111.《ネタバレ》 シュールで不思議な魅力を持った映画で好きです。 この時代の受験戦争、受験生を抱えた家族がよく描かれていると思います。 横並びの食卓なんか家族間の希薄さ伝わって、家族のようなもの(家族ゲーム)に思えた。 終盤、家庭教師がその食卓で暴れた後、皆揃って料理の残骸を片付けるとこに一瞬、本当の家族に一歩近づいたように見えた。 あと意味ありそうでない?生活音が繰り返されるに、何か引き込まれちゃいました。 そして初めて観た時は、しっかり母親役に見えた由紀さおりさんが、今観ると妙に艶っぽくて結構自分の守備範囲に入る女性に見えて時が経ったんだなぁ~と。 更に、この映画観た時から目玉焼きは半熟が好みになった私であります。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-01-22 04:59:57) (笑:1票) |
110.あえて焦点を絞りきらない作品という気がした。何か滑稽でいながら不気味なものが描かれているんだけど、それがはっきりしない曖昧なままくっきりと(!)提示されてる感じ。くっきりと提示された曖昧さ、ってつまり「夕暮れを完全に把握しました」っていうようなこと。曖昧さは周囲に充満しているんだけど、それを焦点を絞らないまま明晰に描ききった労作。それは思春期の曖昧さでもあり、家族というものの曖昧さでもある。映画は登場人物の人物像を結ばない。いわゆる「人間が描けてる映画」にはしていない。登場人物は人と関わることでのみ描かれ、ぼそぼそとした会話と行動だけが手掛かりだ。その会話を含むリズム感が抜群で、二度目に殴られても鼻血が出ないあたり、先生のガールフレンド美人ですか? と尋ねられてゆっくりハンカチを取り出すあたり、おかしい。これを最初に観た当時は想像することも出来ないことだったが、ラストのヘリコプターの音、サリンを撒いてるオウム真理教を今回はふと思った。カーラジオで事件が起こってないか確かめたり、そういうことにつながってもおかしくないような不穏の気配は、曖昧な夕暮れのようにひしひしと迫っていたのだ。それにしても監督が亡くなっても、もう夭折と言われないだけの時がたってしまっていたのだなあ。その間に松田優作の若死、伊丹十三の自殺、と不幸もあった。戸川純より健全そうだった妹さんの自殺もあった。ちょっとだけ顔見せた清水健太郎の逮捕は何度もあったなあ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-14 10:06:55) (良:1票) |
109.大昔に観た時は松田優作が好きでした。今回は伊丹十三にハマりました。「チュウチュウ出来ないじゃないか」のシーン最高です。「あなたから言ってやってくださいな」「おまえねえ、俺が深入りすると、バット殺人が起こるんだよ」映画が終わった後、このシーンをもう一度巻き戻して笑いました。ハングルラジオのシーン、西日本ならアルアルネタなのですが、関東で起こり得るのでしょうか笑 あと大人になってしまったのか当時32-3?の由紀さおりがカワイイと思いました。 【kocyan】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-12-28 11:28:35) (良:3票) |
108.《ネタバレ》 それぞれのカットが写真の様で見ていて飽きない。その意図を素直に心地良く考えながら見れ楽しい!それはセリフや各出演者の動きにも溢れでている。話し声が聞こえなかったり、レコードを流しているのにBGMが入らなかったりー。戸川純がトイレットペーパーを持っているのは往年のウォシュレットトイレCMへの裏返しなのだろーかー…とか。今回見て、ラストにどの様な意図があるのか考え、ネットで検索して様々な考えに接しれて楽しかった。黙祷。「キミを吸ってるじゃないか。いつも。」 【reitengo】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-26 17:00:54) (良:1票) |
107.《ネタバレ》 唯一無二の雰囲気を纏った良質コメディ映画。独特なカメラワークもセンスに溢れている。 ラストの食卓シーンはゲラゲラ笑ってしまった。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-11-03 21:10:24) |
106.《ネタバレ》 奇妙な映画だった。物語の最初から変である。テーブルに横一列に並んで食事、大事な会話は車の中で・・・。 おそろらくは家族の絆というものをテーマにしたのだろう、それが受験によってもろく崩れていく。そういった受験戦争の無意味さを皮肉った映画なのかもしれない。 人間の価値は、むろん学歴や学校の成績で決まるものではないし、それは誰もが知っている。しかし、受験戦争を仕方がないと追随してあきらめる者が、何と多いことだろう。 松田優作演ずる家庭教師は決して有能なわけではない。そばについて図鑑を見ているだけだし、茂之君にちょっとした刺激を与えただけだろう。それを志望校に合格したからと言ってお祝いし、茂之君の兄には学校に最近行っていないと父親は非難する。 ついに家庭教師は頭に来たのだろう、最後の食卓をひっくり返しめちゃめちゃにした。 この場面だけが本当に痛快である。後始末を家族全員でやっていたので、変化が見られるのかと思ったら、ラストはまったくの無気力、ますますおかしな家族になってしまった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-09-26 06:19:44) |
105.80年代の学校や家庭で浮き彫りにされていた問題点を、 風変わりな家庭教師を通して描いた風刺コメディー映画。 ストーリーはほとんど無いに等しいのだが、当時の何となく殺伐としたシラけた雰囲気を、 役者陣の飄々とした演技、独特の間、シニカルタッチの演出などでうまく表現している。 家庭教師役の松田優作は朴訥なキャラがハマったのか、本作で役者としての新境地を開いたが、 個人的には父親役の伊丹十三が良かった。今の若い人が観ても通じるんだろうか? 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-09-18 06:10:28) |
104.行動心理や動機がつかみづらい映画は苦手なんですけど、これはなぜか楽しめましたね。なんででしょう?こういう子供は実際結構いると思います。周りが気付いていないだけで。生徒の答案をまるめて校舎の外に捨てて笑いをとるところに時代を感じました。個人情報の保護責任がやたら厳しい今の時代には、考えられないですね。 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-07-06 21:11:24) |
103.《ネタバレ》 この映画はBGMが無い。無いけど有る。過剰なまでに取り入れられた効果音こそはまさにBGM、いやBGM以上に訴えかけてくるもの。肝心のセリフの方はむしろ、ボソボソと聴き取りにくく語られ、例えば食事中の食器の音など、挿入される効果音の方が鮮明に響いてくる。コミュニケーションの欠落、空虚さ(これに比べりゃ、“食卓の横並びの構図”なんて、はっきり言ってどうでもよい。茶番じみている)。メチャメチャな家庭教師がメチャメチャやって、でも何故か物事うまくいってしまい(成績向上・志望校?合格)、でもでもそのメチャメチャはさらに暴走、その挙句、「チャブ台返し」にて騒動は終焉する。家庭教師が巻き起こした嵐の後、残された家族はボー然と後片付けをするシーン、それまでバラバラだった家族が初めて一体化したような、しかしそれは全く一時的かつ表面的なものに過ぎないような。そして再び舞い戻る、弛緩した日常。………という、力作なんですけれども。うーんゴメン、やっぱりつまらん。長廻しの力演も、工夫を凝らされたカメラも、確かにスゴイとは思いますけど、何だかそれが、表に立ち過ぎているとでも言いますかね。“詩情”というオブラートで包み切ることのできなかった、そのクドさ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-06-08 23:52:48) |
102.オープニングから奇妙な雰囲気で、その中で行われるやりとりだからこそおかしみがあって良いものになっている。こういう邦画は好きです。非常に印象に残る作品。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-02 03:01:49) |
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101.ホーム・ドラマの皮をかぶったとんでもシュールなサクセスストーリー。 とにかく松田優作がいい味出してる。あんな家庭教師がいたらそりゃ勉強しますよ。 今でこそあんなですが、若かりし頃の森田芳光の「熱」を感じさせる映画でした。 【せかいのこども】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-12 10:46:29) |
100.バックグラウンド音楽をいっさい廃した異色の作品。 単なる受験戦争を皮肉ったものかと思いきや、 現代の家族関係の影の部分を抉り出し、社会へ問いかける深い映画となっている。 受験戦争が過熱していった時代、 いじめや希薄になった人間関係、俗物根性など「困った人たち」をストーリーにちりばめながら、 松田勇作演じる家庭教師の怪人ぶりに見るものを引き付け、シュールな笑いを誘う。 森田監督の才能を感じさせる一作。 昨今の、一方的に盛り上げるだけ盛り上げる過剰な音楽演出にうんざりしている人は見ておいて損はないと思う。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-03 22:49:57) |
99.むふむふと、こみ上げる笑いですね。この映画は。当時、私は家庭教師をしていたので、よけいに笑えました。今でもたくさんのシーンを思い出せるということは、名場面が多かったということですね。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-11-09 00:24:29) |
98.《ネタバレ》 初見はいつだったか・・・20代独身だったことは間違いないです。 風変わりな映画、そんな感じでした。ただ松田優作と阿木耀子のシーンはまったくいらいないと感じたのは今も変わりません。めっちゃくちゃ演技ヘタな阿木さん、あの頃カッコイイ女の代表みたいな存在だったような気はする。 今この映画を観て思うことは、「あの頃はまだマシだったんだ」ですね。 横一列に並んではいても毎晩夕飯を家族で囲み、半熟目玉焼きが好みだったとは知らなかったとはいえ、毎朝きちんと朝ごはんがあり、「おやつ食べな~い?」なんて、おやつの時間に毎日お母さんが家にいる、息子二人は無防備に昼寝してる・・・平和です、なんの心配もない一家じゃないですか。代わり映えのしない日常に家庭教師という他人が入り込むことでこの一家は多少活性化されたともいえるのかな、適度な刺激ってやっぱり大事です。 当時は人間関係、家族のありかたとか学校教育を危惧して、皮肉ったつもりで制作されたのかもしれないけど、価値観の相違に個人主義に当然の権利なんていうのがやたら自意識過剰な人を増やし、あのころとは比べ物にならないくらい殺伐としてしまったんじゃないかしら? 同級生の、あの程度のイジメなんてかわいいもんですね。 いい意味の人を見透かしたようなゆるいコメディだと思う。 【envy】さん [地上波(邦画)] 7点(2010-09-23 00:00:28) (良:1票) |
97.《ネタバレ》 とにもかくにも松田優作、ネタバレだけど終わってみればただの家庭教師だった。変わり者だが、裏の姿があるわけじゃない。しかし与えたインパクトは強烈。さすがに一時代を築いた俳優は違う。ただ、この映画は一体何だったのか?と考えたら良くわからない。コメディとしても例の“最後の晩餐”以外、大笑いできる場面は無かったように思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-22 19:03:26) |
96.《ネタバレ》 これは残念ながら、テレビ連ドラ版の圧勝。松田優作ではもともと何か有能に見えてしまい、長渕剛が発散していた「三流大学落ちこぼれ三留生がやりたい放題やっていたらなぜかそれが劣等生を改善してしまう」という設定の面白味が出せない。伊丹十三も妙に上品で、伊東四朗ならではの、何も考えてないガンコ親父の風情がない。由紀さおりには、白川由美が的確に表現していたうわべだけの上品さが醸出できていない。兄貴役の彼も、もともと優秀なお坊ちゃんに見えないので、後で立場が逆転したときの虚無感や切なさや逆の解放感が出てこない。テレビ版は直接的で単純で世俗的な描写ではあったが、それだけに、作品に原始的でストレートなパワーがあった。ここでは、演出がテクニックに走ってしまっているので、その分、家族間の生々しいドラマの部分を削いでしまっている。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-21 19:33:31) |
95.妻投稿■1960年代以前の古い日本家屋の社会では、もし息子が障害者になったら座敷牢に放り込んで世間の目にさらさない事が多かったようだ。しかし1970年代以降マンションや公営団地に人が住むようになり、その真っ白な壁と幾何学的な未来都市は、こういうドロドロとした村社会や世間体といったしがらみのない新しい住空間に見え、当時の人々は一般に言われる「快適さ」とは違った意味の「快適さ」を期待したんだと思う。■でもギリギリ昭和世代(1987年生まれ)の私の友達の障害者は親に「お前は本当の○○ちゃんない」とか存在を否定された人は多い。確かに村八分とかはなくなったんだけど、その分マンションのコンクリート構造は、ありのままの家族を見ようとせず、それぞれが「こうあるべき」という家族の虚像(というより妄想)を相手に押し付けあうという、昔から結構水面下にあったものを一気に明らかにしてしまった。この映画はそれを松田優作に発露させたんだ…(と「超正統派的知ったかぶり」をしてみました)。■でもこういうマンション街って今高齢化地帯になって徐々に廃墟になっていくんですよね。今じゃどこにでもある「歴史民俗博物館」の最後の展示ブースに「高度経済成長期のマンション」の再現模型があって、映画の中の家族も過去の俗物になってきたんだなと思う。社会も「格差」とかいうのが広まって、「家族を持つ」という事が凄く贅沢になってきた(「家族」が一種のブランド化してきた(笑))。■じゃあ、そう偉そうなことを言う私の家族はどんな感じなのか。もう、性的虐待で出産したダチの赤ちゃんをルームメイト(全員そろいもそろって発達障害者)全員で育てる感じ。「恋愛より前に子育て」という事で、「スカベンジャー(腐肉食系男子)」という言葉もあるくらい。一番だめじゃん(^_^;(笑)) ■21世紀はどんな「家族ゲーム」が作られるのかな? 【はち-ご=】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-06-21 06:34:46) |
★94.《ネタバレ》 20年ぶりに再見。好きなシーンは、教室の窓から見えるグランドのシーン。特に、跳び箱のシーンでパラパラくる拍手とか。遠景でケンカの仕方を教えているシーンも好き。これこそ、初期の森田芳光の映画です。「夕暮れ」という文字をノートいっぱい書いて、「夕暮れが解釈できました」なんて、当時芸術志向のATG系映画でなんかいかにもありそう。それを間髪入れず、否定したのは良かったですね。最後の食卓のシーン。妙に生優しげなんだけど薄っぺらい、心の通ってない感じの一家団欒に対する苛立ちだったのだとだろう、と素直に解釈してみます。しかし、あんな食卓の風景、いまや全国にいくらでもありそう。だから、みんなでおいしそうに食事をする映画が流行ってるのかな。近ごろは、「南極料理人」とか。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-06-03 21:56:52) |
93.カットやカメラまわしがおもしろいですね。30年近く前の映画と思えません。食事シーンで大笑いしました。すごい俳優さんたちです。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-06-03 14:42:46) |
92.《ネタバレ》 ちょっと変わった人達、独特のカット等良い要素はたくさんあったんだけど肝心のストーリーがいまいち。ラストの松田優作の悪乗りは笑った。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-05-21 18:21:06) |