17.《ネタバレ》 冒頭の、混み合っている駅のホームで、誰にも看取られずに命尽きようとしている男性のそばに、マザーテレサがうずくまるシーン。そのとき、すっとカメラが引いて、周囲の人々が姿を消す。貧しい人に愛を注ぐのに、周囲の雑踏が全く目に入らなくなる、これが彼女の類まれな集中力。1人1人の頬を両手ではさみ、声をかけるマザーの慈愛のこもったしぐさは鳥肌ものだった。彼女が亡くなった当時、世界各国に散っていた元孤児たちが「マザー、マザー」と実母のように嘆き悲しんでいた報道を思い出す。 イギリスやスペイン等のキリスト教がらみの時代劇を観ると、宗教と国家権力がどろどろと癒着した残酷極まりないエピソードがいくらでも出てきて、そのたびぞっとさせられてきた。本来キリスト教は、貧しき隣人を愛せよと人類愛に満ちた教義で説くはず。それなのに、神に仕える神父や修道女が虐げられた人々に直接奉仕することが、どうしてこんなにも難しいのだろう。マザーが修道院を出て、自ら神の家を設立する過程を初めてこの映画で見て、そこからしてガツンと大きな衝撃を受けた。つまり、冒頭から私は驚かされっぱなしだった。真の意味で、神に自らを捧げている聖職者が、どれほど存在するのだろうか。 3ドルの水の価値に言及する彼女は、『シンドラーのリスト』で「これだけあれば○人救える」と人の命を金に換算して苦しむシンドラーの姿と重なる。神の鉛筆になる者の苦悩は凡人にははかりしれないが、彼らは何と尊い存在だろうと深く考えさせられた。 【tony】さん [インターネット(字幕)] 9点(2017-05-18 01:21:40) |
16.この作品はマザー・テレサの生涯を描いたものではなくて、半生を描いているので、冒頭から既にぐう聖という設定。 何故これほどまでに慈愛に満ちた聖人になったのか、幼少期からの物語を知りたかったような気もする。 そんな訳で、物語の起伏とか無視して、序盤からクライマックス並の感動で泣きそうになりました。 マザー・テレサを利用して金儲けしようとする人、活動を組織化しようとする人、そんな群がってくる人々を皮肉っぽく描いているのが滑稽です。 ノーベル賞の贅沢な料理やミネラルウォーターの値段にまで疑問を投げ掛ける姿勢には感心させられます。 作品全体としては、かなり足早な印象で、次々に起こる問題もトントン拍子で解決していくので、物語自体に深味は感じられないのですが、要所要所にぶっ込んでくるマザー・テレサの言葉がいちいち深いので、深味のあるいい作品だったような錯覚に陥ります。 あと、どうでもいいことだけど、この映画の製作費があれば、何人の子供たちが学校に通えるんだろう?なんてことをふと考えさせられます。 映画がヒットして興行収入を得られるとか、映画が宣伝になって更に寄付が集まるとか、そんな魂胆で製作されたんだろうけど、本当にそれでいいのか悩ましい作品です。 マザー・テレサが生きていたら、この映画を見てどんな言葉を投げ掛けるのか興味深い。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-01-21 14:09:59) (良:1票) |
【akila】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-28 17:20:20) |
14.《ネタバレ》 感動した。泣くもんか!と頑張ったけど、無駄な努力だった。政府に孤児院の子どもを収容されるときに、自ら子どもを収容車両に抱いて乗せるマザーに感動。言葉よりこういう行動を取れる心が凄いと思う。子どもは警察官に乗せられるより、どれだけ安心しただろう・・。大きな仕事を成し遂げた方だけど、なんともユーモアのセンスのある方なんだろうとも感じた。ガチガチではなく優しさやユーモアが常にある。これが人を惹き付けて大きな仕事の達成に繋がったのだろうな。しかしオリビア・ハッセーには驚きました。素晴らしい女優さんじゃないの・・。立ち振る舞いもソックリ。老けメイクの勇気にも信念を感じた。演技でありながら「マザー・テレサ」という人に感慨をこれだけ与えられるなんて・・オリビア・ハッセー、本当に素晴らしいよ!あと最後のセリフの回し方もよかった。日本にもこれらのメッセージは浸み込むね・・。 【グレース】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-07-25 19:33:09) (良:1票) |
13.同じようなトーンで最後まで続く起伏に乏しい内容なのだが、オリビア・ハッセーの気合の入り方によって、画面が常に一定の力を保っている。ここまで存在の力がある人だとは思わなかった。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-23 02:17:21) |
12.《ネタバレ》 劇中にある台詞の一言一言、あるいは最後の「教え」の言葉など、マザー・テレサの素晴らしき教訓は、見ている私も逐一覚えて人生の教訓に活かしたいと思えるものばかりでありました。でも確かに、マザー・テレサの活動を2時間に収めるのは、なかなか難しいところ。善者を利用し利益を得ようとする者や、いつの間にか金持ちのサークルと化していた協会とのマザー・テレサの見事な対比。こういった世間の中で、彼女のように信念を貫き通して活動することのいかに大変なことか。数々の教えの素晴らしさと同時に、マザーの「勇気」に感服せずにはいられません。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-08-17 19:32:42) |
11.彼女の人生を2時間で説明するにはちょっと短か過ぎる感じ。4時間ぐらいでじっくり描いて欲しい。 |
★10.心の貧しい私は見ていてすごく疲れました。ちっぽけな良心を攻撃され続けた感じでした。自分を叱って欲しい人にオススメです。 (年老いていく過程が腰の曲がりのみで表現されているのはちょっと手抜きに感じました。声もあまり変えていないし。) 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-10 12:08:39) |
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9.始終涙が止まりませんでした。彼女がすんなりと活動できなかった訳がようやく分かりましたマザー・テレサについて知りたいと思えば、この映画を見る事をお進めします。 【蝉丸】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-10-06 10:18:08) |
8.伝記物の中では淡々と時間軸に沿った展開であまり面白いものではありませんでした。彼女は純粋に心の向かうままに行動したかっただけなのでしょうね。取り巻きの組織が悪いような描き方を(最後まで)されるのでちょっと興ざめですね。それにしてもガンジーといい、肝心の政府は何をしているのでしょう?国がもっと主体的に取り組むべきこともあったのかな?と感じました。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-09 22:15:23) |
7.《ネタバレ》 最後のセリフ、「絶望のあるところに希望を届けよう、悲しみのあるところに喜びを届けよう。慰められるよりも慰めることを。理解されるよりも理解することを。愛されるよりも愛する。与えることは与えられること。許すことによって私たちは許される」このセリフに、マザーの教えが詰まっていると思いました。本当に素晴らしい人だと思う。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-18 20:50:24) |
6.マザーテレサの凄さは他人への優しさだけではなく、ズバ抜けた神への信仰心と行動力なんだと思った。言葉は悪いけど彼女はどこか凄く単純なのかもしれない。 映画はというと、マザーテレサの行いを箇条書きみたいに一つ一つ転々と見せられた感じで、ドラマティックな盛り上がりに欠ける。映画としては少し不満でした。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-04-24 00:37:39) |
5.《ネタバレ》 マザーテレサ「この水は一本いくら?」ボーイ「3ドルです」それを聞いた後、意を決したようにマザーテレサ「本日からこの協会は存在しません」この場面でこの人は偉い人だなと思いました。 オリビア・ハッセーは一世一代の演技をされていたと思います。ガンジーに匹敵する人物を題材にしながらこの監督はタコです。こんな映画にオリビアの演技が蕩尽されてしまったことが残念でなりません。 インドの美しい風景が撮りたかったのは解りますが、なぜこの映画でそれをする必要があるのでしょうか。そういう視点にアジアに対する抜きがたい蔑視を感じずにはいられません。そうでないならば、何がしかの配慮でこうなったのか?どちらにせよ観光映画ではないはずです。なぜかマザーテレサの行動のモチベーションがいまひとつ伝わってこない。キリストの受難になぞらえた構成も、人間を馬鹿にしているのかと怒りすら覚える。人の不幸は別に彼女に贖罪の機会を与えるためにあるのではない。点数はすべてオリビア・ハッセーに差し上げたものです。 【アホをどり】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-03-11 06:46:23) (良:1票) |
4.♪「薔薇より美しい あぁぁぁ君は(チャ×8)変わったぁー!」(by布施明)・・ジュリエットから35年。薔薇の何倍も美しく生きる慈悲深いマザーを演じるオリビアの姿にやっと逢えました。メイクや物真似、うんぬんよりもこの役を20年も希望していた彼女の意志が直に伝わってきます。「死んでいくにも許可が要るのですか?」マザーの奉仕を良しとしない人たちにきっぱりと切り返す言葉の数々にもシンの強さが表れていて、わかっていても結構感動するんであります。「私にはできんことやー、、」感慨深げにレンタルの店員さんが言っておられましたわ。そうそう、できなくても何かの時に本作のことを思い出せたら、献身とはなんぞや、と考えるだけでも良いかな、、その前に自分がしっかりさせなね、などなど、恥ずかしさの連続です。/場面ごとにトーンを変えて吹き替えてる池田さんもスバラシかった。受け持ち定番のオードリーや気色いメリルをあまり連想させないほどです流石~! 【かーすけ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-03 23:58:20) |
3.以前より劇場が増え、10大都市ではない地方で、このような名作を劇場で観られるようになりました。 ありがたいことです。 そして、この作品の魅力は”ひたむきさ”だと私は感じました。 マザー・テレサさんの人物の大きさ、監督の情熱、そしてオリビア・ハッセーさんのひたむきさ。 私が若いころマザーは来日され、TVなどで拝見させていただいたその姿そっくりに演じていられる。 その精神までもオリビアさんに乗り移ったかのようでした。 厳しいけれど、清清しい作品。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-12-31 13:24:59) |
2.マザーテレサの愛というよりも、自分の信ずる道を歩む人の強さが印象に残った。強く、同時に、他の人たちを巻き込むやりかたには、茶目っ気も感じられ、きっと、実在のマザーテレサもこんな人だったのだろうと感じた。最後まで、凛ととおる、オリビアハッセーの声質も、マザーらしさを感じました。マザーの声を覚えていないのですが、きっと、こんな風に、必要ならば凛としてとおる、声だったのだろうなと。なお、観終わった帰り、コーヒーでも飲もうと店に入りましたが、思わず罪悪感を感じて、ケーキはやめました。3ドルの水より高いし。 【mogu】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-11-24 00:07:56) |
1.《ネタバレ》 人が人を愛する事“LOVE”とは違うもっと深い愛、自分を犠牲にしてまで人を愛する事が出来る人、「自分は神が持つペンにしか過ぎない、文字を書くのは神です」と言ってのける。困難で有れば有るほど強く立ち向かい。弱い者には深い愛を捧げる。彼女は偉大です。そんなマザー・テレサでも「神の愛は押し寄せる波のようです。もう私は先へ進めません」と弱音を吐く場面にはホロリと来ます。 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-09-07 10:17:49) (良:1票) |