21.とても真っ直ぐな青春映画。
毎日映画コンクールのアニメ部門受賞作の名に恥じない作品だと思います。
基本的には前作「ほしのこえ」と同じく日常の情景表現&人間ドラマが主体で、
並行世界(←ありえないのは当たり前ですね)などのSF要素はあくまで引き立て役。
ヒロインの性格が萌え的、非現実的とよく言われますが、
これは中学生男子の女子に対するイメージ表現を狙った(ムックの監督インタビュー参照)そうで、
意図的にリアリティーを廃しているそうです。
主人公がヒロインにたじろぐシーンがあるのもそのため。
また、その主人公のキャラも前作同様、劇中で成長が描かれているので問題なし。
なのでそのあたりを踏まえた上で見る必要があります。
作画がしょぼいとの向きもありますが、
人物の作画は前作と比べるととても綺麗になっています。
また、大手スタジオの制作でもなく、もともとアクションを見せる作品じゃないので
それほど問題でもないでしょう。
モノローグだけに頼らず、美麗な背景がしっかり語りかけてくるところも良い。
(背景は単なる写真加工では?と思う方は、ぜひロケハン写真と比較してみてください。)
一目みた瞬間に誰が作ったのかわかるということはもう、
この監督の立派な個性でありオリジナリティーと言えるでしょう。
声優のキャスティングもバランスがよくて好印象。
暗転の多用や、一部に分かりにくい伏線(ストーリーが破綻していると誤解を招いてる原因は多分これ)があるため、
総合的には6点くらいですが、酷評が多いのであえて満点を。