3.《ネタバレ》 評価はやや低いが、個性的な映画に仕上がっており、嫌いではない作品。
「ヴァンパイアがひ弱すぎる」「輸血ってなんやそれ」という設定もあるが、なかなかデキの良いヴァンパイアモノとなっている。
逆に、こういったユニークな設定が本作の長所となっているところもあるかもしれない。
また、ヴァイオレンスアクション的な要素だけではなくて、ヒューマンドラマ、ラブストーリー、西部劇・犯罪モノ映画などの要素を付加しており、見応えも意外と十分な仕上がりとなっている。
ヒューマンドラマ、ラブストーリーに関しては、やや中途半端なところもあるが、あまり突き詰めると、本旨とズレてきそうなので、この辺りがちょうどいいバランスともいえる。
ホラー度やスプラッターテイストがいいバランスで抑えられている。
主演の二人もなかなか良い雰囲気を醸し出しており、女性監督らしくそういった魅力を引き出している。
ヴァンパイアになっても人間を殺さないような優しさ、家族に対する愛情を持つ男だからこそ、彼女は彼に惹かれたのかもしれない。
一方で、妖しく、物憂げな魅力をもち、人間を殺せない彼を最後まで見捨てないような彼女に彼は惚れたのではないか。
女性監督らしく、そういった微妙な感覚も描かれているように思われた。