバックの悪戯」には笑っちゃったし、デニーロの物真似をはじめとして「元ネタを知らずとも面白いし、知っていたらニヤリと出来ちゃう」小ネタが散りばめられているのも、楽しかったです。
それと、これが一番大事だと思うんですが、本作は序盤にてテディとマックが意気投合する描写に、ちゃんと説得力があったんですよね。
大人になりきれない二人が、世代の壁を越えて「男友達」になる一夜を、丁寧に描いている。
だからこそ、観客としても(この二人は本来、物凄く気の合う奴らなんだ)と理解出来る訳だし、ラストにて二人が「仲間のハグ」を行うハッピーエンドも、笑顔で祝福する事が出来たんだと思います。
テディが仲間を庇って逮捕される場面では、ちょっとした感動を味わえたりもして、程好いサプライズ感があったのも嬉しかったですね。
楽しい映画だし、それ以上に、好きなタイプの映画でした。