1.《ネタバレ》 アマゾン・プライムビデオで公開されている5分弱のショートムービーである。主に異星生物のCGと皮肉なストーリーが注目されていたらしい。
異星生物には大中小の3種類がいたようで、大は家畜か何か、中が普通の人、小は別種族か子どもかも知れない。世評でキモカワイイとか言われていたのはこの小のことであり、その他は「キモ」だけである(「第9地区」(2009)を思わせる)。
【以下は個人的解釈】
劇中惑星は地球人が普通に歩ける重力で、普通に呼吸できて適温という非常に都合のいい場所であり、こんな所まで普通に行っているからには相応の未来と思われる。言葉が英語で、武器は地球の20世紀に開発されたものだったようなので、地球人に見える生物は実際に地球人だったと思っておく(スターウォーズのような設定でなく)。
出ていた地球人2人は会社員のようで、相手に合わせて旧式の武器も売るといえば武器商人かも知れないが、業務として戦闘もするなら民間軍事会社のようでもあり、あるいは惑星の支配を企んでいるなら不動産開発業者かも知れない。グローバル企業というよりユニバーサル企業ということだ。
地球人も問題なく暮らせる場所だとすれば、会社としては人が住む前提での利用方法を考えていたかも知れない(知的産業の開発拠点とか、惑星まるごと富裕層の別荘地とか)。しかし問題なのは変な害虫が蔓延していたことで、これをどうやって駆除するかを考えたのが「会社の方針」ということになる。
地球と事情が違うのは害虫に知能があったことで、これに安価で使い勝手のいい武器を与えて害虫同士で駆除し合いさせれば、殺虫剤とか核兵器などで惑星環境を損なうことなく目的が達成できることになり、それで成功するなら会社にとっては良いビジネスである。なお劇中の社員が死んだとすれば会社にとってはコストだが、プロジェクト全体では恐らく微々たる損失である。
ちなみにこれを見て思い出したのは、第一次世界大戦時に地中海へ派遣された日本艦隊にイギリスから駆逐艦2隻が貸与されたが(「橄欖」と「栴檀」…読めない)、これはゴキブリが大繁殖してどうしようもなくなっていたのを日本海軍に押し付けたという説があったことである。ゴキブリに知能があれば老獪なイギリス人が分断工作をして自滅させただろうが、そうでなかったので真面目な日本人が駆除させられたということだ。