29.《ネタバレ》 映像は綺麗だし、スタイリッシュではあるが、それだけに感じてしまった。僕にはダメ。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 4点(2019-02-03 19:35:16) |
28.《ネタバレ》 ウォン・カーウァイの出世作らしく、今後のスタイルが確定したもののそれほど尖がっていない分、懐かしさと受け入れやすさがあった。緑色を基調にした、暑苦しさと湿気に満ちた'60年代の香港で描かれる孤独と喪失、象徴的に挿入される時間の存在、それぞれが満たされない想い、どことなく分かる気がする。身勝手で破滅的な自由人・ヨディの行く末がレスリー・チャンの人生と重なる。当時、彼に代わる男が果たしていたかどうか。後の『ブエノスアイレス』の危うさに近いものを感じた。監督特有の行き当たりばったりなストーリーは、上手くいかない人生を思わせるようで、今回に限っては良い方向に向かっていた気がする。実母との再会が果たされていれば、ヨディの人生も恋も別の結末があったかもしれない。脚のない鳥の話が映画に深い余韻を残す。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-01-02 01:48:35) |
27.レスリー・チャンが危うく、罪深い。 この俳優が自ら命を絶ってから10年が過ぎ、初めて観たこの映画で彼が演じた“ヨディ”という男と、彼自身に対して、まったく同じようにそう思う。 ウォン・カーウァイ×レスリー・チャンの組み合わせ思い出されるのは、やはり「ブエノスアイレス」か。 10年前に、俳優の訃報に触れ、初めて鑑賞に至ったことを覚えている。 当時、僕はまだまだ若輩者で、同性愛に対して軟弱な拒否感を持っていた頃に観たのだが、そんな拒否感など一蹴する色濃さに圧倒された。 久しぶりに、ウォン・カーウァイの映画世界に息づくレスリー・チャン、アンディ・ラウ、そして一寸だがトニー・レオンの姿を見て、胸が熱くなった。 そこには、性別の価値観を超えた憧れとときめきが満ち溢れている。60年代の香港の鬱蒼とした熱気と湿り気が、そういった感情を更に濃くしていく。 場当たり的なストーリー展開は、そのまま登場人物たちの錯綜する人生を表しているように見えた。 いつになく散文的でまとまらない。この思考がままならない感じも、この映画を観た後では相応しいとすら思える。 ラストふいに登場し、謎のシーンを残すトニー・レオン。彼が主演予定だったという幻の続編も観てみたかったな。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-28 01:57:25) |
26.最後の質問が長すぎ。あそこをもっと簡潔にしてくれたらとてもかっこいいのに。ただ覚えていたってだけでいいじゃん。フィリピンは怖そうだから行きたくなくなった。 |
25.《ネタバレ》 「脚のない鳥」ヨディは、実母との邂逅という果たされない願いを満たそうとするかのように、次々と女性と関係をもつが、心から彼女たちを愛することはできず、いつも孤独の殻に閉じ籠もっている。そんなヨディに想いを寄せる踊り子のミミとサッカースタジアムの売店で働くスー。そして、そんな彼女たちを見守るヨディの弟分サブと警官タイド。一方通行の恋、満たされない想い、過ぎ去る時間。誰もが心に抱えているであろう孤独や愛の喪失を、湿気に満ちた60年代の香港を舞台にフィルムに刻み付けた、ウォン・カーウァイ監督の出世作。香港映画のイメージを一新させた功績は大きく、レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンといった俳優たちの転機ともなった。ラストのトニー・レオンは、「第二部へ続く…」という意味だったらしいが、結局続編が作られることはなく、あそこだけ意味不明になってしまったのが惜しい。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-21 20:12:50) |
24.《ネタバレ》 人影無いサッカー場の売店で、来るはずのない客を怠惰に待つ女スー。そこは言わば世界の喧騒から隔絶されたシェルターだ。時を刻む秒針の音にただ埋もれるばかりの彼女は、まるで人類が死に絶えた核戦争のただ一人の生き残りのように、平和で退屈でそして孤独である。そんな彼女に、ある日思いがけず近づいてくる靴音。力強いその音は、永遠に思えた彼女のまどろみを打ち破り、女にその顔を上げさせる。孤独な人間にとって他者との出会いとは、規則正しい心音に護られた胎児が光射す世界に産み落とされる、その一瞬でもあるのかもしれない。ウォン・カーウァイが描くこの冒頭は、その後も彼が数々の映画で憑かれたように変奏していくこととなる、人と人との邂逅、まさにその雛形であると言える。腕時計の秒針が1周する1分間を身じろぎもせず見守るスーと、運命の男ヨディ。魂と魂がことりと音を立て奇跡のように共鳴しあうその60秒は、けれど過ぎた瞬間もはや取り戻せぬ過去となり、止まることなく先へと進む秒針が、1秒ごとに刻々とその過去をさらに彼方に遠ざけていく。とまどい怪訝なまま顔を寄せあった一瞬。ただ静かに目の前を通り過ぎていった一瞬。それでもゆっくりと遠のいていくにつれ、かけがえのない幸福の意味を強めていく、その一瞬。ヨディとの忘れえぬこの1分間に囚われるスーが、夜道をならんで歩く心やさしい警官タイドとの時間もまた取り戻せぬ幸福な一瞬であることに、気づくことはない。決してつなぎ止めることのできぬ一瞬を、それでも人はつなぎ止めたいと切に願う。そして永遠を夢みる。おそらくそれは、等しくヨディを追い求め、彼の弟分サブの恋心に応えられず涙するミミもまた同じだろう。幸福な一瞬は彼方に過ぎ去り、手の届かぬ懐かしいその光に、人はただやるせなく胸を痛めるばかりだ。この世界に永遠などないのだと、ウォン・カーウァイは断言する。どれほどに希求しようと、人がこの手に出来るのは、過ぎたそばから過去となっていくかけがえのない一瞬一瞬、その積み重ねに過ぎないのだと。そしてそれでも、と映画は語る。1960年4月16日、3時1分前、自分がどこにいたか、そしてだれと何をしていたか。決して忘れず胸に刻んだその一瞬こそが、私たちにとって、かけがえのない永遠となりうるのだと。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-05-30 14:57:30) |
23.《ネタバレ》 渋い。全体のタッチが好き。どちらかといえば訳のわからない映画の多い(と思う)ウォンカーウァイ作品の中では一番分かりやすかったし、一番好きかも。ラストのトニーレオンは何を意味するのか、これも明確には分からない(笑)が、渋い…。できれば、ラストのトニーのような、おじさま(?)になれることを願っている。カリーナは色っぽく、マギーチャンは、かわいい綺麗。レスリーチャンは、男たちの挽歌とはまったく違った一面を見せてくれている。アンディラウも派手さのない役どころだが、いい味、出してる。 |
22.《ネタバレ》 台詞も場面のつながりもすごく不明確であやふやだし、各キャラクターも決して確立されているとはいえないのに、見終わったときには全体の世界が頭に残っているという不思議な作品。各登場人物は、何か大きな展開が待ち受けていそうに見えて、結局はほとんど何も起こらずに元の世界に戻っていく。実はものすごくリアルな作品ではないかと思う。マギー・チャンが途中から出番がないのと、カリーナ・ラウがやたらきんきんうるさいのが難点。 【Olias】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-25 00:24:58) |
★21.関口宏バリの姿勢で一気に女を口説き落とすレスリー、もうかっこよすぎです! ウォン・カーウァイ作品の中でも『恋する惑星』に次いで大好きな作品ですね。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-15 12:05:48) |
20.ジメっとした感じの画作りがストーリーにマッチした雰囲気を作っていて素晴らしかったです。 【アンダルシア】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-11-16 07:32:40) |
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19.私の1番好きな映画と言ってもいい「欲望の翼」がデジタルリマスターで蘇り、遂に念願の劇場で鑑賞するという事が叶い感無量であった。 今は亡きレスリー・チャンをスクリーンで観る機会なんてこれが最後かもわからないし、ほんとに観れて良かった。 映像的にはそんなに綺麗になっているとは感じなかったが、特筆すべきは"音"であった。 とにかく音の臨場感が凄い。 ザッザッザッザッ‥コツコツコツコツ(レスリー・チャンが廊下を歩く音) ガチャカチャカチャコンッ(コーラの瓶をカウンターに置く音) チクタクチクタクチクタク(時計の音) ザーザーザーバシャバシャバシャ(雨の中車を走らせる音) キーコキーコキーコ(壊れそうなワイパーの音) という具合だ(文字で書くと訳がわからないけど) そして、ザビア・クガートのゆったりした音楽に癒される。 前作「いますぐ抱きしめたい」で大袈裟すぎる演技とアクションで暴れまくったアンディ・ラウとジャッキー・チュンが別人みたいな落ち着いた演技なのも良いね。 あとはひたすらレスリー・チャンのカリスマ性溢れる魅力に悶えるのみ。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-11-01 09:20:56) |
18.ストーリーは好きです。でもね、女に本気で惚れることのない影のある破滅的な男=レスリー・チャンというのがどーにもこーにもイメージじゃないんですなあ。それと、あのジメジメとした雰囲気がイヤでした。どこといわれれば、実母の家をあとにするレスリーの後姿ですね。あのシーンはよかったぁ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-17 20:30:36) |
17.うーん、いわゆる“青春映画”なタッチだと思うんですけど、誰ひとり幸せだと思えず、かといって絶望的なほど悲劇でもない(死んでもすべてが“絶望的な悲劇”というわけではないし)。なんか受け入れづらいんですよね。極端にも極端なことを言えば、冒頭の「1分の友人」、この口説き方が粋と感じるか否か。私は否なのでこの点止まり、となんとなくですが思っております。 【まつもとしんや】さん 4点(2004-11-29 00:18:51) |
16.《ネタバレ》 何と切なく、そしてどこか悲しさを漂わせる作品なのだろう。 私は心の底で、ヨディの生き方に憧れみたいな想いを感じた。何にも縛られず、すごく自由な感じがして・・・。 でも、彼はどこか寂しそう。何かを求めている気がした。凄く温かい何かを。 劇中でのヨディの言葉は、突き刺さるものが多々あった。中でも、強く印象に残っている言葉がこれだった。 「脚のない鳥がいるそうだ。ただ飛び続けて、疲れたら風に乗って眠る。地上に降りるのは、死ぬ時だけだ・・・」 この言葉を聞いた時、ふと、あの時の事を思い出してしまった。 彼は本当に突然に、地上に降りてしまった・・。ずっとずっと飛びつづけて、そして悩みつづけて・・。 改めて、彼の偉大さ・素晴らしさを知った作品でした。 【まるこ】さん 7点(2004-08-14 19:06:17) |
15.当時、豪華俳優が出ていると言うだけで映画館まで観に行ったのですが、今でも、王家衛の最高傑作だと思っています。もちろん俳優の魅力も最高ですが、あの重く緑がかった映像と、亜熱帯湿度、ザビアクガード、最高です。全体的に流れる様なドラマ感が大好きです。でもかなり好き嫌いがハッキリしてしまいそうで、とりあえず、友人にはほとんど薦めていません。 【rexrex】さん 10点(2004-06-12 12:04:52) |
【マー君】さん 2点(2004-06-10 20:53:43) |
13.《ネタバレ》 飛び続ける鳥というと私は宮沢賢治の「よだかの星」を思い出す。何かを求めて移ろう姿には孤独と一抹の不安、悲壮感が漂う。「よだか」はきれいな星になりたかった。飛び続ける脚のない鳥の求めていたものはなんだろう。「愛?」「死?」満たされない心が欲しがっていたものはなんだろう。得体のしれない焦燥感で行動を駆立てられ、寂しさを愛で満たすしかない青春もあるだろう。この映画は言葉では表現しきれない、その常に満たされることのない心の疼き、それゆえに何が欠けているのか理由もわからず苦しまなければならない「感情」というものを映像で表現している作品だと思う。ヨディは自由奔放だが魅力的だ。複雑な環境を生きた人間の眼が、独特の哀しい翳りの震えと優しさを持つ事を知る。望まれこの世に生を受けた記憶のない不確かさからか、音信不通の実母へ拘り、自分を愛する養母を苦しめる。そんなヨディに恋した女2人と、その2人の女に恋した男2人。心ここにあらず、離れゆくものを追う気持ちがあり、だからこそ惹かれゆく男女の一方通行の想いが、交わされない視線、微妙な距離感の会話の中、香港の街に交錯する。「MY SHAWL」が胸を締め付ける。ヨディは母に会うことを拒まれ、運命は彼を破滅の道へと誘い出す。フィリピンの列車の座席にもたれ逝ったヨディの朝日を浴びて輝く瞳は空を見つめていたのか。ヨディはまだ飛んでいなかったのかもしれない。たった今空に向かって飛び立ったようにみえた。この映画が王家衛の精神世界だとすると、彼はヨディに生まれ変わって飛び立って欲しかったという願い・結末を用意したのかもしれない。王家衛の映画にはいつも満たされない想いが波打っているけど、濃密な人との触合いの時間や旅などの移動から、微かな希望を最後に灯す。それは魂を包みこむような優しさと光の余韻を画面にうむのだ。誰もが孤独だし、恋をして辛い思いをして傷ついてもいる、だからおもいっきり涙を流してもいいんだよってこの映画はそっと囁いている。死ぬ前にヨディはスーとの1分間を「永遠に覚えている(直訳)」と言った。人には大切に心に刻みたい瞬間がある。時間は永久に過ぎ去ってゆくものだから。1960年香港に王家衛は特別な思い入れがあったのかもしれない。香港の青春スターたちの生の瞬間そのままを滲ませた映像は本物の人間ドラマをみせ、映画として美しく永遠に記憶されたかのようだ。 【ひいらぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-06-01 00:19:40) (良:1票) |
12.内容は正直よくわからない。僕が映画を観始めて最初の頃に観た映画だから、理解できていなかったという事もある。しかし、「この映画は理解しようと頑張る映画ではないような気がする。」という詭弁で終わってしまうのももったいない作品である。あえて言えば、「一瞬一瞬の主役であるレスリーチャンの心の動きを丹念に追いかけ、その煌きの満喫していけば、その空気となる質量を持たない思考の沈積が、この映画を創り上げている。」といった風に感じられたと言えるのですが、これも一つの詭弁でしかない。評価の難しい作品。 【fero】さん 7点(2004-01-17 20:37:50) |
11.何度も観るほど好きな映画で、誰よりもこの映画の良さが判っていると思っていました。しかし実際にコメントを書こうとすると語るべき言葉を持ち合わせていないことに気づいて気持ちが沈んでしまいました。音楽が素晴らしいのは間違いないですが、音楽だけの映画と割り切れるものではありません。皮肉なことに、粗を探すといっぱい出てきます。レスリー・チャンが演じる主人公は身勝手で行動が突飛なため感情移入ができないし、足のない鳥の話だって生活力のないダメ男の妄想みたいで安っぽく見えるし。ウォン・カーウァイの出世作で「どうだ、俺のセンスはすごいだろ」という独り善がりの作風に思えます。でもセンスが本当にすごいので満点。 |
10.レスリー・チャンの映画を初めて観ました。映画自体はつまらなかったけど、レスリーはすごく演技が上手かった。けど顔がそんなにカッコよくないからプレイポーイのヨディ役に無理がある気がしました(笑)。あと・・・彼が亡くなったというのはすごく悲しいですね。ご冥福祈ります。 【ピルグリム】さん 5点(2003-09-27 18:39:10) |