16.《ネタバレ》 スローモーションだの幻影だのベタベタであざとい演出ばかりだったにも関わらず泣きそうになります。イーストウッドの手のひらで踊らされているよう。結果ももう分かり切ってるのに、そこへ到達するまでの展開がやはり上手いんだろうなぁ。ここまで露骨な演出をするとは思わなかったのでかなり意外でしたが、それが効果的。 完璧なエンターテイメントに仕上がっています。とはいえ、イーストウッドお得意の大俯瞰も随所に有って、らしさも伺えます。すげーやつです、イーストウッド。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-15 21:15:14) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 ○当時のネルソン・マンデラ大統領をオバマに被せた作品。オバマが大統領となり、南アフリカでサッカーW杯が行われるというこの時期だからこそと言うメッセージ性を感じた。○ラグビーのシーンはメインではないため、チームの結束的な部分はかなり排除されている。その割りにラストの決勝シーンが長く取られているのでそのバランスがいまいちだった。○決勝の長い試合シーンであったが、やる気を高揚させられる出来だった。 【TOSHI】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-15 20:46:51) |
14.《ネタバレ》 心ときめくような映像は今回あんまなかったが、いったいどーしてこう泣けるんだろうか。現実世界に戻りたくなくて、エンディングロールよ永遠に続けと願う、こんな体験は年に数度だ。 【以下バレ】 例えばKじいさんのそれは計算ずくの人造的な涙だという気がするし、Aバターで泣けるとすればあれは民族宗教的ちうか、…まあどちらも人の弱みにつけ込んだいわば「泣かせ」であるわけで、この映画を見て流す涙とは根本的に違う。語弊を恐れず書けば、何やら崇高な物に触れたときの「かたじけなさに涙こぼるる」という類いの涙である。んで、その崇高さというのははたしてこの映画のメッセージによるものなのか、メッセージ以外の何か(映画そのもの)なのか、渾然一体となりすぎて自分でもわけわかめとなるのがこの監督の作品を観終えた際の常である。 憎たらしいことに、彼は演出過剰とは逆向きの演出方針で平然とそういう映画を作ってみせる。監獄見物に行った際にマンデラの囚人時代の姿が幻視されるシーンと、それに試合ラスト数秒で時計がゆっくり進むシーン、この二つの見せ場だけが何か紋切り型の過剰演出だが、それ以外は演技も台詞も抑え目であるかのように見える。それはスポーツというものが元来映画化には不向きであり、試合の場面をどう演出しようが幾分か反映画的になってしまうことをあらかじめ予測して、あえて他の場面が映画的になりすぎるのを避けたのであるのかどうか、私はそう想像するが誰か聞いてみてほしい。結果的に、映画としての完成度は他作品に比べて異質となったという印象をぬぐえないが、しかし『ファイヤーフォックス』と同じ価値を持つ貴重な作品であると思う。 「赦し」というメッセージは強烈だ。現代においてなお殺し合いを続けている民族にとってはなおさらだと思う。この映画はそうした場所でこそ公開してほしいと願う。マンデラもまた存命である。私は自分が矮小な存在にすぎないことを知り、なぜか喜びを感じる。 ぶっちゃけまあ、あまりにもど真ん中すぎて見送り三振という去年も食らったパターンで、また今年もやられたなあという感じ。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-13 20:24:54) |
13.大統領愛されてるなぁと感じます。最近は伝記モノが多くて、似ていれば好評ということがよくありますが、この大統領は大げさな演説もほとんど無く、よかったと思います。 【色鉛筆】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-02-11 21:46:40) |
12.《ネタバレ》 私自身、「グラン・トリノ」以前のクリント・イーストウッド監督作品は苦手なものが多かった。ところが、前作、そして、今作とまたしてもこの監督の視線の温かさ、人間賛歌と言える素晴らしさの前には完敗です。いや、乾杯です。モーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領はかつて、自分を刑務所へと送り込んだ白人に対しても、けして、怒りというものを見せようとはしない。それどころか白人であれ、黒人と全く同じ立場、平等に扱おうとする。その姿にはこれが人間だとその心の広さ、大きさに心を打たれる。「復讐はいけない」「復讐からは何も生まれはしない」「例え敵であれ、同じ人間である」「心を一つにして国を作ろう」と訴える。ラクビーというスポーツの素晴らしさ、チームワークの大切さと人間としての心を忘れてはならない。そういうものが何一つ手抜き無しにきちんと描かれている所がこの映画の素晴らしいところである。国を挙げて母国を応援することの素晴らしさ、大統領も一般人も関係ない。皆が心を一つにして生まれる感動、ラクビーシーンの迫力、カメラワークにしても上手く映し出されていると私は思います。選手たちが動く、躍動感、スタジアムでの観客の動き、表情から感じられるスポーツて素晴らしい。そう思わずにはいられなくなる映画です。この映画を通して人間の持つ心の広さ、誰かを怨んで生きることよりも人に対して同じ気持ちで接することの方がどれだけ素晴らしいことか、人種を超えたこれぞ正しく人間賛歌と言うべき傑作です。本当は満点でもと思ったものの、そうしなかった唯一の不満は日本がニュージランド相手に145対7と記録的大敗したニュースを語ってしまったことで、それだけは日本人としては見せて欲しくなかった。それでもこの映画は間違いなく傑作であることは私の中では変わらない。 【青観】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-02-11 20:40:37) (良:2票) |
11.「機長」「わたしが責任をもつ」ぐいーーーん ←こ、これも実話なんだってぇ!? これがあるとないとでは映画全然ちがうよなあ。それにしてもこの映画……泣いた。 【とと】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-11 19:30:50) |
10.《ネタバレ》 どうやらイーストウッドは映画というジャンルで悟りの境地を開いたようですね。ここ数年、傑作ばかり作り続けてる気がします。きっと彼はもう、どう撮れば伝えたい事を一番表現できるのか、手に取るように分かってるんでしょう。この映画でも南アの人々、黒人白人が一つになっていく様を見事なまでに上手く描いてます。自分を殺そうとした白人を赦し国を一つにしようとするマンデラ、彼の期待(ワールドカップ優勝)に応えようとするピナール。彼らが心の内で持ってたもの、それはインビクタス。決して屈しない彼らの行動によって徐々にまとまり始める国。このまとまって行く速度が丁度いい。実際はもっと色んないざこざがあったんでしょうが、そこに脱線してしてしまうとテンポが悪くなってしまいます。そして最後の決勝戦、ラグビーの知識が無い自分でもよく分かるように複雑な展開は省いてくれたようです。こういう配慮がベテラン・イーストウッド。決して余計な知識を必要としない映像を見せてくれます(まぁラグビーファンには不満があるかもしれませんが)。徐々に高まっていた感情が観客の大喝采と共に爆発。多分この涙はイーストウッドの思惑通りなんだろうな。そう感じながらエンドロールを眺めていました。 【関白宣言】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-02-11 17:30:20) (良:3票) |
9.《ネタバレ》 とっ散らかった印象のカット、繋ぎが多いのはちょっとイーストウッドらしくない感じ。あと、意味ありげに不安感を煽るカットを差し挟んでおいて肩透かしを喰らわすってパターンを何度も執拗に(冒頭のワゴンカーから飛行機、警官の近くの少女と)繰り返すのはちょいとあざといです。しかし、さすがはイーストウッド、上手いなぁ。差別を越えて国を作ってゆく大統領と、ラグビーのワールドカップに臨むチームとを対比させて描く、その手馴れた匙加減は見ているこちらを気持ち良くラストまで運んでくれて、いい映画を見たって満足感を与えてくれます。現実はきっともう少し複雑でしょう。闇の面もあるでしょう。だけど、マンデラ大統領の赦しと協調の精神、それに応えようとする人々の精神をまるで賛歌のように世に送り出す姿勢、それは『グラン・トリノ』後の作品として、あまりにもふさわし過ぎるようなカタチに思えます。イーストウッドは存在そのものが映画ですね。それにしても堂々の演技のモーガン・フリーマンは当然として、マット・デイモンっていつの間にやら、いい役者になりましたねぇ。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-10 21:06:53) (良:1票) |
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8.円熟したイーストウッドの手腕が遺憾なく発揮された偉作です。 【K】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 23:27:07) |
7.《ネタバレ》 実話ベース&スポーツ物という、いかにも失敗しそうなテーマにもかかわらず、ほんとに上手にドラマに仕上がってます。差別問題も、細かく描写しようとしたら切りがなさそうなところを控えめにして、ラストの決勝戦のシーンに収束させるのに成功していて、気持ちいいです。その決勝戦も、思い切り時間を使ってたっぷりと見せており、スタジアムの興奮を見事に再現してくれています。フリーマン氏も、キャラが濃すぎるかなあと心配してましたが、実際に映像で見るマンデラ氏と違和感ない演技をみせてくれます(そっくりだと思います)。一方で、ラグビーサイドから観ると、気になるところが多々あり。(1)そもそも南アが弱小チームだったというストーリーが実話と違うので、WCでの勝利がうそっぽい(2)NZ戦はロムーの突進シーンばかりで変(3)体当たりのアップが多くスピード感がない(4)ピナールとチェスター以外の選手はほとんど名前も呼ばれないのでチーム自体に感情移入しにくい(車中で名前を当てるシーンは、メンバ全員やって欲しかった)、等々。ほんとはもっと複雑な背景があるのを省いた上で、作り話を極力避けた結果、その辺は中途半端になってしまったのでしょうか。最後のクレジットも「あの曲」だけで終わって欲しかったです。ちなみに決勝シーン、選手の立ち位置、キックの角度、インタビューのやりとり、マンデラ氏の仕草まで、かなり当時そっくりに撮ってます。別の意味でおもしろかったです。 【かねたたき】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 22:41:15) (良:2票) |
★6.観る前から、安心してましたが、観終わった後、確信に変わりました。アバターを撮ったジェームズ・キャメロンも凄いと思いましたが、クリント・イーストウッドも負けてません。映像ではあちらに勝てませんが、ドラマとしての完成度は、はるかにこちらの方が上です。個人的にも、こちらが好きですね。 【Yoshi】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 12:44:11) |
5.《ネタバレ》 ネルソン・マンデラが釈放され大統領になった冒頭、道を挟んで白人と黒人の少年がその車の列を見つめる。ただ道を挟んでいるだけなのにその両者には凄く距離があるように感じた。しかし「過去は過去。復讐より赦しを」と説いたマンデラの信念が、最初は一触即発だった自らのSPやラグビーの代表チーム、国民の心を動かしていく様には感動したし、マンデラを演じたモーガン・フリーマン演技が素晴らしかった。 この国では白人のスポーツであったラグビー。黒人は自国の代表チームを応援せず相手国に声援を送っていた程、両者には冒頭のシーンに象徴されるような隔たりがあった。しかし自国開催のワールドカップ決勝戦でマンデラが大統領になった事に嫌悪感を示していた代表チームの主将の家族が黒人のメイドと一緒になってスタンドから声援を送る様子や、一触即発だったSPが互いに喜びを分かち合う姿、最後は黒人と白人が抱き合って勝利を喜ぶ姿には熱いものがこみ上げてきました。 また、スポーツ映画としてのラグビーの試合のシーン、観客が一体になって熱狂するスタンドの描写も素晴らしいものでした。そしてこの映画に描かれた1995年の奇跡が「過去は過去」になって欲しくない。エンドロールでかつて白人のスポーツであったラグビーに興じる黒人の少年達の姿を見ながらそう思わずにいられませんでした。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-02-08 23:36:37) (良:3票) |
4.もうね、映画を知り尽くしているとも言っていいイーストウッドの作品らしく、安心して最後まで観れました。 アパルトヘイトの事や1995年のラグビーワールドカップの事やラグビーのルールすら理解してない人でも充分楽しめる(感動出来る)仕上がりだったのではないでしょうか。 欲を言えば黒人隔離政策の内容を前置きとして説明しても良かったろうし、ラグビーの一番の感動する得点はトライと思う私にとって、ペナルティゴールで加算されて行くのは少し寂しかったかな。まあ実際の試合の内容がそうであったのなら仕方が無いけど、それくらいの脚色は許されるんじゃないかな。 『赦す』事の大事さ。この事を改めて考えさせられました。 私もこう見えても子育て世代。我が子に『赦す』事の大事さを、この映画を例に挙げて語っていきたいと思ったものです。 あと、音楽も良かったですね。とても厳選されててシーンにとてもマッチしていたと思います。 それと余韻を楽しめるエンドロール。 隣りや前の席で観賞されてた70歳台くらいの奥方など、絶対最後まで観ずに立ち上がりそうな人たちが館内の照明が点くまで座り続けていらっしゃいました。 最近ではこんな光景はグラントリノに続いて2回目です。 次作はサイコサスペンス的なのを撮ってくんないかなー。。。 【Pea Shan】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-02-08 22:45:01) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 CMでちらっと見ただけで、後は何も前知識がない状態で鑑賞。内容を乱暴にまとめると、南アフリカのアパルトヘイト終了後、マンデラ大統領がラグビーを使って国の意識を変えようとする、というものです。これまでも「マンデラ大統領」という存在は知っていたものの、これほどの人格者だったとは!! 彼の人間性に大変感銘を受けました。それがこの映画の全てといっても良いと思います。内容がマンデラ大統領とラグビーに絞ってあったので、説明不足や物足りなさを感じた部分もありましたが、もっと話を広げていたら散漫になってしまっていたと思うので、ちょうど良かったのかも。途中、何度か話が不穏な方向に行きそう、、、と見せかけて、実は全編が一貫して希望に溢れており、何度も胸が熱くなりました。モーガン・フリーマンとマット・デイモンの抑えた演技も素晴らしかった! 【づらちゃん】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-08 00:04:00) |
2.もう終始、安心して観ていられる信頼のイーストウッド印。 マンデラ大統領の一時期のみに焦点を絞り描くだけでも十分に人柄が伝わってきます。 モーガン・フリーマンは漲る風格でマンデラを演じ見事な存在感で映画を引き締め、 マット・デイモンも負けずにラガーマンを好演・・隙ねぇ・・ ただ一つ思ったのは前半で国の恥とまで罵られたチームがワールドカップまでにグンっと強くなります。 そのあたりがやや唐突に感じ、強くなる過程はもう少しちゃんと描いて欲しかったかなと思いました。 後は演出が『ベタ』ともいえる手法をいくつかのシーンで見られ、最初は首を傾げましたが後で思うと、素直にあの当時の熱量を観客に体感させる、てっとり早い演出だったのかなぁと思いました。 マンデラ大統領退任後の現在の南アフリカはマンデラが映画の中で掲げられた理想とは程遠い事になっているのでややもの哀しさも感じますが、ラストで流れる若者がラクビーをするシーン(撮影クルーが実際の南アフリカの街で見かけて、偶然に撮れたシーン)を見ると、『あれから受け継がれているものは確かにあった』『あの時の団結を思い出して欲しい』と語っているようでした。 【まりん】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-07 15:07:21) (良:3票) |
1.タイタンズ、忘れてしまいましたー いきなり今年最大の感動作かも‥ これが実話とはすごい人がいたものですね。 映画という枠を超えて実際にスクリーンの中に自分もいるみたい、という不思議な経験をいただきました。ありがとうございます。 親父に見せたいなー |