9.ガソリンスタンドの女がやたらと魅力的だったことくらいしか覚えていない。主人公の抱える喪失感が死に至る程のものだとは思えなかった。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-03-14 02:50:15) |
8.初期の作品のためか、アントニオーニの作品にしては、「構成」がある。まるで、ニューシネマかヌーベルバーグのようだ。それは冗談としても、案外、感情移入しました。イルマが「パラダイン夫人」(アリダ・ヴァリ)だったのも良かったです(この女優好きです)。ただ、日本語タイトルを「さすらい」としたのは、決して悪くはないのだけど、直訳の「叫び」のほうが、よほど映画にあっていると思う。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-22 20:15:57) |
7.《ネタバレ》 エキストラのわざとらしい動きなどが映画としての古さを感じさせるが、 主人公がどの村に行ってもひたすら続く、田舎の寂れた風景は良い。 ただ、かわいい娘よりも失恋のつらさが勝っていたので、親としてどうかと思った。 【アレヒ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-18 17:32:43) |
★6.《ネタバレ》 1957年の作品で、しかも特別メジャーな作品というわけでもないので、画像の状態は良いとは言えなかった。
でも最近は1950年代~60年代のモノクロ作品を見慣れてきたせいか、大して苦にならなかった。 むしろ、アントニオーニ地獄にぐいぐいと引き込まれてしまった。
スティーヴ・コクラン演じる主人公の男はかなり横暴なキャラで、(内縁の)妻に暴力ばかり振るっている。 とてもじゃないが、共感できるような主人公ではない。
しかしただ単に乱暴な亭主かと言えばそうでもない。 一人娘をかわいがったり、妻に捨てられ弱いところを見せたりするのだ。 主人公の見せるこの「ギャップ」がとてもよかった。
妻に捨てられ、小さい娘を連れて「さすらい」の旅に出る辺りから、“ロードムービー”的な色を帯びてくる。
旅先で仕事を見つけるのだが、娘のことを考えて仕事をするのをやめてしまう。 なんて娘想いの父親なんだ・・・と思いきや、今度は唐突に娘を母親の元へ送ってしまったりと相変わらずハチャメチャな主人公。
そして最後は悲劇的な結末を迎えてしまう。 結局、最後まで優しい人なんだか何なんだか分からないキャラで、最後まで主人公に対して共感することができなかった。
しかし、何故だか主人公に対して愛着を感じた。 時折見せる「弱さ」みたいなものが、日頃横暴なキャラだけに際立ち、そこから人間味を感じ取ることができたからではなかろうか。
なんか最後まで救いようのない話で終始するんだけど、単純なハッピーエンドではないだけに、かえって心に残る一本となったようだ。 【にじばぶ】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-09-01 20:25:44) |
5.寂寥感溢れる風景の空気がリアルで、普段自分が見る夢に似た部分が多い。茫漠とした世界観に心地よさと苦みを同時に痛感する。 【丹羽飄逸】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-01-02 01:30:13) |
4.《ネタバレ》 男が一つの場所に定住する理由って、きっと女ぐらいしかないんよな。けど男と女の感情って理屈じゃつながっていられない。7年間共に過ごして娘までいても、相手が冷めてしまえば、もう定住はできない。新たな定住地(女)を探しながらさすらうしかない。それでも見つからず、さすらい続けることに疲れてしまったら・・・。女の代わりに、かつての仕事という居場所を懐かしんで死んでいくぐらいしかない。人間本来の孤独や不条理を描き、人間の一生を感じさせる作品。けどやっぱり冗長すぎる。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-04-15 19:29:53) |
3.《ネタバレ》 ラストが衝撃的。内容はタイトル通り、女に突然別れを告げられた男が住んでいた町を出てさすらい続ける様子を描いた作品。白黒の画面も手伝って、風景はより一層感傷を誘う。中盤は少しダラダラしてしまったもののラストにかけて雰囲気は一変。一段、一段…階段を上っていく変わり果てた男の姿は、これから起こる紛れもない『死』を予感させる。このラストで作品全体がグッと引き締まる。一見の価値アリの作品。 【SAEKO】さん 8点(2004-01-03 22:03:20) |
2.娘がいなくなったのにあの緊張感の無さ、腹が立つ。主人公がかっこわるい。芝居がくさい。女をたたくシーンがわざとらしい。序章長すぎ、曲の単調さも良くない。昔はこんな映画でも許された事がすごい。 【かまるひ】さん 2点(2004-01-01 16:04:14) |
1.《ネタバレ》 僕がこの映画で思い出すのはガソリンスタンドの女性。主人公と一緒に住んでいた頃は酔っぱらいの父親を施設に預けようとしていたのに、立ち去った彼がしばらくして荷物を取りに戻ってきたときには、ちゃんと一緒に暮らしていたんです。彼自身は最後まで幸せになれなかったけど、きっと誰かの幸せの糧にはなっていたんだな、と僕は感じました。だからこそあのラストシーンには哀しさが漂っているんじゃないかと思うわけですが、ハッピーエンド慣れしたミーハーな僕にはちょっと難しい映画でした。 |