7.《ネタバレ》 そりゃ満点ではないですが。
娯楽映画を期待して観に行った自分としてはある程度満足です。原作は知りません。
公開前に総理役の佐藤氏がお騒がせしてましたが、映画の中では普通にお仕事されてました。
昔から日本映画はヒューマンドラマに時間使い過ぎて、低予算の為見せ場が少ないのは覚悟してましたが
少々改善してます。アメリカ軍の「ファイヤー!」よりは日本軍の「撃てー!」がハマりますね。
レーダーのシーン、アニメ「パトレイバー2」の幻のスクランブルを思い出しました。雰囲気もあって
盛り上げ方としては良いです。
端々に、気になる演出があります。運悪く居合わせた女記者が、生気の無い病人然として変なのとか、
戦争の危機感で世間が買い溜めに押し寄せてるのに、何も知らずに朝を迎えるコンビニ店主も変。
松坂君が撃たれて死ぬシーンも、引っ張り過ぎ。致命傷で即死なのに、撃たれてから倒れるまでが長過ぎ。
倒れないでいられるくらいの症状なら、直ぐに救護措置するはずなのに、皆見てるだけの違和感。
捕虜になっても諦めず1人で抗った敵兵士も、少し話しただけで泣き出すとかもねえ
戦闘兵器の知識が無いのでアレですが、迎撃ミサイルって、あんなに上手く正面衝突可能なのかなあ?
デコイとかフレアとかの囮アイテムの効果も、敵と味方で、こんなに差が出るものなのか・・?
いろいろ都合の良い描き方ですが、娯楽映画としての戦闘シーンならこんなもんでしょうか。
それぞれのセリフって、やたらキザっぽいんですが、原作漫画の通りなのかなあ?真っ直ぐな視線で
あのセリフ・・ かわぐち氏の他の漫画「沈黙の艦隊」を思い出します。 チョット着いて行けない。
気が付けば、気に入らないポイントばかり挙げてしまいました。
しかし、総じてはなかなかの映画だったような気もします。てか、今までの日本のこの手の映画が
あまりに陳腐で、お涙チョーダイばかりでヘンテコなクライマックスの後に、人気歌手の歌で終るとか
みんな同じで、飽きてウンザリしてたからなのかも・・
今回は歌ではありませんでした。良しとします。
政治的なドラマ部分は、シン・ゴジラの影響なのか丁寧に纏められてると思います。これが無いと
娯楽映画の中でもおバカアクションカテゴリに陥ってしまう。
専守防衛の定義が足枷になって動きの鈍い自衛隊が、時間の無い中で攻撃方法を模索するとか、他の国には
ありえないシーンですが、これも日本という国独特のモノであり、ちょっと上手く行き過ぎですが良しとします。
この外せない基本設定の上で、ギリギリ上手く行くというところが娯楽映画でしょう。
現実には無理っぽいところを、なんとか切り抜けるってとこ、娯楽映画なら当たり前ですからねえ