2.《ネタバレ》 映像だけでストーリーを読むというのはやっぱり面白い。
彼女が腕輪を隠す、腕輪を指から腕に戻す、腕輪をリングサイドに放る。これだけで心理状態が解るのですから。
そして、ヒッチコックの映画を観ていると、背筋が凍るほどゾッとすることがよくありますが、こんな初期の頃の作品でも随所にそういったシーンが出てきます。いろいろある中でも、結婚式での指輪交換のときに指輪を奥まで挿入した瞬間、ボブから貰った腕輪が手首のところまでズルッと落ちてきたところが最高に好きですね。また、最初のジャック対ボブの対決で、ダウンしてカウントをとっているときまではどちらがダウンしてるのかわからないのですが10カウントくらいになって手前の男が消えたことによって勝者がボブだということを見せるという演出もかなり好き。
ただ、友人たちが集まって祝杯を挙げようと奥さんを待っているときにそこで一気にトーンダウンしてしまったところがすごく残念でした。画面の中で登場人物がファイトしてるときはこちらも熱くなるし、ドキドキしているときはこっちもドキドキする、待ちくたびれて寝てしまっているところを見るとこっちまで眠くなってきてしまうのです。あのシーンは何とかならなかったのかなぁ。