2.これはイタリア映画ならではの魅力が散見される逸品。
『羅生門』さながらに、あらゆる登場人物の異なる視点から、一つの事件を描き出していく技法は、なかなか面白い。
パゾリーニの原案・脚本ということで、パゾリーニ風味もどこかに感じられる。
パゾリーニの初期作品によく出てきた“ゴロつき”がゴロゴロと沢山登場。
彼らを巻き込む事件。
そこに絡む娼婦や少年。
これらの様子が、時間軸を交錯させながら、サスペンス仕立てに観る者を楽しませてくれる。
一見すると分かりにくい作品ではある。
しかし、何度も観たくなるような、クセになる雰囲気を醸し出している作品だ。