2.《ネタバレ》 前世紀末のフランス映画界の混迷具合を皮肉っているようでもあり、しかし映画自体がそこに同じようにはまり込んでしまっているようでもあり、という感じでした。ハリウッドを馬鹿にしながら気ままに自由に生きているようで、きっちり保護政策で守られているフランス映画人の姿は滑稽で、そこに紛れ込んでしまったマギー・チャンの戸惑いの視点は、そのまま奇異なフランス映画界を見る外側からの視点を表しているようで。しかし、キッチリと途中から物語を失い、迷走する進行はフランス映画の悪しきフォーマットをなぞり、これもまたヌーベルヴァーグの呪縛の中で足掻くばかりの映画なのかな?という感じがしたのでした。この映画のパンフレット(1000円って高っ!)を引っ張りだしてみましたが、「オシャレ映画ですよ」みたいな作りで、それはそれでまたかなり違うんでないの?というのが混迷具合を更に彩っておりますね。