1.まだ子供が幼い頃、どうしても観たくて、罪悪感を感じつつも実家に預けて映画館へ行った。
未だ見ぬ遠い国の文化に触れるのも映画の楽しみのひとつとはいえ、これはすんごく重く陰鬱な作品。
では、嫌いかと言われればそうでもなくて、激しく印象に残っている。
久しぶりに一人で歩く路の開放感と、この映画のこの国の閉塞感がひどく対照的だったせいか。
技術も演出も、あるいはお粗末と言えるかもしれないが、作り手の熱い体温が伝わる、そんな映画だ。
陰惨な因習に縛られる人々の息遣いと、トルコの美しい自然を堪能した。