6.《ネタバレ》 べルトリッチにも、キューブリックの「現金に体を張れ」のような面白く仕上げた若き日の作品があるんだね。作家性が現れる前のキッチリした仕事というか。なるほど確かに「羅生門」を思い出すような、タランティーノが一世風靡した頃の作品のような、同じ場面を違う視点から描くという演出方法。でも何か彼の映像には、詩人であるだけに、どこか品があるね。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-03 21:29:38) |
5.川原の遺体から始まる物語、登場する容疑者達が揃って何だか情けない。しかし、最後まで飽きさせない作りになっていて結構惹き込まれ楽しめました。忘れられない名シーンがあります。罵り合いから包丁を取り出した母にすかさず傍にあったアイロンで身構えた娘。猛女のド迫力はイタリア映画ならではか。周りのオバサン達が割って入って事なきを得てホッとするやらガッカリするやら。 |
4.《ネタバレ》 陰影の強いモノクロームの映像が独特。結構顔のアップが多かったり、そこから引いてトンネルの中に入るカメラなどなかなかですね。複数の人物像を描きつつ犯人に至る構成は、昨今の映画構成にも通じる元ネタ的ものを感じます。そして、しっかりイタリア映画してる雰囲気は十分に味わえマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-29 07:13:23) |
3.ベルナルド・ベルトルッチ監督の監督デビュー作品とのこと!なるほどね。確かにこれは黒澤明監督の「羅生門」を意識した撮り方、作品全体に漂うギラギラした感じ、夏の暑苦しさを感じる映像美、森のシーンなんて正しく「羅生門」のようである。世界中の監督で最も影響を受けている日本人監督は間違いなく黒澤明監督であることは他の多くの外国人監督の作品を観れば解る。アメリカ人監督は断然「七人の侍」、そして、ヨーロッパ人監督の場合だと「羅生門」てことになるのであろうか?この映画の監督ベルナルド・ベルトルッチはイタリア人なので、やはり「羅生門」の影響を最も受けているのは解るし、いかにもイタリア人監督という感じが漂う。他にもこの映画、音楽の使い方など他の監督さん、あのギターの音色を思わせる音楽はどことなくフランス映画の名作「禁じられた遊び」を思わせる。話としては解りずらいし、結局、犯人は誰なのか?ということにおいてもイマイチ解らなかったりと不満も多いけど、色んな映画の影響を強く受けていることだけは解るし、間違いない。そういう意味で興味深い作品! 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-14 20:10:54) |
★2.これはイタリア映画ならではの魅力が散見される逸品。 『羅生門』さながらに、あらゆる登場人物の異なる視点から、一つの事件を描き出していく技法は、なかなか面白い。 パゾリーニの原案・脚本ということで、パゾリーニ風味もどこかに感じられる。
パゾリーニの初期作品によく出てきた“ゴロつき”がゴロゴロと沢山登場。 彼らを巻き込む事件。 そこに絡む娼婦や少年。 これらの様子が、時間軸を交錯させながら、サスペンス仕立てに観る者を楽しませてくれる。
一見すると分かりにくい作品ではある。 しかし、何度も観たくなるような、クセになる雰囲気を醸し出している作品だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-29 15:39:07) |
1.《ネタバレ》 原作はパゾリーニで、たしかにチンピラやごろつき、兵士たちなど社会の底辺の鬱屈が次々と描かれていくあたりに、その気配がある。でも空間の捉えかたに、アントニオーニを一番感じた。広場や造成中の土地のガラーンとしているウツロな広がりの感覚。映っているものよりも、それが抱えている空虚のほうが印象に残る風景。いやいや、これはアントニオーニの影響というより、ベルトルッチの個性かもしれないぞ。後年、紫禁城にあれだけ人を詰めても、広場のウツロさが際立っていたもの。間違いなく彼の個性なのは、ダンス好き。女二人のダンスシーンがもうあり、ラストもダンス会場での逮捕となる。共同脚本のうち、ダンスのある部分は監督本人だろうと勝手に推測する。 【なんのかんの】さん [地上波(字幕)] 6点(2008-03-02 12:20:53) |