118.《ネタバレ》 ゾンビ映画の頂点、その名も「ゾンビ」!
冒頭の真っ赤な絨毯のような壁の色から印象に残った。
昂揚感があるのは「ゴブリン」の音楽によるものか。
ショッピングセンターっていうのが良い。
「ゴブリン」の音楽がシュールなのと、デパートの無機質な雰囲気がマッチしてとても良い雰囲気を出していた。
買い物を楽しむシーンが見ものだ。楽しそう!
ゾンビのうろつくデパートでちゃんと生活しているのが凄い!
脱出というよりもそこで生活し、ゾンビと共存(?)しているのが面白い。
ゾンビというものを見事に描きだしている(そりゃそうだ)。
仏教のお坊さんのようなゾンビの存在感が強烈で、中ボスのような存在感を放っていた。
でも他にもデブゾンビや子供ゾンビ、看護婦(師)ゾンビとバリエーションに富んでいる。
ゾンビ映画の中では驚異的なリアリズムとオリジナリティを誇る。
ゾンビって、喋らない、表情が無い、心が無い、棒立ちの状態、
つまり人間から「個性」を逸脱したものだと思います。
しかしこの作品のゾンビ達は服装や髪型などがとても個性的であり、
生前の彼らの生活観が自然に表れているようでそれが面白い。
(脳は「個人」としてではなくなり、「ゾンビ」という「全体」になってしまったわけで、そういった怖さも、服装などの外見的な個性により強調されると思います。)
ゾンビ一匹一匹に「存在する意味」というか「重さ」というか「メッセージ性」が感じられる。
ゾンビの背景(たとえばテレビ局とか、ハンターとか)もリアルに描かれているのが、ゾンビという存在に真実味を与えていると思う。
スプラッター映画であるがあまり「血」や「内蔵」に頼らずに独自の表現方法により、
ゾンビがそこに存在する意味というか、ゾンビという現象を見事に描いている。
そこはまるでゾンビの楽園の様でもあってシュールだ。
ゾンビ映画って「空間」が無いのが多いじゃないですか。
この作品は屋外でゾンビが点々としていて、それがどこか淋しげで哀愁が漂っていて良い。
女性は映る角度によりとても美人に見える。
でもでも「盗賊」の彼は、危険を冒してまで血圧を測りたかったのでしょうか?
最後に決着を決めたピーターは偉い!
「バイオハザード」以上に、この「ゾンビ」は「バイオハザード」らしい作品。
ゾンビ三部作でもこれが一番好きなんです、奥さん!