★4. 《ネタバレ》 なんかこれ、最も純粋なキアロスタミの世界なんじゃないか。ほとんどサイレント映画の精神。でももちろんトーキーで、オブラディオブラダに乗って、少年がカンを蹴りながら歩んでいく。犬の登場。陽気な音楽はゆるゆると消え、犬の目つき。その距離。無関係な自転車の通行人。老人(イヤホン)が登場。リズムに乗って一緒にいくと、犬の寸前で老人は左折してしまう。犬にパンを少しやると懐いてついてくる。一緒に並んでいく。門での別れ。犬はそこにうずくまる。犬はこうやって少しずつ歩んでいるのかも知れない。続いてミルクを持った少年がやってくる。…とこう書いていっても仕方がないんだけど、なんか書きたい気分にさせる映画なんだ。処女作でその作家の立脚点みたいのが分かるっていうけど、ほんとにそう。影の輪郭のはっきりした裏通りの気分を背景に、少年の心の変化をていねいに綴っている。おつかい帰りの浮き浮きした気分から緊張、そして友だちの発見、後ろ髪引かれる気分、と来て、しかしここで不意に犬の心に移るとこがすごい。等価なんだね。ここでワッと世界が広がる。映画における純度の高さってこういうのを言うんだろうなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-01-25 12:04:07) |
3.題名どおり、裏通りで繰り広げられるオハナシ。 裏通りという非常に閉塞された空間で繰り広げられるロード・ムービー(違います)。
犬がかわいい! 実を言うと、それが一番印象的だった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-09 00:44:31) |
2.桜桃の味のおまけで見たが、食後のコーヒーみたいで良かった。 【miso】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-12-23 22:26:36) |
1.アッバス・キアロスタミのデビュー作。イラン映画なのにいきなりオブラディ・オブラダやジャズっぽい音楽が流れてくるのでビックリしたのだけれど、この作品が作られたのは1970年。78年にホメイニ師がイラン革命を起こすまでイランは親米派のパーレビ国王が統治してたんですな、とちょっぴり歴史の勉強。10分ほどの短編ですが、ほのぼのしていてちょっと小津監督の「突貫小僧」を思い出しました。 【ぐるぐる】さん 6点(2004-05-11 16:11:00) |