2.《ネタバレ》 レオス・カラックス初の英語作品、かつミュージカル映画。
ダークなおとぎ話×ロックミュージカルという異色の切り口に惹かれて鑑賞。
スパークスの楽曲が本作のストーリー・世界観の基になっているが、大胆なジャンル設定の試みは成功しており、
まさに唯一無二、独自性溢れるカラックス映画に仕上がっている。
物語で描かれるテーマも興味深い。
子どもを食い物にする父親、ドメスティックヴァイオレンス、常に女性が悲劇を辿るオペラ、暴力性と悪意が籠ったスタンダップコメディ。深読みをすることが可能な作品でもある。
惜しむべくは、映画の骨格は素晴らしいが、ストーリーテリングに伏線や意外性がないので、
映画としては単調になっている点だろうか。
それにしても、マリオン・コティヤールはいつ見ても美人。
歌もできるし演技も上手いし(ゆえに本作で起用されたとのこと)、中盤で退場させずに
もう少し見せ場を用意すれば、賞レースにもっと食い込めたのではなかろうか。