12.《ネタバレ》 如何にもフランス映画的な硬さや難解さはあまりなく、荒れ狂う波、水しぶき、男同士の友情に一人の女性を巡る人間模様が淡々と語られていく。打ち上げられる花火をよそに愛し合う男と女、そんなことは一切知らずに花火を楽しんでる沢山の観衆の笑顔が素晴らしい。ラスト二人の写真の中の笑顔を見つめて何を思うか?の女の表情やらこの映画は人間の感情表現が痛い程に伝わってきて、こういう映画を見ると昔も今もフランス映画は本当に人間の感情というものの描き方が上手いなて関心させられる。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-06-21 22:00:17) (良:1票) |
11.地味で意外性の無いストーリーかもしれないけど、鑑賞後は上質のいい映画を見たとしみじみと思える作品でした。 この監督さんの作品を見るのは「パリ空港の人々」に次いで2本目。「パリ空港の人々」はある意味登場する全ての人が「ヨソ者」。本作はフランスでも独自の歴史、文化風習を持つブルターニュ地方の小さな島にやって来た一人のヨソ者が主人公となっています。両作品ともどこかすきま風を感じる独特の人間模様ですが、そんな中に人の心をしっかりと感じさせてくれる作品に仕上がっています。 荒々しい海と風の中に立つ灯台の姿が印象に残る。厳しい風土の中しっかり根を張って生きるこの土地の人間の強さを表しているようでもありますが、ポツンと寂しげでもある。許されざる恋をメインにしながらも、この2人が一緒の時間は意外に少ない。しかし、2人の恋やイヴォンとの友情など人と人を繋ぐ、主人公の男が修理したアコーディオンや時計といった小道具が作品の中で実に効果的に作用しています。 1963年の物語の中で、自転車(マベや神父さん)や船はよく登場したけど車はほとんど登場しなかった。これもこの土地の風土を表していたのでしょうか。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-17 11:38:52) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 海と陸の境に立ち闇に一条の光を投げかけるライトハウスには、自動化された現在でも独特の風情がある。 邦題には「恋」とあるが(「仕立て屋の恋」のサンドリーヌ・ボネール主演だからか?)、マベとアントワーヌのそれはこの映画の一部でしかない。 結果として彼らの情熱も無駄にはならないのだが、新旧の灯台守の交流や仕事ぶり、海上に屹立し荒波に洗われる灯台そのものに見応えがある。 土地柄から新入りのよそ者を冷遇する無骨なイヴォンの心を鷹揚なアントワーヌがほぐしていくのが心地よく、小柄なイヴォンのフィリップ・トレトンが演技を感じさせず、理由も意味もない疎外の愚かしさとそれより脱却する人間はいつ描かれてもいい。 出会ってすぐに惹かれあう男女の出会いは運命的といえるだろうがマベは夫との絆も忘れておらず、3人の思いがからんで生まれたカミーユの父は誰とはいえない。 イタリア人作曲家の音楽によりフランス映画にしては叙情性があり、「パリ空港の人々」の監督リオレの才気よりも誠意が感じられる作品。 ジュマン灯台に住みつく猫バンコが心をなごませ、祭りの日に灯台から放たれる花火が詩的な空間を生みだす。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-26 00:00:07) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 観終わった後、何度も思い返す度にじわじわと心に響いてくる作品ですね。荒れた海に聳え立つ灯台の姿、いろいろな意味で荒涼としたブルターニュの風景、いろいろな愛情の姿、アルジェリア戦争の傷跡・・・・いろいろな要素がさりげなくストーリーの中に置かれていて、それらがうまく混じりあって素晴らしい作品に仕上がっています。 ブルターニュ地方にケルト文化が息づいていることとか、灯台守の仕事の様子などいろいろ知ることができたのも良かったです。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-05 21:24:01) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 癒されたい願望が強いのでこの作品を観ましたが、いかせん島に住む人間たちの人間関係が、悪玉コレステロールいっぱいの中年オヤジのようにドロドロでしたので、「灯台守の恋」じゃなくて「ドロドロの恋」というタイトルにしてほしかった。陰湿ないじめは私は苦手です。よそ者が仲間はずれにされる。すなわち村八分です。閉鎖された村社会は陰湿そのもの。いじめに参加しないと自分までいじめられてしまう。ここは小学校か!たとえ景色が美しくてもこういうドロドロした人間関係が好きになれなかった。イヴォンは良い奴でしょう。だけど私は最初に彼が仕事を教えなかったことに嫌悪感を覚えた。それは自分自身がそういう目にあってきたから。こればかりはどうしようもない。映画なんて1人1人の生まれ育った環境が違うのだから、客観的に評価などできない。私に不快感を与えたのは監督のせいじゃない。私の過去のせいです。しかし私はそれを点数に反映させます。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 1点(2009-08-24 22:18:49) |
★7.なんとなく観始めて、なんとくなく盛り上がって、最後はしょぼくおちた感のある内容。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-07-01 22:13:42) |
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6.胸に、とても切ない余韻を残す珠玉のラブストーリー。ああ、映画を観たあとっていうのはこういうものだよなあ、と感じながら席を立ったのを覚えている。残念ながらここ1年以上はこんな映画にはめぐりあえていない。希少な作品だと思う。 【SAEKO】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-03-17 23:18:38) |
5.こういうのは最近ではなかなか味わえません。イヴォンの苦しくやるせない気持ちよくわかる。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-05 16:18:05) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 久しぶりにラストシーンで涙が・・。夫のイヴォンは私的に記憶に残る夫10傑の中に堂々入賞しました。最初は狭量で無骨な男の印象だったもんで若く誠実そうなイケメンに妻が惹かれていくのは当然の成り行きと見えてたんですけどね。 イヴォン役の俳優もナイスだったし、ほんといい映画見せてもらいました。 【木村家の娘】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-03-13 23:08:33) |
3.ずっと登場人物の正確な人間関係がわからなかったのですが、最後になってやっと判りました。(でも、ちょっと不安)優しい人は他人の悲しみも良く判るから、より大きく傷つくのですね。イヴォンの苦しみからくる行為が泣けて泣けて仕方ありませんでした。 【さら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-16 14:06:56) |
2.灯台守の仕事に就くためにやってきた主人公が、そこで体験する仕事や多くの人との出会い。最果ての地ブルターニュの美しい景観を背景に物語はゆっくりと進んでいく。この映画の良いところは人物描写が凄くしっかりしていること。主人公をはじめ登場する人物ひとりひとりの心情を豊かに描き出していて、みんなが深く関わりあいながら生きているんだなということがありありと伝わってくる。また、動物や小道具の使い方も巧い。特に子猫はいい動きをしてましたね。子猫が登場する場面ではたびたび笑いが起こっていました。こういった細かなセンスが映画にリアリティをもたらすんだと思う。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-09-30 22:26:48) |
1.地味ではあるものの、映画的な魅力に溢れる愛すべき作品です。切ないストーリーもさることながら、灯台を望む海の風景や嵐の場面の迫力など秀逸で、上り坂の向こうに見える灯台の景色は小学生時代を灯台のある街で過ごした私にとって、特別思いいれのある場面でした。小物(アコーディオン、猫など)の使い方などのうまさには思わず「うまいなあ」と感心。大人の恋愛の話であるが、こういう作品を若い人にもどんどん見てもらいたいと感じました。 【くらけん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-05-07 09:25:53) (良:2票) |