★334.《ネタバレ》 結構ハードSFしている。設定そのものは映画然とした物なのだが、この監督はそう見せるのが非常に巧い。 この映画を子供の頃洋画劇場で観たとき、未来はこうなるんじゃないかという確信めいた物を感じた。当たり前だが、そんなわけはない。けど、リアリティがある。宇宙にはこういう生き物がいるかもしれない、それで人間をこうやって襲ってくるかもしれない。で、助けてもらえる方法はない。
閉鎖された空間で説明不能な恐怖に追われるというのは結構セオリーではあるけど、それを感じさせない斬新さは本筋以外のところにつぎ込まれた工夫の数々で成り立っている。その無数の技巧が文字通りエイリアンに喰われているあたり、演出が冴えまくっている。 【黒猫クック】さん [地上波(吹替)] 8点(2012-03-20 17:18:01) (良:1票) |
333.デビュー作「デュエリスト/決闘者」でもキューブリックの「バリー・リンドン」を意識していたCM出身のリドリー・スコットは、「エイリアン」では同じく彼の「2001年宇宙の旅」の洗練された映像を手本としたが(これは「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスも同じで、ルーカスが2年先んじた)、スコットは彼ほど屈折してはいないし「エイリアン」のプロットはシンプルでストレートなものだけれど、特筆すべきはその感覚。 ホラーは特別好まない自分が惹かれるのもそのセンスによる部分が大きい。 スモークやライティングによる効果に加え、ブレットの顔に滴り落ちる水滴やエイリアンの口より流れる水(粘液だけではない)、リプリーの肌に光る汗、脱出艇のジェット噴射などいたる所に水が使われ、有機的な湿った空気が非現実的な世界にリアリティをもたらす。 その中に潜む異生物もまたオーガニック。 悪魔的な画風のH.R.ギーガーが原案者オバノンに送った画集「ネクロノミコン」にあった悪鬼のごときネクロノームⅣをスコットが気に入り、中に人が入れるようリデザインされたものがエイリアンの原型となり(今でもおびただしい数のソフトのジャケットを飾る)、2mのスリムな若者が入った成体は恐ろしくも美しいがわずかしか姿を見せず恐怖を煽る。 7人のクルーを演じる米英混交の俳優もスターはいないがいい役者ばかり、ランバートの場面が削られ魅力的な女性ヒーロー、リプリー(シガーニー・ウィーバー)が際立つことに。 末期のアッシュ(イアン・ホルム)は種保存のためだけに活動するエイリアンの純粋さを称え、怖いのはむしろ彼を送りこんだ企業(=人間)ではと思わせる。 美術や音楽もすばらしく、衝撃的な要素を含みながら優雅でクールな空間に魅了される、監督の「ブレードランナー」とならぶアーティスティックな作品。 「5」を作る予定もあったスコットは、シリーズの「0」にあたる「プロメテウス」を撮り今夏公開する。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 10点(2012-03-10 07:00:11) (良:5票) |
332.ジョーズやスターウォーズなどの影響がアリアリと、当時の流行に乗ったとも言えるが全く二番煎じに終わらない意欲作。洗練されたデザインと、全て見せないことでアンソロジーの生まれる余地を残した展開。マニアックさとキャッチーさのバランス感覚が抜群。細胞レベルで鳥肌モノです 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-07 04:30:20) |
331.79年当時でこの映像技術・・、凄いなあ。初見の時「あ、宇宙船の中ってこんな風なんだ」と素朴に信じたくらい凄い。パイプが何本も交錯する機関室や船体爆破装置の重厚感に心奪われる。無駄を一切廃したスリリングな展開のシャープなこと。S・ウィーバーの男らしさに惚れ惚れ。猫の目を通して凄惨な場面を想像させたり、遠隔地のビーコンで恐怖を煽る手法も未だに新鮮で粋(?)。グロすら芸術の高みに昇華した、唯一無二の正に名作。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-11-27 16:33:50) (良:1票) |
330.《ネタバレ》 彼女の主演作を他に知らないのに、「シガニー・ウィーバー」がヒロインということを知っている。「ギーガーの鳥獣戯画」って、江口寿史氏じゃなかったですかね(吉田戦車氏?)。「キャラクター造形は、ギーガーという人」であることを知っている。見ていなかったのに、もう見たような気になっていた本作を初めてちゃんと見ました。しかし。決め手に欠ける武器を装備して、案の定やられていく乗組員のみなさん。何故、これだけ切羽詰まった状況なのに、もっと生き延びるために、いがみ合ったり、助け合ったりしないんだ。歯がゆくて仕方ない。結局、あー、あの有名な「エイリアン」ってやっぱりこんなんだったんだ、というのが率直な感想。もちろん、映画史の中のエポックであることは認めますけど。好きなシーン。コールドスリープから起き出した皆さんが、宇宙船の中でタバコを吸っているところ。あれだけたくさん寝た後じゃ、うまかろうて。もうこんなシーン、撮れないんだろうなあ。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-11-13 01:04:27) (良:1票) |
329.《ネタバレ》 ドラマの性質上、何度も鑑賞すると衝撃度は低下するけど、初めて観た時は【宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない】というキャッチコピーの通り、どぎまぎして鑑賞した記憶があります。 印象深いシーンが多く(卵から飛び出して顔面に張り付く、幼体が腹を食い破って出てくる、アッシュが実はアレで狂ったように暴れる等)、中でも当時ガキだった私には、終盤のリプリーの下着姿が刺激的かつ衝撃で・・・ 映画のチラシなんかも集めていた、あの頃・・・ エイリアンのチラシの裏にも、リプリーの下着姿が載っていて、私にはお宝だった訳です・・・失礼。 何はともあれ、SF映画の名作のひとつであります。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-10-10 17:58:52) (笑:1票) |
328.《ネタバレ》 ジョーンズかわいいわぁ。スクリーンで見るのは今回が初めて。『2』以降は全て公開時に見てるのですが。って言うか、これだけは、ちゃんとしたものを見る事自体が初めて。ビデオやDVDでも見てなくて、テレビ放映のカットされたバージョンを何度か、って。戸田恵子の声で「おふくろさん!」ってヤツ。テレビで見ただけの状態では、ただのSFホラーって印象が強かったのですが、こうしてスクリーンで見ると、美術の素晴らしさに目を見張ります。さすがにコンピュータやディスプレイ周りのセットには時代を感じるものの(ブラウン管に出力された映像関係は特に)、エイリアンを始め、宇宙船、工場のようなノストロモ号内部、巨大なエイリアンの化石、宇宙服等々、画面の隅々まで意匠を埋め尽くしているような感じでホレボレします。『2』以降も美術的には凝って魅力的なカラーを見せていますが、『1』は別格。なんで宇宙船の中があんなにも蒸気だらけ?って思いはしますけど、そういうものだ、っていう確固たる主義の元にデザインされている感じ。リプリーの言動が実のところアッシュ以上に不可解だったり(3人になった時点で残りの2人と何故わざわざ別行動するかねぇ?)して、人のドラマの部分はそんなには印象に残らないのが難点ではありますが。ジョーンズ探しを繰り返すのもねぇ。リプリーにとっては2人よりもジョーンズの方が大切でした、ってのはネコ飼いとしては判らんでもないですけど。エンディングに流れるジェリー・ゴールドスミスの美しいメロディも印象的でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-10-02 14:32:12) (良:1票) |
327.最初見たときは、大変怖く気味悪かった。宇宙船をはじめとして映像の見事さに驚いた。そしてアッシュの正体がわかったときはさらに驚いた。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-09-21 18:48:27) |
326.《ネタバレ》 SFホラーの金字塔。疑う事無き傑作の一つ。LDやDVDで自宅観賞の機会は今迄数多く有ったが、劇場での観賞は1980年の初見時以来、実に31年振り。 前日にアバターをIMAX3Dで観賞した事も有り、シガーニー・ウィーバーの容姿の変化から時の流れを痛感した次第。 それにしても、本作が映画というジャンルを飛び越えて後年の様々な作品に与えた影響は計り知れないとつくづく感じた。 例えば船体爆破を無機質に伝えるアナウンスや、狭い通路を登場人物を追う様に撮影するカメラアングル等々、「どこかで観た事が有る」と思う描写のオリジナルは本作だったと言う事を実感。 思えば31年前、錦糸町のお世辞にも綺麗とは言えない映画館で本作観賞の際、前の列のお方が有ろう事かゲロを吐き、まだ少年だった私は注意する事も出来ず、でも映画の雰囲気とその強烈な臭いが妙に調和していた事を思い出した。対して今回の観賞は綺麗なシネコン。最新の設備で名作を鑑賞する事が出来る我々は幸せだ。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-09-11 13:02:29) (笑:1票) |
325.エイリアンのデザイン、重厚なセット、 閉塞された空間で巻き起こる恐怖、そして貨物船に隠された秘密。 それらがうまく絡み合い、凄まじい迫力と緊張感で鑑賞者を惹きつけてくれる。 ギーガーは人間が一番恐怖を抱く造形をイメージして、エイリアンをデザインしたと聞いたけど、 唯一不満だったのは、コミカルな動きを見せるシーンが数カットあったところかな。 最近ディレクターズカット版を見て、また楽しませてもらった。 30年以上経っても、まったく色褪せないSFサスペンス。 【MAHITO】さん [映画館(字幕)] 10点(2011-08-15 07:18:51) (良:1票) |
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324.《ネタバレ》 1と2の2本柱のエイリアンですが、自分は1のほうが好みです。不気味さが半端じゃない。腹から幼生が出てくるシーンは当時の技術でもエグイ。閉鎖的空間で一人ずつ目に見えぬ敵に身内が消されていく恐怖は圧巻。ただやはり自分もエイリアンの成長の早さに違和感を覚えます。 |
323.《ネタバレ》 エイリアン、メリーアン、バタリアン。エイリアン、メリーアン、バタリアン。 っていろいろいらっしゃいますが、っでエイリアンってつまりなんだっけ? ちゃんと観たの今回初めてなんです(エイリアン) っで、正直エイリアンとバタリアンの違いってなんだっけ? ぐちゃぐちゃしてるか、それほどでもないか的なグチャグチャ感の違いだったけか? そのへんよくよく考えてみたらば、あんまよく知ってないんです自分。今回、甥っ子らにさえ説明できなかったダメな叔父。 でもさ、今回この機に及んでよくよく勉強いたしましたさ つまり、エイリアンというのはアレなんです べつに鋭利な刃物を持った危険なひとって事ではないらしいんです。(そらそうよ ) メリーアンというのは羊飼いの少年のことではないらしいんです (なんだ、そうなのか ) バタリアンってのは オバタリアンの亭主、つまり旦那ってことらしいんです (そりゃちがうだろ ) まあ、なんにしろ、 なんだっていいんです 正直、あんま好きじゃないんですエイリアン どっちかって言ったらメリーアン派。 (っで メリーアンって一体なんなんだ? ) 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-25 21:04:03) (笑:1票) |
322.《ネタバレ》 小さい頃は恐ろしすぎてまともに観れなかったこの作品を1、2と続けて鑑賞する機会がありました。どちらも好きですが、1作目の芸術性の高さはすごい。スコット監督の映像センス。無駄のない脚本。ギーガーの造形美が見事に昇華されて「エイリアン」という世界観を作り出している。この作品を嫌いな人は「無機質感」が嫌なのではないだろうか?しかし、私はこの「無機質感」が「宇宙」という空気も重力も温度もない空間の非情さを肌に伝えているように思う。「エイリアン」が恐ろしいのは「殺される恐怖」ではなく「生命を侵略(凌辱)される恐怖」なんだと気づいた。そしてもしかしたらスコット監督は「エイリアン」を芸術作品として撮っているのではないか?とふと思った。アンドロイドの言葉いわく「完璧な生命体」として(2では完璧に「人類の敵」として描いていた)その生命力、環境への適応能力、良心の呵責も罪悪感もなく他の生命を侵していく。人間のレイプと違うのは「支配」の為ではなく、すべて「種の存続」の為であるという事。その純粋さ。恐ろしいが、その純粋さに皆は惹きつけられるのではないだろうか?だから、続編が次々と出来たのではないだろうか。なんにしても映画史に残る傑作であることは間違いない。この「エイリアン」を超える異星人キャラクターは今だ創られていないように思う。 【果月】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-06-15 23:47:30) (良:1票) |
321.あのビル群のような超巨大宇宙船に、たった7人しか乗組員がいないことに驚き。しかも狭い場所で一緒に寝て一緒に食事するなんて…。巨大タンカーだってもう少し乗っているはず。これじゃ、侵入者探しにも苦労するでしょう。考えてみたら、さすがに“密室劇”だけあって、エキストラもチョイ役もゼロ。本当に登場人物は7人+2匹だけ。私が観てきた映画の中では最小規模かもしれません。あと、ちょっとだけ猫が嫌いになりました。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-14 22:07:24) |
【HRM36】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2011-06-14 09:22:22) |
319.H・R・ギーガーの作品集を熱心に見たのはこの映画がきっかけ。性器の造形をモチーフにしているだけあって、彼の手がけたクリーチャーはなまめかしい。あのぬるぬる感が僕はたまらなく好きだ。 【kagrik】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-06-12 10:38:51) |
318.う~ん、期待し過ぎたのかあまり面白くない。特にホラーとしての怖さを全く感じなかったのが致命的。 【もんでんどん】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-06-09 15:23:13) |
317.《ネタバレ》 数年ぶりに鑑賞しました、テクノロジーのショボさが気になるかと思いましたが、問題無いですね。適度なちらりズムが盛り上げますね。エイリアンもだけどあの星に居た宇宙人の方が気になる。 【追記】 TV放映されていたので再鑑賞しました、宇宙船の中でタバコ吸いまくっているのが少し時代を感じます、タバコ?葉巻だっけ?吸っても問題無い程テクノロジーが発達していると解釈しましょうかね^^; 【再鑑賞】中国嫁が最新の「エイリアン:ロムルス」が大陸で話題になってるとのことで興味を持ち僕に聞いて来ました。僕自身は最新とか興味がうすいので調べたところ、時系列が1と2の間の話とのことなので、とりあえず1と2は予習で観といた方が良いよってことでお勧めしました。 エイリアンが中々出てこない古き良きな感じですね。昨今の業界だと企画段階で却下されそう。SFの怪獣ものとの印象でしたがホラー、サスペンスの色が強かったですね。 もう一人の女性隊員?が「早く帰ろうよ」と言いまくってるんだけど彼女はものすごく正しいw 【ないとれいん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-06 17:58:22) |
316.キモさと先の読めなさは凄いね。確かに怖かった… 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-31 23:53:00) |
315.《ネタバレ》 個人的にあんまり好きじゃない。 娯楽に徹していた2を先に見てしまったせいか、ものすごく地味に思えてしまったのです。 またエイリアンの造形は男性器をモチーフにしていると言われています。リプリーの口に雑誌を押し込むシーンも、それっぽい。そういった造形、シーンにどうしても嫌悪感を覚えてしまうのです。もちろん、グロテスクさを感じてこそのモンスターなのですけどね。 【ヒナタカ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-03-14 18:09:15) |