5.《ネタバレ》 公開当時、テレビ放映ではちょうど「ゾウ編」に入ったばかりで、麦わらの一味は二組に別れていた。だからこれはパラレルな世界。でもテレビの流れを汲むかのようにメラメラの力を手に入れたサボや、復活を遂げたロブ・リッチをわざわざ登場させて、関連性を強調しようとしてくるからややこしくなる。懸賞金もドレスローザ後になってたし。パラレルな世界なら本筋とはまた違ったものを見せてもいいと思うんだよな~。本筋に忠実でありながらも一味が一緒なパラレル・・・こういう中途半端さが弾けてない感じになってしまってて実に残念。
ただそうは言っても一つの作品としてはまあまあ楽しめた。敵役のギルド・テゾーロは今までの映画版の中では一番ワンピースらしい敵だった。苦い経験の反動で闇に堕ちてしまったテゾーロは、敵でありながらもどこか痛く悲しい存在だった。ただ時間が短いせいであまり深く掘り下げられてなかったのが勿体無い。テゾーロにとって憎むべき天竜人に、いつしか自分も同じようになっていた。それを感じたルフィが言った台詞「お前は俺の大っ嫌いな奴らにそっくりだ!」と。そしてそれを目の当たりにしたテゾーロは、ルフィと昔の自分とを一瞬だけですが重な合わせます。重な合わせるがもう戻れない。力を、権力を、富を押し通すしかない。ルフィに最後、吹っ飛ばされる時、失った恋人の声が聞こえテゾーロは長い呪縛から解き放たれる。テゾーロの人間性をもっと掘り下げられてたら、ここはめっちゃ感動の嵐だったかも。
テゾーロよりも結局一番おいしかったのは女狐カリーナだった。怪盗らしく騙し騙されの大立ち回り。ほんと、魅力的なキャラ。
それと総じてゲストの声優陣も違和感なく溶け込めてて良かった。竹中直人のステーキ屋のおっちゃん、後で活躍するのかと思いきや・・・ないんかい!はは。
ラッキーな実の能力者の倒し方が、近くにスロットマシーンを投げてそっちに運気を持って行かせた方法には感動しちゃった。
フランキー将軍に対する男子と女子の反応の違いをさりげなく入れてくれてまたまた感動(笑)