143.《ネタバレ》 第三次世界大戦後。
二度と戦争が起こらぬよう、政府は人間の感情を抑制を行う。そのため、感情に関係する文化(音楽,画,装飾された家具等)を全て規制(焼き払う)することで秩序(感情の抑制)を保っているという世界。
あまりにも度が過ぎる設定ではあるが、その設定のお陰で一気に物語に引き込まれていく。
そして、ストーリーが進むにつれ主人公に感情が芽生え始めるのだが、その展開がありきたりなシンプルさであり、適度な緊張感を与えてくれ物語に締まりをつけている。
「一部の人間の都合で、多くの人の自由が奪われる」
簡単に
例えるなら「修学旅行で同じグループの友達の喫煙が見つかりそのグループ全員が次の日の自由行動無しという事態」とでも言おうか。
この設定から察するに、過度の規制は全く役に立たないと言う現代への警告なのかもしれない。
そして、この作品の一番の見所と言えるのが【ガン=カタ】である。
これが最高にカッコイイ!!!!!!!!!!!!
これを見てワクワクしない男がいるのなら、本当に男なのか疑うくらいである。
レンタル当時、マトリックスと比較されたが全く別物のアクションを見せてくれる。
きちんと比較するならば
マトリックスは「いかにカッコよく相手を倒すか」をビジュアル的に重視しているが、この作品は「爽快さ」を極限にまで引き出し、観る者にある種の心地よさ(感情移入ができているかどうかが前提であるが…)を味あわせてくれる。銃で打ち抜かれた体から弾が光と共に貫通したかのように思わせる描写が、不謹慎ながらも爽快に感じる。
【ガン=カタ】にだけでも満点をあげたい。
それくらい格好良いのだ。
B級で低コストながらも、ここまで細部に拘ったアクションシーンは他に無いと言える。
最後に、散々言われているよう設定は確かに無理があるが、粗を探すことは野暮であると言える。
何十年たっても、この手の作品を純粋に楽しめる自分でいたいと強く感じた。