16.《ネタバレ》 85歳のシドニー・ルメット監督。やっぱりジジイが思いつくアイデアってこんなもんになってしまうんだろうな。 バカな兄弟が親の経営する宝石店に強盗に入る。ネタが古いよ! 時間軸をバラバラにして誤魔化したつもりのようだが、正直、こういうスタイルの映画は氾濫しすぎて、もうウンザリする。 正々堂々と順序良く作れよって言いたい。 兄弟がバカすぎて感情移入できない。 冒頭のセックスシーンは何の意味があったのだろうか? きっと、このシーンが何かに結び付くのだろうと思ったが何もなかったのには、かなりコケた。 テンポはいいので退屈はしなかった。 つまらないとは言わないが面白くもない。それだけの作品。 邦題のセンスも悪すぎるので年明けには記憶から消えてると思う。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-10-01 21:52:08) (良:1票) |
【馬】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-09-21 23:18:15) |
14.《ネタバレ》 凝った構成で、最後まで画面に釘付けにされたが、終わってみると大まかな展開としてはよくある破滅型ノワールなのだった。展開に意外性を持たせようというのでなく、薄皮を一枚ずつ剥ぐように犯人達の動機、背景にある捩じれた家族の関係を顕わにしていくための構成だと思われる。犯罪ものの三大興味は「犯人」・「方法」・「動機」であるとされるが、他の二つがどうあれ「動機」に焦点を絞ったのは手法としてはありだろう。このジャンルに家族関係を絡めてきたのはとても新鮮だったし、ただのサスペンスには終わらない厚みのあるドラマとなっている。 原題はおそらく最後に父親が息子を殺害するときの心情を指しているのだろうと考えると、ひどく痛ましい気持ちになる。光の中に消える父親の姿は、彼自身もまた自殺するか、あるいは半ば廃人のような余生しか送れないことを暗示しているのだろう。兄に銃口を向けられてもそれを受容してしまう弟の表情もまた切ない。家族間の葛藤というのはこういうものだ。憎んでも憎み切れず、かといって許したくとも完全に許すこともできない。 ホフマンが父親に「見た目が可愛かったから」弟を贔屓したんだろうと詰め寄る下りは、妙にリアルだ(まったく平和な家庭に育った人であればそんなバカなと思えるかもしれないが、実のところ児童虐待と子どもの容姿とは関連がないとはいえない)。殺人の描写もそうだが、この映画の中の暴力はシュールといっていいほどあっけなく、それだけに残酷さが際立っている。父親が車をパトカーにぶつける場面で思ったが、ルメット監督はもしかすると北野武の影響を受けたのかもしれない。アメリカの作品にしては驚くほどストイックな表現だ。 キャスティングが功を奏していて、名のある俳優陣でありながら皆いい意味でオーラを抑えていた。生活に行き詰った平凡な人間としての生々しい存在感を放っている。とくにフィリップ・シーモア・ホフマンは巧みで、そんなわけはないのによく似た無名の素人を引っ張ってきたんじゃないかと思えるくらい自然だった。唯一、マリサ・トメイが浮いていたかもしれない。美人過ぎるよ、この人(44歳?!)。 それにしても、必ずしもここまで入り組んだ構成にする必要はなかったのではないか、という疑いは拭い切れない。伏線が噛み合う下りも、つじつま合わせ以上の意味が読み取れない場合が多かった。パズルのピースが嵌るような感動がなく、単に混乱を避けるために描写をくどくしたという感じなのだ。サスペンスとして優れているのは事実なので小手先だけの工夫ではないと思うのだが、必然かといえば微妙なところだ。とはいえこれだけのものを観せてもらえたのだから、減点は控えておく。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-08-27 21:48:23) (良:1票) |
13.ささいな行き違いや悪事から転がるように事態が悪化していく内容は特に新鮮ではない。家族の背景も説明不足では?車の中のシーマンの感情の爆発も、そのせいでイマイチ伝わりません。 【noji】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-08-08 00:34:56) (良:1票) |
12.一度人生を踏み外すと二度と元には戻れないということが嫌と云うほど分かりました。 最後まで重い映画。主演者が本当に哀れに見えるほど熱演していたので途中で何度も、あ、この人達は俳優だったと再認識しなければならないほど、はまり込んで観ていました。演技力半端ないです。 【おっちょ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-07-26 19:40:18) (良:1票) |
11.ストーリーは特別に面白いとか、ここが印象的だったということはありませんが、時間系列とその並べ方に一工夫があります。そして何よりも、主要キャスト4人の演技が、ものすごい緊張感と重厚感を醸し出しています。久々に見応えを感じました。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-20 23:51:01) |
10.《ネタバレ》 犯罪サスペンスかと思いきやシリアスなホームドラマだった。すべては親父さんが根源なのか。そしてその根を絶とうと息子の息を止めたのであろうか。後味が良くない結末ではあったが、意外なストーリー展開に引き込まれて一気に観てしまった。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-17 23:34:01) |
9.《ネタバレ》 もう少し軽い時系列サスペンスと思ってレンタルしたが重かった・・・飽きずに観られたが重くてあまり楽しめなかった。 【より】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-07-11 23:30:15) (良:1票) |
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★8.《ネタバレ》 複数の人物それぞれの物語を、時間軸をずらして描いている作品。ところが、きれいすっきりまとめられていて、混乱することなく見れました。これは相当、編集が大変だったに違いない・・・。登場人物たちが人生から転落する様を見せ付けられますが、これが本当に重い! 後半は時間が進めば進むほど、どんどん重くなります。この映画、同じように人生から転落する人々を描いた「レクイエム・フォー・ドリーム」よりも重かった・・・。改めて、映画の力はすごいなと感じました。傑作だと思いますが、人を選ぶ映画ですね。 【たけたん】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-11 19:21:39) |
7.《ネタバレ》 いやはや、なんと鬱な内容なんでしょう。これだけの高齢で、こんなにダークな作品を作っちゃうシドニー・ルメット。一体どんな裏事情があるのか知りたいものです。うまく言えませんが、運命というものと、そこから逃れようともがいても、あり地獄の様に引っ張られていく、そんな人生の残酷さをそのまま描いたような、そんな作品。それにしてもイーサン・ホークは、こういうどうしようもない役回りが本当にうまい。二枚目なのに、ダメ男を演じたら右に出る者はいない。フィリップ・シーモア・ホフマンも勿論うまい。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-10 22:52:53) |
6.「おっ!好きな俳優がけっこう出てるじゃん、レンタルしちゃおっかな」みたいなノリで観賞したら面白すぎてぶったまげました。そんで監督の年齢を知って二度びっくり!85歳!この映画に宿る残酷さは若い人間の感性だと思い込んでた自分が恥ずかしいです。後味は最悪でしたよ。でもメンツはいいし、渇いたリアリティーというかなんというか・・・。先の展開を読ませない編集も好みです。久々に強烈な映画を観させてもらいました。当分記憶に残ると思います。監督さん、長生きしてまた驚かせて下さい。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-07-09 14:06:13) |
5.《ネタバレ》 この映画のテーマは「親子」ですね。ハンソン家は、この強盗事件が起きる前からとっくに「崩壊」していたわけです。両親=夫婦間の愛情があったので表面化しなかっただけ。子ども(といってもいい歳のオヤジだけど)たちの心はとっても荒んでいたのね。父親という存在によって。だからこそ、2人とも問題抱えちゃっている。辛うじて家族の要となってくれいてた母親=妻が亡くなったことで、名実ともに「崩壊」しちゃう過程を実に緻密に描いています。子は親を選べない、生れ落ちた環境が全て。愛情不足や兄弟偏愛が人格形成に決定的な影を落としたという点では、親子の確執経験者としては、同情を禁じえないのだけれど、やっぱり「大人」になったら、自分の尻拭いは自分でできるようになりなさいよ、というのが私の信条。いつまでも「アンタのせいで」を燻らせて生きてんじゃねーよ、と。そんな親にいつまで囚われて生きてんだ、と。言わんこっちゃない、結局、燻り続けた思いを抱いていた父親に命まで奪われるアンディ。気の毒としか言いようがないが、彼はそれだけ甘チャンだったとも言える。・・・とは言え、一番憤りを感じるのは、やはりあの父親。ああいう人間が簡単に人の親になれちゃうんだから、世間って恐ろしい。とことん、自分の過ちと向き合わない、息子以上に甘チャン男。我が子を殺して満足ですか、あなた。後味最悪の映画ですが、嫌いじゃありません。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-09 10:50:09) (良:1票) |
4.ルメット監督といえば、社会派モノや戯曲の映画化を多くてがけているが、この作品は今までのルメットとちょっと違うと思った。「ウイズ」や「グロリア」のような作品にも、ちょっと社会派のスパイスを効かせていたが、この作品はそれがない。ただ、金が人生を誤らせるという点くらいだ。しかし、新しい試みもしている。タランティーノのような演出をしたり、映画ならではの場面変えに新しい試みをしている。老いても、まだまだやれると言った感じで、この監督、ホントすごい。尊敬します。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-06 13:29:39) |
3.シドニー・ルメットの最高傑作と言ってしまおう。時間を遡ってある時点から別の視点でリスタートする。別の視点で見せることで謎めいた物語を徐々に露にしてゆくというのはよくあるが、これはこれからの展開以上にそれぞれの過去までも露にしてしまう。何故そんなことになってしまうのかだけじゃなく、何故そんなことをするのかが解かってくる。しかも説明なしに。最後には全ての人物の行動や成り行きを何もかも納得させてしまう。完璧なシナリオにまず脱帽。イーサン・ホークのダメ弟が少しイライラさせてくれるのだがこのイライラが頂点に達するまえに時間が逆回転するもんだから、あまり不快感を覚えることもない。むしろこのダメ弟のダメ弟ぶりが、また顔だけが男前ぶりまでもがこの坂道を転がるように落ちてゆく物語に説得力を与えていることが判明したときは脱帽したうえに頭を深々と下げざるを得ない状態となること必至。全くもって天晴れ。そしてこの洗練された語り口。老人の作る映画じゃない。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-02-03 14:47:32) |
2.わかりやすい負の連鎖って感じでした。家族を大事にしろってことかな?飽きずに見れましたが期待していた予想だにしない展開が無かったのでちょっと残念でした。 【すたーちゃいるど】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-01-02 17:57:12) |
1.シドニー・ルメットの最新作!!ってもう84歳なんですねぇ。体に鞭を打って(?)映画を作る姿勢には拍手を送りたいです。イーサン・ホークにメタボ・ホフマン、アルバート・”ホームズ”・フィニーの演技合戦は見ものですが、フラッシュバックを多用してるので少し混乱しました。でもよくよく見てると全て筋が通ってるフラッシュバックなのでこれはやられたなぁという感じです。イーサンの狼狽ぶりとフィニーの心に秘めた復讐はちょっと見ものです。邦題の「7時58分」というのは直接的に出てこないのでどっから出てきたの?な感じですし、序盤にセックスシーンがあるからR-18なんだろなぁ・・・ってイーサンはどこに行ったんだ!!!! |