7.TSUTAYA では毎回3本、7泊8日でレンタルしてます。そんで最近、ヒッチコックがマイブームでして、今日は『疑惑の影』をげっちゅ。メインディッシュの他には、栄養のバランスを取るために『0:34』と『ピンポン』ちゅう統一性のない付け合せ。結果、和独米の無国籍セットとなりました。帰宅して早速、「じゃあ今晩は『疑惑の影』上映会でっせ~」とレンタル青袋を開けたら、なぜかそこには『人間人形 デッドドヲル』が…。
しまった! パッケージからDVDを取って「やっぱりやめとこ」って戻した時、ヒッチコックの方を戻しちゃったよ!
…彼女とはこういう出会いでしたので、当然第一印象はよくありませんでした。しかも一昨日ヒッチの『めまい』を観たばかり。
「何だよカットごとに照明バラバラじゃんよ!」(←当然ヒッチと比較する)
「そのスモークやりすぎ! 役に立ってねーだろ!」(←これは本当にひどかった)
「音楽ってオープニング曲のコレしかないのか~?」(←単調だが話には合ってる)
「『オテサーネク』の爪の垢でも煎じて飲みやがれっ!」(←自分的権威を引き合いに出して不毛になじる)
「ええい身も蓋もない描写しゃーがってそもそも人形浄瑠璃四百年の日本人観客に向かってだな」(←もはやイチャモン)
などと激しく激しく突っ込んでおりました。まあ所詮アホヲドリ・コアなので、そんな事しても虚しさ満点なんですが…。
「あれ、ちょっと凄いナ」と思い始めたのは、カメラのファインダー越しに見た時、人形へ生気が吹き込まれる場面。映像はからっきしダメなのに、写真はかなりイケてます。おやおや…? と思ってるうちに、デッドドヲルのペースにはめられてました。バカのひとつおぼえみたいに無駄に魔術的なシナリオも、後半にかけては不思議と含蓄を得てきます。やがて、不毛な愛欲の連鎖の中から「運命の女」対「白馬の王子様」というテーマが浮かび上がってきて…。
エンディングにヤラレた。
こう来ますか。こんなに美しく終わらせますか。アホヲドリ・コアのクセに!
このページで妙に点数が高かった理由も納得です。ショボ映画だからと言って切り捨てられない、何だかよくわからん不思議さが確かにありました。
そういえば借りようと思った『疑惑の影』、TSUTAYA の棚でこいつのジャケットの中に納まってるんだよなあ…誰かが運命的な出会いをしてなきゃいいけど…。