1.《ネタバレ》 このタイトルと設定から、まさか山本監督がこんなドタバタコメディを?と思いながら見始めたのですが、とんでもない。ふんわりしたコメディの中に、バリバリの市民闘争を盛り込んでいます。町長や議員連中の描写は、ほとんどおちょくっている領域ですし、人の良さそうな駐在さんも、当たり前のように思想信条調査を行ってきます。そんな中でも、何か奇跡が起こったり、突出した方法を思いついたりして物事が解決するのではなく、分岐点はたった1つ、公の場で口を開いてものを言う勇気を持てるかどうかである、というメッセージも最後にきちんと具現化されています。また、市民と為政者の対立構造という単純な構成と見せかけていながら、意外に多種多様な人物が手際よく整理されています。その中でも、野添ひとみの女先生も魅力的ですが、芸者役の桂木洋子がさらにいいアクセントを与えています。