32.《ネタバレ》 このような異様な凄みのある作品はなかなか無いと思います。
神がかり的な映画だと思います。
物凄い異様さと迫力で迫ってきます。ヤバいです。
それから宗教的で瞑想的で、荘厳で神秘的な感じがします。
いろいろな教えと芸術があります。
しかし、とてもおぞましい人間の残酷な歴史や、人間という生き物の醜さを、縮図のような形で見たような気がしました。
それは日常的に隠れているものや隠されているものだと思います。
そういったものを見るとちょっと心が滅入ったりしますが、
血が騒いだり、なぜか心が落ち着いたりもします。
前半の寓意のようなところがとても面白くて好きです。
「音」がとてもヤバいです。
腐敗臭がしそうです。笛の音色はとても神秘的で美しいです。
聖書を読んでから見たらもっと面白いのでしょうけれど、自分にはそんな知識はありません。字を読むのは苦手です(長文コンプレックスはたぶんその為です)。
磔刑になるかのようなあの木の橋の上の場面では、ちょっと怖いです。
足元が凄く怖いですよ。命がけですよね?
大佐の最後が少しだけ可哀想でしたね。
この作品には「死」というものが色濃くあります。
そういうところがとてもいいです。
においが伝わってくるかのようです。
後半は、
姿の醜さと心の醜さを比較しているみたいです。
そして幸せとはなんなのでしょう?
何が救いなのでしょう?
村の地獄風景は、パゾリーニ監督の「ソドムの市」と比較した場合、どちらが上でしょう?
どちらも本物の地獄に近い光景だと思ったので比較してみました。
銃撃アクション場面で、なぜか「逆ゾンビ映画」という謎の単語が浮かびました。
ひそかにRPGゲーム化を望んでいます。
しかしこの作品を超えるカルト映画には、未だに出会えていないと思います。
カルト映画というか、この映画がカルト教みたいです。
久々に見たら震えてしまいました。
(※このような映画のためにも、“カルト”といったジャンルが必要だと提案したいです!)