1.なるほどね。地方の若者の閉塞感ややり切れなさが描かれてる作品だと思います。ただ、標準語を喋る山本太郎はかなり苦しそう。それにしても、何でこんなタイトル付けたんでしょうね?まさか山本太郎と小木茂光が「ジムとジュール」ってこと(笑)?他の井筒作品と比べるとかなり異色(無理してエレポップやってた頃のU2みたい、と言えば、分かる人には分かるかな)。井筒ファンからすると、フランス映画やジャームッシュ作品を意識した作品作りの中に、やっぱり滲み出てしまう井筒センスが、何か可笑しい。スタッフを観てみると助監督の木田紀生という人が共同脚本なので、ひょっとしたら若手の作品を井筒監督が助力して完成させたのかも。思うに、「犬死にせしもの(86)」以降から「岸和田少年愚連隊(96)」を撮るまでの井筒監督は迷いと試行錯誤の時期だったんじゃないかな。「宇宙の法則(90)」もあまり「らしくない」作品だったし。「岸和田~」以降の井筒作品は「もうゲージュツとしての映画はええねん!ワシャ大衆娯楽映画を撮るんじゃい!」と覚悟を決めたような気がします。そういう踏ん切りをつけたきっかけが、ひょっとするとこの作品なんじゃないかな・・・と考えをめぐらせると、作品自体より「井筒作品史」の一本として、面白い作品だなあ、と思います。