3.《ネタバレ》 良い映画だった。
反体制だろうがなかろうが、そんなの関係なし。
純粋に音楽を楽しみたい善良なポップスバンドすらも演奏ができないイラン。
伝統的音楽以外はめったに演奏許可がおりずコンサートもできない。
けれどもイランにも、ビートルズやカート・コバーンを愛する人はいて、
そんな人達は当然、ロックミュージックがやりたいのだ。
日本までイランのロックが入ってくる事はまず、ほとんどないのだろう。
この映画でのミージシャン達は、ロック、ポップスをひっくるめてインディー・ロックと呼んでいてメタル、トラッド、ニューウェイブ、オルタナ、ポップス、ヒップホップの人々が同じ仲間として協力する姿が描かれ、演奏も聴けてなかなか楽しい。
シリアスな題材ながら、コメディタッチで描かれているところは見やすくて好感が持てた。
その反面、彼らがかかえる苦悩や、根本の問題についてはあまり触れられてなく、物足りなくも感じる。そのせいで、ラストがちょっと唐突に感じた。欲を言えば、もっとアガる演奏シーン等をラストの方に用意してからシメて欲しかったところ。