8.《ネタバレ》 これはよくできた映画。 小津さんをして、「比較的よくいった作品」と言わしめた本作は、 カラーでもう一度、2回目の映画をつくっている。 それが「浮草」である。(是非、近日中に観ねば!) 巡業する旅芸人一座親方に、子どもがいた。 今の彼の愛人が、その倅を、仲間の女に誘惑しろという場面。 怖い女ごころですね。 でも、それだけの話じゃないんだな、これが。 そこが嬉しいところ。 名作! 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2024-11-22 00:31:12) ★《新規》★ |
7.旅芸人の一座がとある町にやってきて、それがいかにも街道沿いの宿場町か何かみたいなことろ。風情があります。 で、その町には、一座の親方の元妻と元息子、いや息子に「元」は不要ですね。「元」をつけると何だか今では娘になってしまったみたいで、決してそうではありません。それはともかく、彼らの存在が嫉妬を呼んで、思わぬ展開となっていく。前半は(自分が実の父とは知らない)息子と一緒に釣りに行ったり、わりとホノボノしたシーンが続き、そこから後半は波乱の展開。余韻を残すラストまで、なかなか巧みな物語構成で、グイグイ引っ張っていきます。 クライマックスで、一座の娘が二階に上がり、息子と視線を交わす場面、その無言のやり取りの雄弁さ。まさにサイレントならでは。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-03-16 23:03:21) |
6.《ネタバレ》 小津監督によるサイレント映画の代表作!後にリメイクとして撮られた「浮草」よりもこっちのが良い。坂本武演じる喜八と坪内美子演じるおときの二人の関係、おときの優しさ、そして、そんなおときを一家に預けて再び当てのない旅へと向かう喜八。正に「男はつらいよ」の寅さんとリリーのようだ。坂本武の喜八の演技、おとき役の坪内美子にもう一人、八雲理恵子という女優さんの美しく魅力的な女性像、飯田蝶子の演技も良い味出してるし、あと、突貫小僧は相変わらずの大馬鹿ぶり、あの犬には笑った。笑った。他にも好きな場面として坂本武演じる喜八が息子と釣りを楽しんでるシーンを観て何だか同じ小津監督の「父ありき」を思い出す。小津監督らしいセリフよりも映像による力で見せる。サイレントだからこその味わいを見ることが出来るのもこの映画の魅力の一つ。これまた良いもの見せて貰った。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-16 21:19:49) |
★5.活弁トーキー版を鑑賞。 無音より活弁ありの方が集中力を要さずに済むという長所がある反面、サイレントならではの微妙なニュアンスや雰囲気がぶち壊されかねないという短所があるように思う。 無音の方が後味は良いが、活弁ありの気安さも捨てがたい。 いずれにしても、現代においてサイレント作品を観るということは、エネルギーを少なからず使わなければならないらしい。
さて、本作であるが、出来としてはまあまあ。 小津のサイレント作品の中では並なのではないだろうか。
しかし、本作でも八雲恵美子(理恵子)は綺麗だったなぁ・・・ おしとやかなのに艶っぽい。 真面目そうなのに、何故だか男を惑わす色気がある。 古風な女性の感じなのに、現代においても現代的であると感じることのできる外見。
あらゆる部分で多面性(両面性)を持った不思議な魅力と色気を持つ女優さんである。
【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-12-24 21:52:11) |
4.浮草→浮草物語の順で鑑賞。ストーリーは既に判っているので字幕の暗さが気になりながらもそれほど困らずに済みました。同じ話しでありながらも本作の方が漂う雰囲気がサッパリと爽やかで好きです。おときがこっそり帰ってきておたかに「どうだった」と聞かれ、乱れ髪を直すしぐさ、これだけで上手く伝わるんですよねえ。ラストの親子対面~別れもこちらの方が好きです。白黒であるがための夜の舞台でハラハラと舞う紙吹雪が生き、サイレントであるがため上諏訪一枚の字幕が映える。 【亜流派 十五郎】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-24 20:13:32) |
3.サイレント映画ということはわかっていたはずだが、全く音がないため映画に対する集中力を維持できなかった。字も読みづらく、細かいストーリーの展開がよくわからなかった。コメディならサイレントでも動きの面白さでついていけたのだろうが、シリアスなサイレント映画は僕には少し難しすぎる。 【HK】さん 6点(2004-11-08 23:47:03) |
2.この頃の旅芸人って、今で言うと全国ツアーを続けるインディーズ・バンドみたいな感じでしょうか(ちょっと強引だけど)?人気商売ではあるけれど、いわゆる「堅気」の商売ではない、という。多分この頃は現代のように「一億総中流化」でなく「上流階級」と「庶民」の差がはっきりしてたんでしょうね。さて、それはともかくこの作品で印象に残ったのは、それぞれの役者の「表情」でした。喜八役の坂本武や富坊(突貫小僧)の父親(名前が分からない・・・)の味のある演技は言うまでもありませんが、やはり注目は女優陣。喜八の愛人おたかを演じる八雲理恵子の、時に冷淡、時に妖艶な表情、おとき(喜八の息子を誘惑するが、後に本気で惚れてしまう)役の坪内美子の清純な表情も捨てがたいのですが、やはりワタクシは飯田蝶子を強く推したい!実は最初この人が喜八の「本妻」というのを知った時「ええ~っ!」と思ったのですが、おたかが彼女の家にやってきて「いつも親方がすいませんねえ」と言った時に、飯田蝶子がちょっと切ない表情を見せる一瞬のシーンが実にいい!ぶっちゃけた話、八雲理恵子は断然美人だし、飯田蝶子は菅井きんをちょっと若くしたような感じだけど、逆にそのせいでこのシーンの飯田蝶子が、一瞬とても美しく感じられるのです。これぞ映画の醍醐味。ビデオが出たらこのシーンだけ何度も巻き戻して観てみたい。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-01-17 16:25:54) (良:2票) |
1.八雲理恵子がすっごいきれい。髪をほどいたところなんかとても艶っぽくていい。歌のシーンとかでかなり声聞きたいなぁと思った。あと突貫小僧のシーンがいい感じです。特に犬のがかわいいっ。 【バカ王子】さん 9点(2004-01-15 01:54:39) |