★34.《ネタバレ》 これはすばらしい。□寅がみっともなくないのがいいんだ。□湯の山温泉の宿を去るとき、いないお志津さんに別れを告げたりなんかしちゃって、相当カッコ悪く、だいぶつらいはずなんだけど、ひょうひょうと歩く幹線道路のシーンがカッコいいんだ。□染奴の父・清太郎に切った仁義の美しさ。□旅先のシーンが多い本作を見て、寅さんの調子がおかしくなるのは葛飾柴又の疑似家族と過ごしているときであり、本当に寅さんは旅の空にこそいる人なんだと思いました。□前作の甘ったれたクズから一転。本作では、カッコ悪いけど、かっこいい。ワタシの好きな寅さんの原点は、この森崎東監督の寅さんだったのね。渥美清が楽しそうなんだよ。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2024-05-29 03:08:43) |
33.《ネタバレ》 フーテンとは、瘋癲と書いて…精神疾患の意味??とんでもない事を知ってしまった。 順番に観て3作目。監督は違いますが、さほど作品としての違和感や、キャラクターの破綻なんかは感じませんでした。きっとTVシリーズで既に車寅次郎というキャラクターが一人歩き出来ていたからでしょう。 一人歩きと言えば、本作は寅次郎の日常、日本中を旅する姿がメインとなっていて、お馴染みの柴又へは一度しか行ってません。そのため寅次郎のフーテン具合がよく伝わる作品となっていて、ある意味面白かったです。 家族写真のさくらを奥さんだって見栄を張る寅。博と喧嘩になって、あっさり負けて呆然としている寅。染子の父の気持ちを代弁し、その父に対しテキ屋として最大級の礼儀を示す寅。普段は馬鹿で子供だけど、テキ屋の世界に長く居るだけの人物であることを観せてくれてます。最後の桜島行の船での口上の実演なんか、定番だけどやっぱり聞き入ってしまう。 このシリーズをキッカケに、フーテンという言葉の本来の意味から、何ものにも縛られない、自由気ままな暮らしをする人物。みたいな意味が書き加えられたそうな。 マドンナとしてお志津が配されていますが、彼女との恋の駆け引きは今回殆どなく、お見合いから駒子夫婦の復縁に必要以上に大盤振る舞いさせたり、信夫と染子の駆け落ちを後押ししたり。自分の為でなく人の為に奔走する寅次郎が印象的でした。 でもそこはフーテン。無断でとらやのツケでご馳走用意したり、ハイヤー呼んだりと、どこかズレてるんだけど、さくらの「でもお兄ちゃん、別に悪い事した訳じゃないもんね」って一言と、大晦日に駒子夫婦も招いているおいちゃんに、ホッとさせられました。 『ゆく年くる年』がとらやのモノクロテレビから、お志津の家のカラーテレビへ。これだけでお志津が裕福で不自由のない暮らしに入ったことを表す手法はお見事。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-07 22:40:53) |
32.《ネタバレ》 山田洋次さん、つくづく基本的な価値観を含めて資本主義が嫌いな人なんだなって実感する作品。 前半部のドタバタ。 敢えて言おう、自分が良い気持ちになりたいためだけに、身内に出費を強いて、それを何とも思わないどころか、逆切れして暴れ、最後の最後まで謝罪しない寅。 少し下品な表現になるが、自分のケツは・・・と言いたくなる。 彼にとって、そして、こんな寅に少しでも言い分があるように描く脚本、 つくづく我々がごく当たり前に持っている価値観を共有してない人なんだなと思う。寅も脚本を書いている山田さんも 元香具師を引き取って面倒を見る医者という、少し考えたら全くリアリティが感じられない設定(どんだけ費用がかかるやらw) に基づいてほとんど自立不可能な父親を放置してかけおちする娘を肯定的に描くのも 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-04-15 21:31:08) |
31.あいも変わらず車寅次郎という男は、馬鹿で、愚かで、滑稽だ。 まったく自分自身とは関わりの無い映画の中の世界の他人であるにも関わらず、馬鹿さ加減には、時に苛立ち、若干の憎しみすら感じる。 でも、ぎりぎり、本当に紙一重の部分で、憎みきれず、愛おしい。 そのキャラクター性は、映画というマジックが生み出した一つの奇跡だとすら感じる。 シリーズ第三作目にして、監督が山田洋次から変更になっていることが影響しているのか、作品としてどこか勢いの無さみたいなものは感じる。 無論、分かりやすい派手やさや勢いがある類の娯楽作品ではないのだが、第一作、第二作には、ささやかで何気ない描写の中で、言葉では表しきれない演出や演者の大胆さや迷いの無さが、極上の娯楽を生み出していたように思える。 三重県が舞台ということもあり、全編に渡って随所に挟み込まれる工業地帯の背景や、行き交うトラック、公害による患いを想起させるキャラクター描写など、少々作品のテイストにそぐわない社会性が不協和音になっていたようにも感じた。 それはそれで、作品当時の社会性や風俗を映し出しているとも捉えられ、興味深いポイントではあったのだけれど、“寅さん”という娯楽に求められるものとはやや乖離していたように思う。 倍賞千恵子の登場シーンが極めて少ないことなど、この後何十年にも渡ってシリーズ化されることなど想像もしていないのだろう製作現場の空気感も伝わってくる。 とはいえ、車寅次郎というキャラクター造形と、彼が織りなす人生の機微は益々深まっていく。 プロローグとエピローグで共通して、寅次郎が存在しない自分の家族を朗々と語るさまは、なんとも切ない。 毎年正月(1月)に、「男はつらいよ」」を観ることを決めて早3年。 3年で3作目では、流石に50作もあるシリーズを負いきれないので、少しペースを上げて車寅次郎が越えていく時代を追いかけようと思う。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-21 23:43:09) |
30.《ネタバレ》 監督が違うけどいつもの安定した面白さ。 劇中のメイン舞台となる湯の川温泉はコロナ直前の1年半前に遊びに行った、 今の方が奇麗になってはいるがバス停回りの地形とか変わっていなかった。 50年前の作品にも関わらず同じ景色が残っているのは地続き感がある。 【Dry-man】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-09-07 02:47:33) |
29.《ネタバレ》 このシリーズの場合、お約束の恋愛沙汰以外にも突然名シーンをぶち込んでくることがあるのですが、この作品ではやはり、テキ屋の大先輩とのあのくだりでしょう。今から考えると、こんな決定的カードをこんな初期作品から切っていたのかと思いますが、当時はここまで長期シリーズとなるとは誰も思ってなかったのかもしれません。●新珠三千代が登場したときには、てっきりどこかで、寅が一席ぶっていた「酒の徳利を置いたら絶妙なタイミングで人肌温の次の徳利が出てくる」とかのアクションが出てくる(そして寅が「本当にそんなことあるのか?」と焦る)みたいなシーンがあるものと想像していたのですが。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-04-21 00:43:47) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 シリーズ3作目。今回、面白かったのは、寅さんが居座っている旅館においちゃんたち夫婦が旅行にくるところ。これは笑いました。おいちゃんの口癖「バカだね~」が最高です。そのほかのシーンはいまひとつ。寅さんが芸者の染奴と旅館の息子の恋を応援し、駆け落ちの手伝いをしますが、これはあまり面白くなかったです。マドンナも魅力不足だし。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-02-22 11:05:54) |
27.一作目に続いてこちらを鑑賞。U-NEXTでは全作見れないようで…。 正直、一作目と比べるとかなり落ちるかな。面白かったけど、あまり印象に残らないというか。前田吟は男前だったんだねぇ。 【はりねずみ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2020-02-11 20:08:08) |
26.《ネタバレ》 嫁や子供がいる設定でテレビのインタビュー受けてる寅さんが切ねぇ、、、 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-25 22:57:40) |
25.三作目にして、ちょっと雰囲気が違うような気もするが、まあこんなものか。 泣けるシーンはほとんど無く、コメディ調の映画になっているので軽い感じもする。 湯の山温泉がどこか分からなかったので調べたら三重県だった。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-01-24 23:20:32) |
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24.三作目にしてシリーズ全48本中、たった2本だけの非山田洋次監督作品。(続く4本目もそうとのこと。) 湯の山温泉がどこにあるのかの土地勘がないままぼぅっと観ていたが、故郷からもそう遠くない三重の山中であった。当時の関東人はよほど関西に対する憧れがつよかったのか、それとも京都の撮影所からの距離に依存するのか、その真相ははっきりしない。 冒頭に出てくる駒子役の春川ますみには昨年開催されていたATG映画祭での「田園に死す」でお見かけした。なんだか出てくるとすぐに気づいてしまう女優さんだ。河原崎建三についても同映画祭での「儀式」にて。最近の邦画鑑賞歴のお陰でATGの時代はずいぶんと最近な印象があったのであるが、気が付くとこの寅さんも70年台に突入している。改めてWoodstockはこれより1年前の話なのだと変な比較をしてみるとこれまた最近な気もしてくる。 冒頭部に登場する女優には即座に反応したもののオープニングクレジットでその名を見かけなかったような気がした。それもそのはずその人は当時悠木千帆と名乗っており、その事実とその後のいきさつを知らない人にとってはその周辺のお話が面白すぎる。この方登場の同じく70年台作品としては「はなれ瞽女おりん」でお見かけした次第。いやぁ、初々しい。 そしてマドンナの新珠三千代を差し置いて気になったのは香山美子とういう方。有馬稲子と柴咲コウを足して二で割ったような…という感覚は他の人にはとうてい分かってもらえそうにない(苦笑) 【kei】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-05-13 15:45:58) |
23.《ネタバレ》 監督が山田洋次でないということで、ちょっと心配したというか身構えたというか。だが、そんなことは杞憂だった。それより三本目のこの寅さんは、車寅次郎というキャラクタの魅力を決定づけたと評価されるべき名作だと思う。 今までの寅は、誤解を恐れずに言えば「純粋だけどバカ」。だが、今回の寅はそこに己を知る者の悲哀を感じさせる。ひろしに組み伏せられて己の弱さや愚かさを思い知ってしまうシーンや、最後の年始のTVに映り込んで、家族が見ていると知る由もなく虚勢を張っているところなど、泣いてしまったりはしないが、胸の奥底に重たいものが下りた感じがした。また、体を壊した同業の先輩に、仁義を切ってみせるあたり、ただのお調子者ではない、職業人・車寅次郎を見せてもらった。 ところで、とら家のみんなが見ているTVが白黒なのに、マドンナと医者が見ているのがカラーTVである事も、彼女がひどく遠くの世界へ行ってしまった感じがして、悲しい気持ちにさせる。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-05-11 02:21:54) (良:1票) |
22.シリーズ中、山田洋次以外の監督がメガホンをとった2作品のうちの一本である、第3作。やはり雰囲気も異なります。長廻しもあれば、ごく短いカットの応酬もあり、特に江戸川べりでのさくらとの別れの場面の抒情性は、長いシリーズ中でもかなり異色のシーンですね。で、立ち去る寅さんは、駅に向う通勤者たちとは逆方向に歩いて行くのだけれど、一体どこに向ってるの?? 後半の舞台は湯の山温泉。ここでもまた、寅さんは例のごとくテキトーでいい加減なのだけれど、それでも、最後には実にいいトコロを見せる。そして見事に仁義を切って見せ、根なし草として生きる男の意地と孤独を、我々に見せつける。単なる失恋コメディに収まらず、寅さんの生き様をしっかり描いてみせた点、監督を交代しただけの価値ある異色かつ出色の作品となりました。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-12-31 11:55:58) (良:2票) |
21.【今回のマドンナ:新珠三千代さん 後半から、湯の山温泉 番頭篇 】 寅さん代名詞のフーテンという言葉がタイトルに使われている為、それ故、寅さんシリーズの中では人気上位作及び代表作なのかと誤解してしまっていた部分がありました。でも見始めてすぐにそれは違うと気付く。明らかに前二作とは撮り方違うし、空気が違う。つまり監督:山田の洋次さんではなかったということでしたね はぁ、なるほどなぁ。でもそれにしても、あれすね 前半部分のお見合い編はまだ良かったのですが、後半、すごく盛り上がりに欠けてしまいましたね なぜなのか・・ それは、旅館の女将に対する寅さんの恋心が上手く描ききれていなかったせいであったと思います。お互いの接近度があまり上手く撮れてません。そのせいであったかなと思います。それと、寅さん旅先ロケの為、いつもの食卓メンバーが休止状態ちょいと長めになってしまったことが原因なんだろうなあって思います。そう考えると、おいちゃん夫婦が旅に出る( しかも、行き先たまたま湯の山温泉に ) その辺りはちょいとサービスっぽくもなっていたのかな~ なんて思ってみたりしています。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-11-07 22:37:37) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 本作スタートから誰かいないよな~と思ったらサクラが出ていない。ほとんど出番がナシなので(川のあたりでちょろっとぐらい)とっても物足りないよな~。ナゼにこんなに少なかったんだろか?。面白いし笑えるところも多いのだけど、この第3作目は山田監督ではないのでなんとなく雰囲気がちがうような? おまけにラストのテレビ画面で~のあたりはちょいとイマイチ。かなりいろいろ試行錯誤してる感ありの一本でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-10-18 14:04:11) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 印象的だったのは、坂口清太郎(花澤徳衛)の家の窓から見える風景。信夫がいる内はまだ外も明るく、工場の煙突の火がぼんやりと見えるが。彼らが駆け落ちで家を出た後、外は暗くなり工場の火はくっきりと見える。 お天道様が西の空に隠れて暗くなると、渡世人は生き生きとして見えるわけだ。 今回はさくらの出番が少ないが、博との喧嘩の翌朝、川の土手でみんなに散々言われた寅にさくらが優しく声をかける。さくらだけがお兄ちゃんの心をわかってくれる。寅は母親に認められた子供のように大きくうなずく。ほろりとさせられました。 他の方も指摘していますが、ほんとうに35分で良かったかも知れません。 わざわざおいちゃん達が温泉に行きそこで寅とばったりということですが、そもそも駒子達の婚礼に散財させられた一月後に、何の伏線もなく温泉に行くという設定が理解できないのです。 もったいなかったのは悠木千帆がちょい役だったことですが、同じ女中でもお澄の役なら・・・新珠三千代が食われてしまいますか^^ 【karik】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-06-29 16:13:35) |
18.山田監督ではない本作。シリーズ全体を通して見るとやはり少し雰囲気が違うような。一番の違和感は他の方も仰る通り、さくらの出番が少な過ぎたなぁ。見合いのドタバタや旅先の雰囲気は良かったけれど。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 4点(2012-12-10 03:09:32) |
17.《ネタバレ》 本作の監督は山田洋二ではなく森崎東。寅二郎に少し愛嬌が足りない感じはありましたが、このシリーズへの造詣が浅い私には、それが監督の違いによるものかどうかは分からなかったです。マドンナの新珠三千代は温泉旅館の女将。「細腕繁盛記」を思い出しました。ただ、彼女は寅二郎を失恋させるためだけのキャラクター。描写が浅くて残念でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-05-14 21:04:53) |
16.《ネタバレ》 マドンナは新珠三千代。 本作は森崎東監督作品である。シリーズで山田監督作品でない2作のうちのひとつ。寅さんに少し荒々しさがあり、山田流の人情ものとは違う色合いがあったかな。やっぱり寅さんは山田洋次監督作品でこそ一番魅力的。ルパン三世と同様でキャラクターが一緒でも製作者が違うと全然色合いが違ってくる。それでも芸者の香山美子の父親 花沢徳衛と絡むシーンは感動した。さくらの出番が少ないのも山田作品と違う点かな。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-04-28 22:49:52) |
15.《ネタバレ》 監督が山田洋次でなくても、脚本は山田洋次、やっぱり寅さんである。シリーズをすべて見たわけではないが、これほど人情に厚く浪花節っぽく、それでいて馬鹿さ加減が目立つ寅さんがあっただろうか。それだけにあきれ果てる場面も多く、いやがられる面も多々あると思う、無理もない。 しかし照れくささに店のすぐそばから電話をかけたり、余興の「花笠道中」で「お志津」と叫んだり、マドンナだけでなく春川ますみや香山美子にも良いところを見せたりするなど、見所はたくさんあると思う。 新珠三千代さんは気品があり、寅さんと一番年齢が近いマドンナだった。蛇足ながらこの新珠三千代さんの恋人になるまったくのちょい役吉井さんは、テレビの水戸黄門シリーズで歴代2位の出演を誇る高野真二さんである。 【ESPERANZA】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-04-29 10:19:51) |