1.《ネタバレ》 困ったなぁ。結構良かったんですよ。笑えるし、エキサイティングだし、感動もできるし。でも。
全体的にはコメディで軽め。結構、描き足りていないエピソードがある感じ。恋愛部分はかなり物足らないですし、父親とのわだかまりも類型的で薄べったい、基本的なキャラ設定レベルの背景があるだけ。メンバーでキャラ立ちしているのは半分程度ですし、寮のルームメイトの韓国人の扱いは殆どどうでもいいレベル。
それに悪役ポジションの存在に最終的に全く罰を与えていないのが気になりました。ヤツはあのままでいい訳がないのですが。
それでも、スタイルに固執して退屈なパフォーマンスしかできなかった大学のアカペラ・グループが個性的な新入生を寄せ集め、バラバラでまるで調和していなくて、それぞれ反目しながらも実力を付けて上を目指してゆく、それはそれは熱いドラマを見せてくれます。
主人公ベッカを演じるアナ・ケンドリックは表情の変化に乏しい気もしますが、『イントゥ・ザ・ウッズ』の冴えないシンデレラよりは血が通っている感じですし、突き抜けたおデブの“ファット”エイミーや、ちいさな声で恐い事を言う東洋人リリーが魅力的。
ライブ・パフォーマンスシーンは鳥肌モノですし。
で、だけど最大の問題はゲロネタ。この映画の場合、ちょっとしたお笑いのために出てくるのではなくて、ドラマの中心に存在しちゃってる状態なんですよね。ゲロネタやめて、ってこれまで何度も何度も何度も書いてきてるわけですが、これは他とはレベル違い。かなりヤバめで。映画見てる間に具合悪くなりました。なので、良かったのだけれども、もう二度と見たくない映画になってしまっていて。もう少し他の何かにできなかったんでしょうかねぇ。ゲロで笑い取る映画ってのが苦手なので大減点状態になってしまいました。カンベンして・・・