5.《ネタバレ》 漂流船での殿山泰司、佐藤慶、乙羽信子、山本圭が織りなす密室劇。極限の飢えが人を狂気に追いやる姿が、これでもかと言うほどネットリと描かれており観るのが辛かった。佐藤慶の意地汚さもさることながら、乙羽信子の怪演が特筆もの。お目当て山本圭は22歳デビュー2作目ということで何の屈折も無いのは残念だけど仕方ないところ。飢えが満たされて良心が戻ったかのような結末がやるせない。 |
★4.《ネタバレ》 新藤兼人監督の作品って、切れ味は悪いけど、丁寧に人間を描いている作品が多い。
本作もその例にもれず、人間描写がとても丁寧で、人間の深い部分をえぐり出すような演出が冴えわたっている。
人間が飢えと渇きの極限状態に陥った時、どういった行動をとるか? まさに、それぞれの人間の本性が現れる状況だ。
心の強い人間、弱い人間、自分勝手な人間、そしてキャラ的に弱く餌食にされそうな人間(笑)。 この四人で構成された内容で、ラストは『飢餓海峡』を彷彿とさせる幕切れだった。
殿山泰司が主演で、これまた棒読みながらも、熱演していて素晴らしい。 脇役が多かった俳優だが、主演を張らせても、これだけ演じられるのだから凄い俳優だ。 もっとも、本作の様な地味というか地道な内容の作品でないと、主演を張るのは難しいだろう。 人間を奥深く丁寧に描いた本作であったからこその好演であり、まさに殿山泰司主演に相応しい内容だったように思う。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-03-21 02:14:37) |
3.《ネタバレ》 結局魚のエサになってしまったかー。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-03-12 17:37:13) |
2.人間ってここまで変わってしまうんだな。いや、変わったんじゃなくて本当の部分が出たのかもしれない。僕はこんな状態に陥ったら誰も信じられなくなると思う。 【武蔵】さん 6点(2005-03-14 16:18:33) |
1.広大な海の上で4人の男女が遭難した。食料が無くなり、水は山ほどあるのに一滴も飲む事が出来ず、真夏の太陽が肌を焼く。空腹と暑さに苦しみ、生きている心地のしない状況で、2人の人間が豹変した。その変わり行く姿はもう人間とは言えない姿だった。新藤兼人監督は、人間という生き物の最も恐ろしい面を、怖いくらいにリアルに描いた。そんな新藤監督に拍手! 【ボビー】さん 7点(2005-03-10 22:30:01) |