1.イラン・イラク戦争時のクルド人の悲惨な体験を元にしたという、重い内容であるにもかかわらず、いい年をしたおっさんたちが黒板を背負って山道を歩いているところや、いきなり(というか、便宜上?)結婚した妻相手に「ほら、“私はあなたが好きです”、読んでごらん?読めないの?じゃ、0点、いやそれだと落第だから18点あげよう」とアプローチする男など、どこか愛嬌のあるユーモアも含んだ作品。しかし、(こういう言い方は差別的かもしれないけれど)二十歳そこそこの監督が(しかも有名監督の娘ってことはそれなりに「お嬢様」なのかもしれないのに)これだけハードな作品を撮ってしまうっていうのは純粋に本人の才能なのか、それとも環境のせいなのか。妹のハナ・マフマルバフも十四歳で監督デビューしたし、これからもマフマルバフファミリーからは目が離せませぬ。